地域は,DXおよびグローバリゼーションによって,産業構造や社会構造の転換期を迎えている。これに係る秋田県内の課題を抽出するための,基礎概念や状況認識を,産学官の各方面から収集するという視点から
1.DXとその基礎技術
2.新たな価値創造へのDXの活用法
3.カーボンニュートラル社会構築への背景と課題
から,地域のオープンイノベーションに接続するために必要なことを抽出する。
概要:
DXによる社会変革,再生可能エネルギーによるカーボンニュートラル社会構築は、どのような背景から発し、どのような特色と課題をもちあわせているのかについて、産学官の各機関に携わっている講師の生の声から、学生自らが、秋田県の現状理解と、課題発見、課題解決のためのアイデア、すなわち、秋田県にグローバリゼーションを定着させるための基盤知識を整理するための講義を行うものである。なお,地域の特色である再生可能エネルギー関連(「再エネ」),東北地方の戦略である半導体製造関連(「半導体」),アントレプレナー創出関連(「アントレ」)に直接的,間接的に関係する内容に,それぞれ〇,△を付記する。
授業の進め方・方法:
各実務家教員が1回~3回のオムニバス形式での授業を、講義形式で行う。
各教員から「課題」の提出を求める。また、講義内容とは別に、「特別課題」の提出を求める。
合格点を60点以上とする。成績は、「課題」の点数(50点)+「特別課題」(30点)+「授業への取り組み」(20点)の比率とする。
注意点:
講義資料をTeamsから配布する。授業中の閲覧を可とするが、印刷等は各自で行い、授業に適宜活用する。
成績に関係する「課題」と「特別課題」をTeamsに提出する。提出期限に遅れると減点(5点/1課題)する。
欠課(5点減点/1回)または遅刻(2点減点/1回)を「授業への取り組み」として成績に反映させる。
各教員より求められる課題を提出する際に、充分な調査と考察を自学自修として行うことを推奨する。「課題」と「特別課題」を提出しないと、単位取得が困難になることに留意せよ。
事前:地方創生講演会、各教員から事前配布される資料と、各教員の所属(企業、秋田県等)のHP等の閲覧から得た情報をもとに、地方創生・地域イノベーションに対する問題意識をもって臨む。
事後:秋田県の現状や課題について得た情報に対して、学生自身が理解した内容、考察した内容、新たなアイデアについて、教員との意見交換を授業時間内外に積極的に行うという姿勢を期待する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業ガイダンス |
授業の進め方と授業内容・方法および注意点がわかる。
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2週 |
秋田県に於ける洋上風力発電事業の開発 (講師:三菱商事洋上風力株式会社 ,二村卓) |
日本における洋上風力事業の位置付け、当社がパートナーと共に手掛ける秋田県沖2案件の概要、及びパートナー企業の洋上風力事業の工事概要ついてわかる。(再エネ:〇)
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3週 |
DX概論 (講師:ADK富士システム株式会社,加藤伸彦 ) |
官公庁や民間企業によって公開されているDXに関する資料や調査結果を読み解くことでDXがわかる。(半導体:△)
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4週 |
DXの実現事例紹介(講師:ADK富士システム株式会社,伊藤真弓) |
導入事例、官公庁や民間企業へ導入した事例から実際にどんなDXができるのかのイメージがわかる。(半導体:△)
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5週 |
情報通信技術 Ⅰ(講師:秋田県産業技術センター ,佐々木信也) |
DXによりあらゆる職種に必要となるICT(情報通信技術),その業界の様子を紐解きつつ,秋田のICTについての基礎がわかる。(半導体:△)
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6週 |
情報通信技術 Ⅱ(講師:秋田県産業技術センター ,佐々木信也) |
DXによりあらゆる職種に必要となるICT(情報通信技術),その業界の様子を紐解きつつ,秋田のICTについての応用がわかる。(半導体:△)
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7週 |
画像情報処理とその応用 Ⅰ(講師:秋田県立大学システム科学技術学部情報工学科,石井雅樹 ) |
人間の活動を知的に支援するスマートな情報システムを構築する上で必要不可欠な基盤技術のひとつである画像とその処理がどのように利用されているのかがわかる。(アントレ:△)
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8週 |
画像情報処理とその応用 Ⅱ(講師:秋田県立大学システム科学技術学部情報工学科,石井雅樹 ) |
農工連携(スマート農業),福祉応用など,秋田県の地域課題に対する画像情報処理の応用事例がわかる。(アントレ:△)
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2ndQ |
9週 |
AIを支える機械学習の基礎と地域課題への応用 Ⅰ(講師:岩手県立大学 ソフトウェア情報学部ソフトウェア情報学科ー,間所洋和 ) |
代表的な機械学習アルゴリズムのひとつであるバックプロパゲーション(誤差逆伝播)の学習方法がわかる。(アントレ:△)
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10週 |
AIを支える機械学習の基礎と地域課題への応用 Ⅰ(講師:岩手県立大学 ソフトウェア情報学部ソフトウェア情報学科ー,間所洋和 ) |
最先端の深層学習を含めて、地域課題への応用事例(大気観測データの分布予測、露頭画像のセグメンテーション、音声によるドローン検出、イモチ病の自動検出、害虫防除のためのトラッキングなど)について、最新の研究成果がわかる。(アントレ:△)
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11週 |
脱炭素と再生可能エネルギーの国際動向 (講師:エネルギー戦略研究所株式会社 ,安田陽 ) |
再生可能エネルギーに関する最先端の情報がわかる。(再エネ:〇)
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12週 |
風力事業の運営・保守・安全、業界に必要な資格(講師:イオスエンジニアリング&サービス株式会社,望月孝) |
風力発電所の運営・保守・安全についてわかる。(再エネ:〇)
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13週 |
洋上風力発電の海洋土木工学(設計、調査、海洋工事など) (講師:日本風力開発株式会社,望月 孝) |
洋上風力の基礎製作や据付工事についてわかる。(再エネ:〇)
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14週 |
地域マイクログリッドの現状と今後の展開(講師:株式会社日立パワーソリューションズ ,佐々木幸一) |
マイクログリッドのメリット・デメリット、システム構築上の留意点、実際の導入例等、最新の動向についてわかる。(再エネ:〇)
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15週 |
まとめ |
本授業のまとめと特別課題の出題,アンケート調査等
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 3 | |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 3 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 3 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 3 | |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 3 | |
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。 | 3 | |
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。 | 3 | |
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。 | 3 | |
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。 | 3 | |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。 | 3 | |
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。 | 3 | |