発酵醸造学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 発酵醸造学
科目番号 0033 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造システム工学科(バイオ・アグリ工学コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 自製プリントの配布
担当教員 上松 仁

到達目標

発酵醸造学は、生産菌の選定、育種から始まり、培養生産、生産物の回収精製までの広範囲に渡る生物と物質に関する学問分野です。この発酵醸造の全体を体系的に学ぶことにより、一次代謝産物、二次代謝産物、タンパク質、お酒の製造プロセスの全体を理解できる。さらに、環境浄化における微生物の役割を理解して工場廃液の活性汚泥法による処理を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1一次代謝産物、二次代謝産物、タンパク質、お酒の製造プロセスの原理を説明できる。一次代謝産物、二次代謝産物、タンパク質、お酒の製造プロセスが理解できる。一次代謝産物、二次代謝産物、タンパク質、お酒の製造プロセスが理解できない。
評価項目2微生物を用いた環境浄化、活性汚泥法の原理を説明できる。微生物を用いた環境浄化、活性汚泥法が理解できる。微生物を用いた環境浄化、活性汚泥法が理解できない。
評価項目3バイオプロセスの構成、分離プロセス、精製プロセスの原理を説明できる。バイオプロセスの構成、分離プロセス、精製プロセスが理解できる。バイオプロセスの構成、分離プロセス、精製プロセスが理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
微生物の培養と微生物を用いた物質生産に必要な基礎的事項を学び、微生物反応を定量的に捉え、工学的な考察ができるようにする。微生物反応による物質生産のメカニズム、微生物反応の制御方法、微生物を用いた環境浄化方法、醸造法についての考え方を修得する。この科目は企業で醗酵生産を担当していた教員が、その経験を活かし、微生物の培養、醗酵生産物の単離精製、醸造について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
講義形式で行います。演習問題で理解度のチェックをします。演習問題を提出すること。試験結果が合格点に達しない場合、理解度を再確認するための再試験を行うことがある。
注意点:
特に、演習問題の未提出者は単位取得が困難となるので注意すること。合格点は60点である。学年総合成績 =(中間成績+期末成績)/2

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
有機酸生産のメカニズム
授業の進め方と評価の仕方について説明する。
有機酸生産における好気の代謝メカニズムをエネルギー代謝と増殖反応モデルから説明できる。
2週 アミノ酸生産のメカニズム 一次代謝産物の生産原理を微生物の代謝制御から説明できる。
3週 抗生物質生産のメカニズム 二次代謝産物の生産原理を微生物の代謝経路から説明できる。
4週 タンパク質生産のメカニズム(1) 遺伝子の発現によるタンパク質の生産原理を説明できる。
5週 タンパク質生産のメカニズム(2) 微生物を用いた酵素生産の原理を説明できる。
6週 動物細胞工学によるバイオ医薬品製造 動物細胞を用いた抗体医薬の製造方法を説明できる。
7週 微生物を用いた環境浄化 環境浄化における微生物の役割を説明できる。
8週 到達度試験(前期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
2ndQ
9週 試験の解説と解答
生物酸化による廃液処理
到達度試験の解説と解答
活性汚泥法の原理、物質収支を説明できる。
10週 醗酵生産物の分離・精製:バイオプロセスの構成 バイオプロセスの全体の構成を説明できる。さらに、コスト意識を持って考察できる。
11週 醗酵生産物の分離・精製:分離プロセス 分離プロセス(ろ過、遠心分離、膜分離)の原理を説明できる。
12週 醗酵生産物の分離・精製:精製プロセス 精製プロセス(溶媒抽出、カラムクロマト、晶析)の原理を説明できる。
13週 酒税法、醗酵酒(穀物酒、果実酒) 酒税法の目的と内容を説明できる。
醗酵酒(穀物酒、果実酒)の製造方法を説明できる。
14週 蒸留酒(焼酎、スピリッツ、ウイスキー) 蒸留酒(焼酎、スピリッツ、ウイスキー)の製造方法を説明できる。
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答、および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力200000020
専門的能力600000060
分野横断的能力200000020