応用数学Ⅱ

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用数学Ⅱ
科目番号 0021 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造システム工学科(空間デザインコース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教養の線形代数 六訂版 村上正康他 培風館
担当教員 葛西 誠

到達目標

1.高次(n次行列(nは自然数))の逆行列、および行列式を求める方法を説明できる
2.線形微分方程式を解くことができる
3.微分等を用いて関数の概形を描くことができる
4.正規分布、指数分布等の土木・建築分野で頻出する確率密度関数を数式を表し、図示できる
5.最小二乗法を誘導できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1高次の行列の逆行列、行列式の求め方を説明できる行列の逆行列、およ行列式を求めることができる行列の逆行列、およ行列式を求めることができない
評価項目2線形微分方程式の求め方を説明できる線形微分方程式を解くことができる線形微分方程式を解くことができない
評価項目3微分等を用い初等関数の概形を描くことができる教員や学生の補助を受けながら、微分等を用いて初等関数の概形を描くことができる微分等を用いて初等関数の概形を描くことができない
評価項目4正規分布、指数分布等の確率密度関数を数式を表し、図示できる教員や学生の補助を受けながら、正規分布、指数分布等の確率密度関数を数式を表し、図示できる正規分布、指数分布等の確率密度関数を数式を表せない、図示できない
評価項目5最小二乗法の原理を説明できる与えられたデータに対して最小二乗法を適用できる与えられたデータに対して最小二乗法を適用できない

学科の到達目標項目との関係

(B)工学基礎知識の習得 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
土木・建築系の諸問題を解くために必要な数学の基本的知識と、その適用方法を習得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。授業中に個人またはグループで演習を行なうことがある。レポートを複数回課す。試験結果が合格点に達しない場合、再試験を実施することがある。
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートやオンラインテストを実施する。
自学自習時間は60時間である。
注意点:
合格点は60点である。到達度試験(中間)の成績35%、到達度試験(期末)の成績35%、レポート30%で評価する。
(授業を受ける前)4年前期までに履修した数学関連科目をよく復習しておくこと。
(授業を受けた後)土木・建築系で開講されている授業などを通じて、数学の知識を柔軟に運用できるよう心がけること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 土木・建築分野で活用される数学 土木・建築分野において数学が活用されている実例を説明できる。
2週 初等関数と土木・建築 三角関数、指数関数、対数関数等で表現される土木・建築分野の諸問題を説明できる。
3週 微分積分と土木・建築 初等関数の導関数を求めることができる。初等関数の積分ができる。微分積分が土木・建築分野の基礎知識として運用されている例を挙げ、説明できる。
4週 微分方程式と土木・建築 指数増加・減少等の現象を表現する1階の線形微分方程式の解法を説明できる。高階・非線形の微分方程式で表現される土木・建築分野の諸問題を説明できる。
5週 行列と土木・建築 行列を使って表現される土木・建築分野の諸問題を説明できる。
6週 逆行列 高次(4次以上)の行列の逆行列を求めることができる。
7週 行列式 高次(4次以上)の行列式を求めることができる。
8週 到達度試験(中間) 上記の項目について学習した内容の理解度を確認する。
4thQ
9週 確率・統計と土木・建築 確率統計の知識が活用される土木・建築分野の諸問題を説明できる。
10週 統計量と確率分布 データが与えられたとき、平均値、分散などの統計量を求めることができ、その意味を解釈し説明できる。代表的な確率分布の式系を書け、概形が描ける。
11週 最小二乗法 複数回観測を行なって得られたデータをもとに推定値を求める最小二乗法の原理を説明できる。
12週 最尤推定 最尤推定法を説明することができる。
13週 多変量解析の基本 多変量解析の種類と応用場面を説明でき、その数学的取り扱いを説明できる。
14週 ベイズ統計 ベイズ統計の考え方を説明でき、土木・建築への適用事例を説明できる。
15週 到達度試験(期末) 上記の項目について学習した内容の理解度を確認する。
16週 試験の解答と解説 試験の解説と解答、および授業アンケート。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3後2
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3後2
分数式の加減乗除の計算ができる。3後2
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3後2
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3後2
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3後2
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3後2
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3後2
簡単な連立方程式を解くことができる。3後2
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3後2
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3後2
恒等式と方程式の違いを区別できる。3後2
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3後2
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後2
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3後2
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3後2
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後2,後12
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後2,後12
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3後2
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後2
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後2
角を弧度法で表現することができる。3後1
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後1,後2
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3後2
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後2
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。4後2
2点間の距離を求めることができる。3後1
内分点の座標を求めることができる。3後1
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3後1
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3後1
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3後1
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3後1
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。1後1
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3後1
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3後1
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3後5,後13
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。1後5
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3後5
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。1後5
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。1後5
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3後5,後13
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3後6,後13
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3後7,後13
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3後1,後3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3後1,後3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3後1,後3
合成関数の導関数を求めることができる。3後1,後3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3後2,後3,後12
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3後2
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3後2,後3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3後2,後3,後11
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3後2,後3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3後2,後3,後11
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3後2,後3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3後1,後2,後3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3後1,後2,後3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3後1,後2,後3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3後1,後2,後3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3後3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3後3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3後3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3後4
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3後4
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3後4
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3後9,後10,後11,後14
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3後9,後10,後11,後14
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3後9,後10,後11,後13
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3後9,後10,後11,後13
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3後3

評価割合

試験その他合計
総合評価割合7030100
基礎的能力402060
専門的能力301040
分野横断的能力000