鉄筋コンクリート工学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 鉄筋コンクリート工学
科目番号 0005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造システム工学科(国土防災システムコース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「鉄筋コンクリート工学」,大塚浩司,小出英夫他共著,技報堂出版
担当教員 寺本 尚史

到達目標

1. 鉄筋コンクリートの特徴および構造設計法の概要について理解する。
2. 鉄筋コンクリート梁の曲げ耐力およびせん断耐力の計算ができる。
3. 鉄筋コンクリート柱の曲げ耐力およびせん断耐力の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1鉄筋コンクリートの特徴および構造設計法について理解できる。鉄筋コンクリートの特徴および構造設計法の概要について理解できる。鉄筋コンクリートの特徴および構造設計法の概要について理解できない。
評価項目2鉄筋コンクリート梁の曲げ耐力およびせん断耐力について理解した上で計算ができる。鉄筋コンクリート梁の曲げ耐力およびせん断耐力の計算ができる。鉄筋コンクリート梁の曲げ耐力およびせん断耐力の計算ができる。
評価項目3終局限界状態での,せん断力を受 鉄筋コンクリート柱の曲げ耐力およびせん断耐力について理解した上で計算ができる。鉄筋コンクリート柱の曲げ耐力およびせん断耐力の計算ができる。鉄筋コンクリート柱の曲げ耐力およびせん断耐力の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
鉄筋コンクリート部材は土木・建築にかかわらず、多くの構造物に用いられている。本授業では、鉄筋コンクリートの概念や設計法および鉄筋コンクリート部材に曲げ・軸方向力・せん断力が生じた場合の耐力の求め方に関する基本的な考え方を身につける事を目標とする。
授業の進め方・方法:
講義形式で行い,課題およびレポートの提出を求める。試験結果が合格点に達しない場合には,再試験を行うことがある。
注意点:
すでに構造力学、コンクリート構造学で学んだ曲げ応力度やせん断応力度,ならびに材料学で学んだコンクリート材料の特性については,事前にその内容を復習しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
1.鉄筋コンクリート構造の概要
(1) 鉄筋コンクリート造の特徴・構造形式
授業の進め方と評価の仕方について説明する。
鉄筋コンクリート造の特徴・構造形式について説明できる。
2週 (2) コンクリートと鉄筋の性質
(3) 建築物の設計法
コンクリート建物の構造計算の設計ルートについて説明できる。
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明でき、鉄筋の性質を理解できる。
3週 (4) 土木構造物の設計法 コンクリート構造の代表的な設計法である限界状態設計法、許容応力度設計法について、説明できる。
4週 2. 鉄筋コンクリート梁に対する検討
(1) 曲げモーメントを受けるRC部材の応力分布
曲げモーメントを受けるRC部材の断面内の応力の分布について説明できる。
主筋の算定ができる。
5週 (2) 曲げモーメントを受ける単鉄筋RC部材 単鉄筋RC部材の釣合い鉄筋比および中立軸の算定ができる。
6週 (3) 曲げモーメントを受ける複鉄筋RC部材 複鉄筋RC部材の釣合い鉄筋比および中立軸の算定ができる。
7週 (4) 許容曲げモーメントおよび終局曲げモーメント、曲げ破壊形式 許容曲げモーメントを計算できる。
終局曲げモーメントについて説明できる。
曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明できる。
8週 到達度試験(前期中間) 上記について学習した内容の理解度を確認する。
2ndQ
9週 3. 鉄筋コンクリート柱に対する検討
(1) 軸方向圧縮力を受けるRC部材
軸方向圧縮力を受けるRC部材の断面内の応力の分布について説明できる。
10週 (2) 曲げモーメントと軸方向圧縮力を受けるRC部材① 軸方向圧縮力を受けるRC部材の断面内の応力の分布について説明できる。
主筋の算定ができる。
11週 (2) 曲げモーメントと軸方向圧縮力を受けるRC部材② 釣合い鉄筋比および中立軸の算定ができる。
12週 (3) 許容曲げモーメントおよび終局曲げモーメント、MNインタラクションカーブ 許容曲げモーメントを計算できる。
終局曲げモーメントについて説明できる。
MNインターラクションカーブについて説明できる。
13週 4. せん断力を受けるRC部材に対する検討
(1) RC部材のせん断挙動
RC部材のせん断ひび割れ、せん断破壊およびせん断補強筋の役割について説明できる。
14週 (2) RC部材のせん断耐力 RC柱および梁の許容せん断耐力、終局せん断耐力について計算できる。
せん断補強筋の算定ができる。
15週 到達度試験(前期末) 上記について学習した内容の到達度を
確認する。
16週 到達度試験の解説と解答 到達度試験(前期末)の解説と解答,
授業まとめ,授業アンケート。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料コンクリートの長所、短所について、説明できる。3
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。3
配合設計の手順を理解し、計算できる。3
非破壊試験の基礎を説明できる。3
プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。3
コンクリート構造物の補修方法の基礎を説明できる。3
構造断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。3
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。3
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。3
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。3
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。3
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。3
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。3
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。3
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。3
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。3
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。3
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。3
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。3
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。3
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。3
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。3
橋の構成、分類について、説明できる。3
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。3
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。3
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。3
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。3
