電子物性

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電子物性
科目番号 0007 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 教科書:「基礎電子物性工学」 量子力学の基本と応用 阿部正紀 著 コロナ社 その他:自製プリントの配布
担当教員 田中 将樹

到達目標

1.エレクトロニクスの発展を支える電子材料の物性を微視的レベルにたって本質的に理解できる.
2・量子力学的な考え方,粒子性と波動性,ミクロの世界を支配している原理の本質を理解できる.
3.井戸型ポテンシャル,粒子の反射と透過等のナノスケール物性とナノ構造デバイスへの応用を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1エレクトロニクスの発展を支える電子材料の物性を微視的レベルにたって本質的に理解できる.エレクトロニクスの発展を支える電子材料の物性を理解し説明できる.エレクトロニクスの発展を支える電子材料の物性を理解できない.
評価項目2量子力学的な考え方,粒子性と波動性,ミクロの世界を支配している原理の本質を理解できる.量子力学的な考え方,粒子性と波動性等の原理が理解できる.量子力学的な考え方,粒子性と波動性の原理を理解できない.
評価項目3井戸型ポテンシャル,粒子の反射と透過等のナノスケール物性とナノ構造デバイスへの応用を説明できる.井戸型ポテンシャル中の粒子の運動,粒子の反射と透過等を説明できる.井戸型ポテンシャル中の粒子の運動,粒子の反射と透過等を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ナノテクノロジーと呼ばれる最先端技術を支える各種電子材料の物性を量子力学と電気磁気学を基礎として原子・電子の微視的レベルで本質的に理解する。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う.適宜,レポート等の提出を求める.試験結果が合格点に達しない場合は,再試験を行うことがある.
この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習としてレポートを実施します。
注意点:
合格点は60点である.成績は,試験結果を70%,レポート課題等を30%の比率で評価する.特にレポート等の未提出者は単位取得が困難となるので注意すること.
(講義を受ける前)半導体工学、物性工学、電子応用等の内容を確実に理解しておくこと.
(講義を受けた後)課題レポートにより各自で講義内容の理解度をチェックすると共に,各種電子材料の性質は電子,原子レベルで支配されるため,エレクトロニクス材料を本質的に理解するためには電子物性が基礎になっていることとナノ構造体の基本原理をしっかりと理解することを心がけてほしい.
自学自習時間:後期週4時間(合計60時間)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス
1 電子物性工学
 (1)量子力学と電子物性工学
 (2)電子物性工学の最前線
授業の進め方と評価の仕方について説明する.
量子力学と工学的応用について理解できる.
量子効果を利用する電子応用を理解できる.
2週 2 光から生まれた量子力学
(1)黒体放射とプランクの量子仮説
量子力学的な考え方,光の粒子性と波動性を理解できる.
3週 (2)アインシュタインの光量子説 光電効果の基本原理の本質を理解できる.
4週 (3)コンプトン効果
量子力学と電気磁気学の基本的考え方,粒子性と波動性を理解できる.
5週 (4)原子スペクトルとボーアの原子模型
原子スペクトルと原子模型の基本原理を理解できる.
6週 (4)原子スペクトルとボーアの原子模型
原子スペクトルと原子模型の基本原理を理解できる.
7週 (4)原子スペクトルとボーアの原子模型
(5)ド・ブロイ波と電子線回折
原子スペクトルと原子模型の基本原理を理解できる.
ド・ブロイ波と電子の波動性を理解できる.
8週 (5)ド・ブロイ波と電子線回折 ド・ブロイ波と電子の波動性を理解できる.
4thQ
9週 (6)シュレディンガー方程式 シュレディンガー方程式を深く理解できる.
10週 4 井戸形ポテンシャル
(1)定常状態の波動関数と波動方程式
井戸形ポテンシャル中の電子の運動を理解できる.
11週 (2)井戸型ポテンシャル 井戸型ポテンシャル,周期的境界条件を満たす粒子の運動について理解できる.
12週 (2)井戸型ポテンシャル 井戸型ポテンシャル,周期的境界条件を満たす粒子の運動について理解できる.
13週 (3)トンネル効果 粒子の反射と透過,トンネル効果について理解できる.
14週 5 水素原子と軌道角運動量 水素原子中の電子の状態について理解できる.
15週 到達度試験(後期) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する.
16週 試験の解説と解答    到達度試験の解説と解答,本授業のまとめ、授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力2000001030
専門的能力4000002060
分野横断的能力100000010