無機材料論

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 無機材料論
科目番号 0009 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 エネルギーと電磁場  阿部龍蔵 著 (裳華房)/参考書   物性化学 古川行夫 (講談社)
担当教員 丸山 耕一

到達目標

1. 力とポテンシャルエネルギー、仕事について理解できる。
2. 静電場と静磁場について理解できる。
3. 導体や誘電体中の電磁場について理解できる。
4. 電流と静磁場、電流回路について理解できる。
5. 電磁場のエネルギーについて理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1可逆的な現象におけるエネルギー、仕事について説明できる。力とポテンシャルの関係、準静的な仕事について説明できる。力とポテンシャルの関係、準静的な仕事について説明できない。
評価項目2力学と電磁気学の共通概念を見出すことができる。電荷、電場、電位について古典論で説明できる。電荷、電場、電位について古典論で説明できない。
評価項目3物質の電磁気学的な性質を用いた、機能性制御、エネルギー変換を考察できる。物質中の静電場について説明できる。物質中の静電場について説明できない。
評価項目4電磁場の時間変動を解釈することができる。電荷の移動と磁場の関係、電流回路のエネルギーについて説明できる。電荷の移動と磁場の関係、電流回路のエネルギーについて説明できない。
評価項目5マクスウエル方程式を導き、解釈することができる。電磁場のエネルギーについて説明できる。電磁場のエネルギーについて説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
無機材料を用いたデバイスには、電場や磁場中での物質の性質、電場と磁場とのと相互作用を利用したものがある。これらのデバイスの基礎原理を理解するための、物質にまつわる電磁気学、エネルギー論を概観する。これらの概念は、電力の消費を抑制する技術、物質によるエネルギーの変換・蓄積技術等、エコ社会・持続的社会にも活用されるデバイスの原理にも通じる。これらのことを念頭に、物理的な概念を駆使して、物質・材料の性質、これに起因する現象のイメージを深める。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。ただし、受講者数が少ないときは輪講形式とする。試験結果が合格点に達しない場合、再試験を行うことがある.
注意点:
試験結果と授業への取り組み(課題または輪講形式の際の発表などの内容)で評価する。
総合評価=試験結果60%、取り組み40%。合格点は60点以上とする。
(授業を受ける前)教科書の内容を理解するための力学、電磁気学等の物理概念、ベクトル解析等の知識を復習する。
(授業を受けた後)物質・材料の性質、物質によるエネルギー創生・変換・蓄積等の概略を理解し、今後の技術開発のヒントの潜在を意識する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
各種のエネルギー
授業の進め方と評価の仕方について説明する。また、無機系の材料に関わる電磁気学、エネルギー論について概説する。
2週 力とポテンシャル(1) 保存力、保存力とポテンシャルの関係、質点間の相互作用のポテンシャルを説明できる。
3週 力とポテンシャル(2) 保存力、保存力とポテンシャルの関係、質点間の相互作用のポテンシャルを説明できる。
4週 電荷・磁荷の連続分布(1) 点電荷の集合体という立場から電位の満たす式、電気エネルギーのエネルギー密度と電場の関係を説明できる。
5週 電荷・磁荷の連続分布(2) 点電荷の集合体という立場から電位の満たす式、電気エネルギーのエネルギー密度と電場の関係を説明できる。
6週 導体系の静電気学(1) 導体の表面が等電位であり、これが作る電場、電位を説明できる。
7週 導体系の静電気学(2) 導体の表面が等電位であり、これが作る電場、電位を説明できる。
8週 誘電体の性質(1) 電気双極子のつくる電位、誘電体の電気分極、電束密度と新電荷の電荷密度の関係を説明できる。
2ndQ
9週 誘電体の性質(2) 電気双極子のつくる電位、誘電体の電気分極、電束密度と新電荷の電荷密度の関係を説明できる。
10週 磁石、電流と静磁場(1) 永久双極子の集合体である磁気分極、磁気エネルギーについて説明できる。
11週 磁石、電流と静磁場(2) 静磁場中の電流に働く力、ビオ-サバールの法則、ベクトルポテンシャル、誘導係数について説明できる。
12週 電流回路系のエネルギー(1) 時間変動する電磁場の例として電磁誘導、磁性体と電流が共存する場合の磁気エネルギーを説明できる。
13週 電流回路系のエネルギー(2) 電流系に働く力、直流モータの原理を説明できる。
14週 電磁場のエネルギー マクスウェル方程式を導き説明できる。
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
16週 試験の解説と解答 前期試験の解説と解答、および授業アンケート。本授業のまとめ。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験取り組み合計
総合評価割合6040100
基礎的能力03030
専門的能力401050
分野横断的能力20020