エンジニアリング化学実験

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 エンジニアリング化学実験
科目番号 0005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造システム工学科(マテリアル・プロセス工学コース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:自製プリント,参考書:「基礎物理化学実験」千原秀昭著 東京化学同人,「アトキンス 物理化学要論」P.W.Atkins, J.de Paula著 千原秀昭,稲葉章訳 東京化学同人
担当教員 榊 秀次郎,西野 智路

到達目標

1.実験結果を整理し,正しい文章表現ならびに適切な図表を用いて論理的に説明できる.
2.分子量測定法の原理を理解し,適切な方法で分子量測定することができる.
3.分配係数測定方法の原理を理解し,適切な方法で分配係数を測定することができる.
4.中和熱測定方法の原理を理解し,適切な方法で中和熱を測定することができる.
5.一次反応,二次反応の速度定数測定法の原理を理解し,適切な方法で速度定数を測定することができる.
6.電気量,起電力,電離定数測定方法の原理を理解し,適切な方法で電気量,起電力,電離定数を測定することができる.
7.表面張力,吸着量の測定法の原理を理解し,適切な方法で表面張力,吸着量を測定することができる.
8.混合溶液の密度測定法の原理を理解し,適切な方法で混合溶液の密度を測定することができる.
9.モル吸光係数測定法の原理を理解し,適切な方法でモル吸光係数を測定することができる.
10.イオン交換樹脂の交換容量測定法の原理を理解し,適切な方法で交換容量を測定することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験で得られた成果について,正しい文章表現ならびに適切な図表を用いて論理的に説明できる.実験で得られた成果について,正しい文章表現ならびに適切な図表を用いて説明できる.実験で得られた成果について,報告書および口頭で説明できない.
評価項目2得られたデータから分子量を求め考察できる.得られたデータから分子量を求めることができる.得られたデータから分子量を求めることができない.
評価項目3得られたデータから分配係数を求め考察できる.得られたデータから分配係数を求めることができる.得られたデータから分配係数を求めることができない.
評価項目4得られたデータから中和熱を求め考察できる.得られたデータから中和熱を求めることができる.得られたデータから中和熱を求めることができない.
評価項目5得られたデータから速度定数を求め考察できる.得られたデータから速度定数を求めることができる.得られたデータから速度定数を求めることができない.
評価項目6得られたデータから電気量,起電力,電離定数を求め考察できる.得られたデータから電気量,起電力,電離定数を求めることができる.得られたデータから電気量,起電力,電離定数を求めることができない.
評価項目7得られたデータから表面張力,吸着量を求め考察できる.得られたデータから表面張力,吸着量を求めることができる.得られたデータから表面張力,吸着量を求めることができない.
評価項目8得られたデータから混合溶液の密度を求め考察できる.得られたデータから混合溶液の密度を求めることができる.得られたデータから混合溶液の密度を求めることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
定量的な計測法の基本的実験操作を体得し,観察された現象から得られた実験結果の解析・考察を通じてその現象を具体的に理解し,理解した内容を正しい日本語で表現できる能力を修得することを目標とする.
授業の進め方・方法:
初めに講義形式で実験の説明を行う.
その後,少人数のグループに分かれて実験形式で物理化学実験を行う.
各実験テーマを終了する毎に実験報告書の提出を求める.
注意点:
合格点は60点である.
成績は,実験に取り組む姿勢20%,実験終了後のヒアリングに対する対応20%,実験報告書の内容(体裁,結果と考察)60%で評価する.
特に,実験報告書の未提出者は単位修得が困難となるので注意すること.
(授業を受ける前)実験に先立ち充分に予習しておくこと.
(授業を受けた後)各自で実験内容の理解度を確認するとともに,確実に理解することを心がけること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス 授業の進め方と評価の仕方について説明する.
2週 実験結果の整理と実験報告書の書き方 実験データの取り扱いがわかる.
3週 分子量の測定 分子量の測定,決定方法が理解できる.
4週 相平衡 分配係数が理解できる.
5週 熱化学 中和熱の測定法が理解できる.
6週 化学反応速度 一次反応,二次反応の速度定数の測定法が理解できる.
7週 電気化学 電気量,起電力,電離定数の測定法が理解できる.
8週 界面化学 表面張力,吸着量の測定法が理解できる.
2ndQ
9週 混合溶液の密度 混合溶液の密度の測定法およびモル体積が理解できる.
10週 分光化学 電子遷移を利用した測定法が理解できる.
11週 イオン交換 イオン交換を理解でき,交換容量の測定法が理解できる.
12週 機器分析の基礎 計測の概念,誤差の概念等がわかる.
13週 データの収集 機器によるデータの収集法がわかる.
14週 データの演算と加工 数値データの解析の方法がわかる.
15週 データの描画 データの公開の仕方がわかる.
16週 まとめ データに基づいた結果と考察の仕方がわかる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。4
各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。4
粘度計を用いて、各種液体・溶液の粘度を測定し、濃度依存性を説明できる。4
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。4
分子量の測定(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、粘度測定法等)により、束一的性質から分子量を求めることができる。4
相平衡(液体の蒸気圧、固体の溶解度、液体の相互溶解度等)を理解して、平衡の概念を説明できる。4
基本的な金属単極電位(半電池)を組み合わせ、代表的なダニエル電池の起電力を測定できる。また、水の電気分解を測定し、理論分解電圧と水素・酸素過電圧についても説明できる。4
反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。4

評価割合

レポート口頭発表成果品実技態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合602020000100
知識の基本的な理解40101000060
思考・推論・創造への適用力105500020
汎用的技能105500020