有機合成化学特論

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 有機合成化学特論
科目番号 0018 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:「電子の動きで見る有機反応の仕組み」 奥山格、杉村高志著 東京化学同人
担当教員 児玉 猛

到達目標

1-5年次の有機化学分野で学んできた結合電子対の偏りに基づく有機電子論の考え方への理解を深め,様々な有機反応を定性的に理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電子の流れの理解反応の電子の流れを完全に理解できる。反応の電子の流れを理解できる。反応の電子の流れを理解できない。
生成物の構造の予測生成物の構造を完全に予測できる。生成物の構造を予測できる生成物の構造を予測できない。
反応の組み立て有機反応を組み合わせ目的の化合物の合成ルートを見つけることができる。有機反応を組み合わせた目的の化合物の合成ルートを理解できる。有機反応を組み合わせた目的の化合物の合成ルートを理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
有機反応はほとんどの場合,電子の流れで説明できる.本講義では,1-5年で習得した有機化学の基礎を用いて,新しい反応の反応機構や,立体選択性および目的物の構造を定性的に説明し,有機化学への理解を深める。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う.また,レポートの提出を求める。試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある。
注意点:
[学習上の注意]
(講義を受ける前)化学Ⅰ,化学Ⅱ,物質工学科は2-5年で学習した内容を復習しておく事.
(講義を受けた後)基礎的概念の理解が重要である.ノート及び教科書を用いて復習し確実に理解する事.
[評価方法]
合格点は60点である.試験結果を80%,レポートを20%で評価する.レポート未提出者は単位取得が困難となるので注意すること.試験結果が合格点に達しない場合,再テストを行うことがある.
学年総合評価=到達度試験(前期末)×0.8+レポート×0.2

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス 授業の進め方と評価について説明する。
2週 酸と塩基1 酸と塩基の関係について理解できる。
3週 酸と塩基2 カルボカチオンおよびカルボアニオンについて理解できる。
4週 求核置換反応1 求核置換反応について理解できる。
5週 求核置換反応2 求核置換反応について理解できる。
6週 脱離反応1 脱離反応について理解できる。
7週 脱離反応2 脱離反応について理解できる。
8週 到達度試験(中間) 上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
4thQ
9週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答を行う。
10週 付加反応 不飽和結合への付加反応について理解できる。
11週 付加脱離型置換反応 付加脱離型置換反応について理解できる。
12週 エノールとエノラートの反応 エノール化、及びエノールまたはエノラートの反応を理解できる。
13週 転位反応1 反応選択制に関わる因子を理解し、選択性制御の手法を理解できる。
14週 転位反応2 反応選択制に関わる因子を理解し、選択性制御の手法を理解できる。
15週 到達度試験(期末) 到達度試験の解説と解答を行う。
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3
σ結合とπ結合について説明できる。3
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。3
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3
共鳴構造について説明できる。3
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。3
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3
高分子化合物がどのようなものか説明できる。3
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。3
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。3
高分子の熱的性質を説明できる。3
重合反応について説明できる。3
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。3
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。3
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。3
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。3
反応機構に基づき、生成物が予測できる。3

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力4010000050
専門的能力4010000050
分野横断的能力0000000