量子力学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 量子力学
科目番号 0011 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書は特に用意せず,自製の演習プリントを配布する。
担当教員 上田 学

到達目標

・ ボーアの水素原子模型を説明できる。 
・ 位置エネルギーが一定の系でのシュレディンガー方程式を解くことができる。 
・ 量子力学における角運動量の性質を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1独力でボーアの水素原子模型を説明できる誘導によってボーアの水素原子模型を説明できる。誘導があってもボーアの水素原子模型を説明できない。
評価項目2位置エネルギーが一定の場合のシュレディンガー方程式を解くことができ,その運動の状態を説明できる。位置エネルギーが一定の場合のシュレディンガー方程式を解くことができる。位置エネルギーが一定の場合のシュレディンガー方程式を解くことができない。
評価項目3量子力学における角運動量の性質を説明できる。量子力学における角運動量の性質を理解できる。量子力学における角運動量の性質を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
量子力学は,原子・分子が主役となる微視的現象を記述する理論である。この講義の前半では、箱の中の自由粒子の計算を通して量子力学の基本概念を習得する。講義の後半では、交換関係の計算を通してスピンなどの量子力学の角運動量の性質を理解する。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。必要に応じて適宜,演習課題,レポート,宿題を課す。試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある。
この科目は学修単位のため,事前・事後学習として宿題やオンラインテストを実施します。自学自習時間は 60 時間。
注意点:
成績は,試験結果70 %,演習課題・レポート・宿題の結果を 30 % で総合的に評価する。合格点は総合成績で 60 点以上である。
特に,レポート・宿題の未提出者は単位取得が困難となるので注意すること。

自学自習用として,本科在学時に使用した量子力学もしくはそれに関連した教科書が用意できればよい。もし手元にそのようなテキストが無い場合は,次の教科書を例として挙げる。
・「工学系のための量子力学」 上羽 弘 著,森北出版 
・「初等量子力学(改訂版)」 原島 鮮 著,裳華房
・「量子力学Ⅰ (改訂版)」 小出 昭一郎 著,裳華房

(講義を受ける前)
これまでに学習した数学・物理・化学の知識を広範囲で用いるので,その日に習うと予想される範囲での物理量の定義や数学の公式などを事前にチェックしておくこと。

(講義を受けた後)
授業の復習を必ず行い,理解できなかったところや不明のところを早めに解決すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス
1. 光量子 その1 光電効果
授業の進め方と評価の仕方について説明する。
光電効果,
2週 1. 光量子 その2 コンプトン効果 コンプトン効果を説明できる。
3週 2. 物質波とボーアの原子模型 その1 ド・ブロイ波長を計算できる。ボーアの水素原子模型を説明できる。
4週 2. 物質波とボーアの原子模型 その2 ボーアの水素原子模型を用いて原子から発生する光の波長を計算できる。
5週 3. シュレディンガー方程式 その1 進行波を用いて物質波が満たすべき式 (時間に依存するシュレディンガー方程式)の形を説明できる。
6週 3. シュレディンガー方程式 その2 波動関数の振る舞いと存在確率の関係を説明できる。
7週 4. 箱の中の自由粒子 その1 境界条件を利用して箱の中の自由粒子の波動関数とエネルギー準位を求めることができる。
8週 4. 箱の中の自由粒子 その2 波動関数の規格直交性や縮退について説明することができる。
4thQ
9週 5.トンネル効果 量子力学特有のトンネル効果について説明できる。
10週 6. 不確定性原理と交換関係 不確定性原理について説明することができる。演算子の交換関係を計算することができる。
11週 7. 角運動量 その 1 量子力学における角運動量の性質を理解できる。
12週 7. 角運動量 その 2 角運動量演算子の交換関係を計算できる。
13週 9. スピン その 1 スピンをイメージできる。
14週 9. スピン その 2 二電子系のスピンを合成できる。多電子系のスピンをイメージできる。
15週 到達度試験 (後期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答、および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テストレポート・宿題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70030000100
知識の基本的な理解5001000060
思考・推論・創造への適用力100500015
汎用的技能100500015
態度・嗜好性 (人間力)0050005
総合的な学習経験と 創造的思考力0050005