高分子物性論

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 高分子物性論
科目番号 0034 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「新高分子化学序論」 伊勢 典夫,川端 季雄,東村 敏延,今西 幸男,砂本 順三 化学同人
担当教員 榊 秀次郎

到達目標

1.高分子の一般的性質、高分子間に働く力、高分子と低分子の比較が説明できる。
2.高分子の分子構造(高分子の空間構造、分子量と分子量分布)が説明できる。
3.高分子の熱的性質が説明できる。
4.応力と変形、粘弾性とゴム弾性が説明できる。
5.熱可塑性高分子と熱硬化性高分子、繊維、ゴム、エラストマーが説明できる。
6.電子・電気機能物性(光電変換機能、光導電性、フォトレジスト、光記録、光通信機能)が説明できる。
7.ライフサイエンス材料が説明できる。




ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1高分子の一般的性質、高分子間に働く力、高分子と低分子の比較が、十分理解し、説明できる。高分子の一般的性質、高分子間に働く力、高分子と低分子の比較が説明できる。高分子の一般的性質、高分子間に働く力、高分子と低分子の比較が説明できない。
評価項目2高分子の空間構造、分子量と分子量分布が、十分理解し、説明できる。高分子の空間構造、分子量と分子量分布が、説明できる。高分子の空間構造、分子量と分子量分布が、説明できない。
評価項目3高分子の熱的性質が、十分理解し、説明できる。高分子の熱的性質が説明できる。高分子の熱的性質が説明できない。
評価項目4応力と変形、粘弾性とゴム弾性が、十分理解し、説明できる。応力と変形、粘弾性とゴム弾性が説明できる。応力と変形、粘弾性とゴム弾性が説明できない。
評価項目5熱可塑性高分子と熱硬化性高分子、繊維、ゴム、エラストマーが、十分理解し、説明できる。熱可塑性高分子と熱硬化性高分子、繊維、ゴム、エラストマーが説明できる。熱可塑性高分子と熱硬化性高分子、繊維、ゴム、エラストマーが説明できない。
評価項目6光電変換機能、光導電性、フォトレジスト、光記録、光通信機能が、十分理解し、説明できる。光電変換機能、光導電性、フォトレジスト、光記録、光通信機能が説明できる。光電変換機能、光導電性、フォトレジスト、光記録、光通信機能が説明できない。
評価項目7ライフサイエンス材料が、十分理解し、説明できる。ライフサイエンス材料が説明できる。ライフサイエンス材料が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この科目は,企業で高分子の合成およびその用途開発を担当していた教員が,その経験を活かし,化学工業の分野だけでなく、電子材料、生命医薬、応用物理など幅広い分野で使われている高分子材料を、その高分子構造と物性の関係を明らかにし、身近にある高分子材料に関し理解を深めさせるために講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。必要に応じて適宜レポートを課す。
注意点:
試験結果が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 高分子の一般的性質、高分子間に働く力 高分子の科学的概念、高分子間の分子間力が説明できる。
2週 高分子と低分子の比較 高分子と低分子の物性の違いを説明できる。
3週 高分子の空間構造 空間に広がった高分子の構造がわかる。
4週 分子量 高分子の分子量を説明できる。
5週 分子量分布 高分子の分子量分布を説明できる。
6週 高分子の熱的性質1 高分子の熱力学的安定性がわかる。
7週 高分子の熱的性質2 高分子の熱力学的安定性を説明できる。
8週 応力と変形1 弾性体(弾性変形)、粘性体(粘性変形)を説明できる。
2ndQ
9週 応力と変形2 粘弾性体(粘弾性変形)を説明できる。
10週 応力と変形2 ゴム弾性を説明できる。
11週 熱可塑性高分子、熱硬化性高分子 熱可塑性高分子、熱硬化性高分子の違いを説明できる。
12週 FRP、ポリマーアロイ、ゴム(エラストマー) FRP、ポリマーアロイの違いを説明できる。
13週 ゴム(エラストマー) ゴム(エラストマー)を説明できる。
14週 光電変換機能、光導電性、フォトレジスト、光記録、光通信機能 光電変換機能、光導電性、フォトレジスト、光記録、光通信機能を説明できる
15週 ライフサイエンス材料 薬効高分子、。医療材料が説明できる。
16週 到達度試験 上記項目について学習した内容の理解度を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3
σ結合とπ結合について説明できる。3
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。3
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3
共鳴構造について説明できる。3
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。3
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3
高分子化合物がどのようなものか説明できる。3
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。3
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。3
高分子の熱的性質を説明できる。3
重合反応について説明できる。3
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。3
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。3
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。3
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。3
反応機構に基づき、生成物が予測できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力105000015
専門的能力6010000070
分野横断的能力105000015