到達目標
1. 熱力学の基礎から燃料電池の理想効率, その温度効果や圧力効果について理解できる.
2. 超伝導現象に対する, 古典的な現象論と巨視的な量子論の初歩を理解できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
燃料電池の基礎 | 熱力学の基礎から燃料電池の理想効率と温度/圧力効果を自ら導き出すことができる. | 熱力学の基礎を踏まえた上で, 燃料電池の理想効率が理解できる. | 熱力学の基礎を踏まえた上で, 燃料電池の理想効率が理解できない. |
超伝導の基礎 | 超伝導現象を表現する古典的及び量子論的な関係式から, 基本方程式を自ら導き出すことができる. | 超伝導現象の古典的な現象論と基礎的な量子論との関係を理解できる. | 超伝導現象の古典的な現象論と基礎的な量子論との関係を理解できない. |
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学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
エネルギーに関する2つの技術(燃料電池,超伝導)の基礎となる考え方を理解する.テーマⅠでは熱力学に基づく電気化学の基本原理を整理し,燃料電池の基礎理論を理解する.テーマⅡでは超伝導の基本原理を古典的モデルで把握した上で,初歩的な電磁気学と量子力学でそれらの表現が支えられることを理解する.
授業の進め方・方法:
講義形式で行う.必要に応じ課題を課す.試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある.
注意点:
合格点は 60 点である.成績は試験結果を 70% ,課題の報告を30% で評価する.課題未提出者は単位取得が困難となるので注意を要する.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業ガイダンス/燃料電池概要 |
授業の進め方と評価の仕方について説明する.電池の歴史と燃料電池の基本的な仕組みを整理できる.
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2週 |
電池のための熱力学1/2 |
熱力学関数の基礎が理解できる.
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3週 |
電池のための熱力学2/2 |
化学平衡の基礎が理解できる.
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4週 |
燃料電池と熱力学関数 |
燃料電池の化学反応における熱力学関数を理解し, 熱化学データ表を用いて基礎的な計算ができる.
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5週 |
燃料電池の理想効率 |
熱力学関数をから燃料電池の理想効率が理解できる.
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6週 |
燃料電池の理想効率の温度と圧力依存 |
燃料電池の温度効果と圧力効果が理解できる.
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7週 |
燃料電池の現実的効率 |
燃料電池の現実的な効率について概略が理解できる.
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8週 |
超伝導の基礎現象と超伝導応用技術の概要 |
第一種及び第二種超伝導の基礎現象と超伝導の応用技術を整理できる.
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2ndQ |
9週 |
古典的な現象論による超伝導の基礎方程式 |
量子化磁束とLondonの第1及び第2方程式を古典的なモデルから理解できる.
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10週 |
古典的な二流体モデルによる超伝導体の全電流 |
超伝導流が磁界侵入長により影響を受けることが古典的な現象んから理解できる.
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11週 |
超伝導現象を理解するための量子論(1/2) |
この講義に必要なSchrödinger方程式が理解できる.
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12週 |
超伝導現象を理解するための量子論(2/2) |
Lorentz項を含むSchrödinger方程式が理解できる.
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13週 |
量子論からLondon方程式へ |
巨視的な波動関数を利用し, London方程式が導出できる.
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14週 |
Josephson 接合 |
マクロな波動関数から, 超伝導量子干渉計(SQUID)の基本原理が理解できる.
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15週 |
試験 |
上記項目について学習した内容の理解度を確認する.
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16週 |
試験の解説と解答 |
試験解説と解答, 本講義のまとめ, 授業アンケート
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 課題 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 30 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 25 | 0 | 10 | 0 | 0 | 0 | 35 |
専門的能力 | 25 | 0 | 10 | 0 | 0 | 0 | 35 |
分野横断的能力 | 20 | 0 | 10 | 0 | 0 | 0 | 30 |