応用数学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用数学
科目番号 0004 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「はじめて学ぶベクトル空間」高遠 節夫 他 大日本図書、その他:自製プリントの配布
担当教員 加世堂 公希

到達目標

1.線形代数(ベクトル・行列・行列式・線形変換・固有値と固有ベクトル)の基礎的な計算ができる
2.グラム・シュミットの直交化法を理解し、与えられた基底から正規直交基底を作ることができる
3.与えられた線形写像の表現行列および、核や像の基底と次元を求めることができる
4.行列の固有値・固有空間と対角化可能性との関係について理解し、行列の対角化を求めることができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 線形代数線形代数の応用的な問題を解くことができる線形代数の基礎的な問題を解くことができる左記のことができない
評価項目2 正規直交基底グラム・シュミットの直交化法により、基底の正規直交化を説明することができる与えられた基底から正規直交基底を作ることができる左記のことができない
評価項目3 線形写像与えられた線形変換の表現行列および、核や像の基底と次元の求め方を説明することができる与えられた線形変換の表現行列および、核や像の基底と次元を求めることができる左記のことができない
評価項目4 部分空間行列の対角化可能性の判定および、行列の対角化を説明することができる。行列の対角化可能性について判定し、行列の対角化を求めることができる。左記のことができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
工学の基礎となる線形代数の基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義形式で行い、適宜演習の時間を設ける。
一部の配布資料で英語を用いる場合がある。
章末問題のレポートを課す。小テストを行うことがある。
注意点:
合格点は60点である。
学年総合評価 =(試験 70%)+(レポート課題等 30%)
学年全体の平均点が悪い場合は再試験を行うことがある。特に、レポート等の課題の未提出者は単位取得が困難となるので注意すること。
(講義を受ける前)本科で学んだ数学の知識を全般的に必要とするので、扱う内容の用語等を事前に予習しておくことが望ましい。
(講義を受けた後)復習を怠らず講義内容を理解し、練習問題等が解けるようにしておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス
基礎的な用語の復習
授業の進め方と評価の仕方について説明する
行列・ベクトルに関する基礎的な用語を理解し、行列の計算ができる。
2週 数ベクトル空間
線形独立
基底
数ベクトル空間の性質を利用して、ベクトルの計算ができる
与えられたベクトルが独立か従属かを判別することができる
与えられたベクトルが基底になるかどうかを判別することができる
3週 基底の変換
内積
与えられた2つの基底に対して、基底から基底への変換行列を求めることができる
数ベクトル空間の内積を求めることができ、ベクトルのなす角を求めることができる
4週 正規直交基底・直交行列 与えられた基底から、正規直交基底を求めることができる
5週 線形変換と線形写像 数ベクトル空間内で与えられた線形変換の表現行列を求めることができる
6週 固有値と固有ベクトル
対角化可能な行列の正則行列による対角化
行列の固有値と固有ベクトルを求めることができる
与えられた行列が対角化可能かどうかを判別し、可能な場合は対角化行列を求めることができる
7週 対称行列の直交行列による対角化
与えられた対称行列を直交行列で対角化することができる
8週 連立微分方程式への応用・線形写像 行列の対角化を応用して、連立微分方程式を解くことができる
4thQ
9週 部分空間の定義
部分空間の基底と次元
部分空間の定義を理解し、与えられた空間が部分空間になることを証明することができる
与えられた部分空間の基底と次元を求めることができる
10週 線形写像と部分空間・直交補空間 与えられた線形写像の核と像を求めることができ、それぞれの次元を求めることができる
与えられた部分空間の直交補空間の基底と次元を求めることができる
11週 一般のベクトル空間 多項式や関数をベクトルと見なした場合の、線形変換や固有値の計算を行うことができる
12週 複素数ベクトル空間・エルミート行列 複素数を成分とするベクトルのエルミート内積・行列の固有値・固有ベクトルを求めることができる。エルミート行列の定義を理解できる
13週 エルミート行列の対角化 エルミート行列をユニタリー行列で対角化することができる
14週 ケイリー・ハミルトンの定理・ジョルダン標準形 行列の一般化固有空間を求めることができる
行列の次数が低い場合の行列のジョルダン標準形について理解できる
15週 到達度試験(後期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答、および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。4
簡単な連立方程式を解くことができる。4
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。4
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。4
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。4
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。4
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。4
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。4
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。4
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。4
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。4
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。4
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。4
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。4
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。4
他者の意見を聞き合意形成することができる。4
合意形成のために会話を成立させることができる。4
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。4
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。4
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。4
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。4
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。4
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。4
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。4
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。4
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。4
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3

評価割合

章末テスト課題レポート・小テストその他合計
総合評価割合70300100
基礎的能力70300100
専門的能力0000
分野横断的能力0000