土木構造設計

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 2020
授業科目 土木構造設計
科目番号 0025 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造システム工学科(空間デザインコース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「新示方書による土圧を受ける構造物の設計」,岡村 甫,國分正胤 監修,技報堂出版
担当教員 寺本 尚史,小田桐 七郎

到達目標

1. 土留擁壁の構造を把握し,その安定条件を理解して安定性の検討を算定できる。
2. 鉄筋コンクリート部材としての土留擁壁の,限界状態設計法における終局限界状態に対する設計法の考え方を理解し安全性の検討を算定できる。
3. 鉄筋コンクリート部材としての土留擁壁の,限界状態設計法における使用限界状態に対する安全性の検討を算定できる。鉄筋コンクリート部材の配筋を理解して,構造図面を作成することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1構造形式とその安定条件を理解して,土留擁壁の安定性の検討を算定できる。土留擁壁構造物の安定性の検討を算定できる。土留擁壁構造物の安定性の検討を算定できない。
評価項目2終局限界状態に対する設計法の考え方を理解し,安全性の検討を算定できる。終局限界状態に対する安全性の検討を算定できる。終局限界状態に対する安全性の検討を算定できない。
評価項目3使用限界状態に対する安全性の検討と,部材の配筋と構造図面が理解できる。使用限界状態に対する安全性の検討と,部材の配筋の基本が理解できる。使用限界状態に対する安全性の検討と,部材の配筋の基本が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
鉄筋コンクリート構造物としての逆T形擁壁について,限界状態設計法により各自の設計条件に基づいた設計を行い,コンクリート構造物の構造設計法を理解する。
授業の進め方・方法:
演習形式で行い,部材毎に設計計算書の確認をする。
注意点:
すでに学んだ鉄筋コンクリート工学での限界状態設計法,ならびに地盤工学での土圧,基礎地盤の支持力の算定については,事前に復習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス
1. 設計法及び課題説明 (1)土留擁壁の構造
授業の進め方と評価の仕方について説明する。
土留擁壁の種類と構造を理解できる。
2週 (2)限界状態設計法の特長と設計手順
  土圧及び基礎地盤の支持力
擁壁の構造と限界状態設計法の設計手順が理解できる。
土圧及び基礎地盤の支持力の算定法が理解できる。
3週 2. 安定計算
(1)形状寸法,荷重の算定
各自の設計条件に基づいて寸法を設定できる。
4週 (2)剛体安定の終局限界状態に対する検討 安定の終局限界状態に対する検討ができる。
5週 (3)剛体安定の使用限界状態に対する検討 安定の終局限界状態に対する検討ができる。
6週 安定計算書の提出,中間検査 安定計算の方法を理解できる。
7週 3. 鉛直壁の設計
(1)荷重及び断面力の算定
鉛直壁の設計断面力が算定できる。
8週 (2)断面破壊の終局限界状態に対する検討 鉛直壁の終局限界状態に対する検討ができる。
4thQ
9週 (3)ひびわれの使用限界状態に対する検討 鉛直壁の使用限界状態に対する検討ができる。
10週 鉛直壁設計書の提出、中間検査 使用限界状態での安全性に対する検討が
できる。
11週 4. 底版の設計
(1)荷重及び地盤反力の算定
底版の設計断面力が算定できる。
12週 (2)断面破壊の終局限界状態に対する検討 底版の終局限界状態に対する検討ができる。
13週 (3)ひびわれの使用限界状態に対する検討 底版の使用限界状態に対する検討ができる。
14週 底版の設計書の提出、中間検査 底版の設計方法を理解できる。
15週 全設計書の提出、最終検査、授業のまとめ 逆T形擁壁の設計方法を理解できる。
授業アンケート。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。3
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。3
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。3
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。3
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。3
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。3
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。3
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。3
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。3
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。3
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。3
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。3
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。1
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。1
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。1
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。1
橋の構成、分類について、説明できる。1
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。3
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。3
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。3
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。1
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。1
製図線と文字の種類を説明できる。3
平面図形と投影図の描き方について、説明できる。3
CADソフトウェアの機能を説明できる。1
図形要素の作成と修正について、説明できる。1
画層の管理を説明できる。1
図の配置、尺度、表題欄、寸法と寸法線の規約について、説明できる。3
与えられた条件を基に設計計算ができる。3
設計した物をCADソフトで描くことができる。3

評価割合

成果品実技合計
総合評価割合100100
知識の基本的な理解8080
思考・推論・創造への適用力1010
汎用的技能1010