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。3
建築系分野材料建築材料の変遷や発展について説明できる。3
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。3
木材の種類について説明できる。3
傷(節など)について説明できる。3
耐久性(例えば腐れ、枯渇、虫害など)について説明できる。3
耐火性について説明できる。3
近年の木材工業製品(集成材、積層材など)の種類について説明できる。3
セメントの製造方法(廃棄物の利用も含む)について説明できる。3
セメントの種類・特徴について説明できる。3
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。3
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。3
コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。3
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。3
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。3
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。3
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。3
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。3
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。3
非鉄金属(アルミ、銅、ステンレスなど)の分類、特徴をあげることができる。3
石材の種類・性質について説明できる。3
石材の使用方法について説明できる。3
屋根材(例えば和瓦、洋瓦、金属、アスファルト系など)の特徴をあげることができる。3
タイルの種類、特徴をあげることができる。3
ガラスの製法、種類をあげることができる。3
塗料の種類に応じた下地、使用環境などの適合性について説明できる。3
下地材の種類(例えば繊維板、パーティクルボード、石こうボードなど)をあげることができる。3
床の仕上げ材料(カーペット、フローリング、レベリング、長尺シート等)をあげることができる。3
構造建築構造の成り立ちを説明できる。3
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。3
力の定義、単位、成分について説明できる。3
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。3
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。3
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。3
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。3
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。3
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。3
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。3
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。3
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。3
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。3
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。3
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。3
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。3
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。3
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。3
ラーメンやその種類について説明できる。3
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。3
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。3
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。3
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。3
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。3
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。3
木構造の特徴・構造形式について説明できる。3
木材の接合について説明できる。3
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。3
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。3
S造の特徴・構造形式について説明できる。3
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。3
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。3
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。3
曲げ材の設計の計算ができる。3
継手の設計・計算ができる。3
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。3
溶接接合の種類と設計法について説明できる。3
仕口の設計方法について説明ができる。3
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。3
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。3
構造計算の設計ルートについて説明できる。3
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。3
断面内の応力の分布について説明できる。3
許容曲げモーメントを計算できる。3
主筋の算定ができる。3
釣合い鉄筋比について説明ができる。3
中立軸の算定ができる。3
許容せん断力を計算できる。3
せん断補強筋の算定ができる。3
終局曲げモーメントについて説明できる。3
終局剪断力について説明できる。3
断面内の応力の分布について説明できる。3
許容曲げモーメントを計算できる。3
MNインターラクションカーブについて説明できる。3
主筋の算定ができる。3
釣合い鉄筋比について説明ができる。3
中立軸の算定ができる。3
許容せん断力を計算できる。3
せん断補強筋の算定ができる。3
終局曲げモーメントについて説明できる。3
終局剪断力について説明できる。3
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。3
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。3
マグニチュードの概念と震度階について説明できる。3
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。3

評価割合

定期試験小テスト・レポート合計
総合評価割合8020100
知識の基本的な理解601575
思考・推論・創造への適用力10313
汎用的技能10212