工業力学

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 工業力学
科目番号 0161 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 _機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 金原粲監修「工学系の力学 -実例でわかる、基礎からはじめる工業力学-」(実教出版)
担当教員 小野寺 良二

到達目標

・静力学的なつり合いと力の関係を理解し、計算できる。
・重力と重心を理解し、物体の重心を求めることができる。
・平面内の運動を理解し、さまざまな運動を解析できる。
・力と運動を関連づける運動方程式を立てること、運動方程式を解くこと、その答から質点の運動を理解できる。
・剛体の慣性モーメントを導出、剛体の運動の運動方程式の導出と解法ができる。
・仕事とエネルギーの関係、力学的エネルギー保存の法則とその成立条件を説明できる。
・機械要素への力学の適用ができ、機械の効率が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1力と力のモーメントが理解でき、それらに関わる問題のモデル化や数学的表現ができ、力のつり合い条件が計算できる。力と力のモーメントが理解でき、つり合い条件が計算できる。つり合い条件が計算できない。
評価項目2物体の運動状態が理解でき、運動方程式を立て、その答から物体の運動を解析できる。運動方程式を解くことができ、物体の運動を解析できる。運動方程式を解くことができない。
評価項目3運動に関する仕事とエネルギーを理解し、エネルギー保存則を用いて関係式を導出し、運動を解析できる。運動に関する仕事とエネルギーを理解し、仕事・動力やエネルギーが計算できる。仕事・動力やエネルギーが計算できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
科学技術は物理学を応用して確立され、力学はその中でもっとも基礎的な分野である。工学における力学は実社会に役立つものを作るために学ばれる。本講義では静力学(静的な領域)と動力学(動的な領域)における基本的事項を理解し、専門科目の基礎としての力学を習得する。
授業の進め方・方法:
4回の試験と不定期に課す演習により、授業内容の理解度向上をはかる。
前期中間試験15%、前期末試験20%、後期中間試験15%、後期末試験20%、授業および課題への取り組み30%で評価し、総合で50点以上を合格とする。
試験問題のレベルは教科書章末の演習問題および教員作成の演習問題と同程度とする。
注意点:
自学自習の向上をはかるため、授業専用のWEBページを使用する。使用に関する詳細は授業内で説明する。
定期的にページにアクセスし確認をすること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 力学に表れる重要な物理量と単位 物理量と次元および単位の関係を理解できる。
2週 力の表し方
力の合成と分解
力の表示、合成と分解を理解し、計算ができる。
3週 作用点の異なる力の合成
ベクトル演算による力の分解
作用点の異なる力の合成が計算できる。
ベクトル演算による力の分解が計算できる。
4週 力のモーメント
-大きさと向き、平面内でのモーメント-
力のモーメントを理解し、計算ができる。
5週 力のモーメント
-合モーメント、偶力、等価力-
合モーメント、偶力、等価力を理解し、計算ができる。
6週 力と力のモーメントのつり合い つり合いを理解し、つり合い式から未知物理量を計算できる。
7週 つり合いの問題
-支持点の力-
力の支点と反力を理解し、計算ができる。
8週 演習 前期1週~7週目までの内容に関する演習問題を解くことができる。
2ndQ
9週 前期中間試験 前期中間試験
10週 重力と重心
-質量と重力、重心-
質量、重力、重心を理解し、説明ができる。
11週 重力と重心
-重心の計算-
代表的な物体や複数の要素からなる物体の重心が計算できる。
12週 点の平面運動
-ベクトルによる表現、直線運動-
速度、加速度の定義が理解でき、等加速度運動の計算ができる。
13週 点の平面運動
-直角座標による表示、放物運動-
直角座標の概念が理解でき、放物運動問題を解くことができる。
14週 円運動・相対運動 角速度、角加速度の定義が理解でき、円運動問題を解くことができる。
相対運動が理解でき、相対運動問題を解くことができる。
15週 演習 前期10週~14週目までの内容に関する演習問題を解くことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 運動方程式
-運動方程式とは-
力と運動を関連づける運動方程式が理解でき、運動方程式を立て解くことができる。
2週 運動方程式
-非慣性系における運動-
慣性力、ダランベールの原理が理解できる。
3週 座標系と運動方程式
-直角座標系-
直角座標系における成分表示ができ、直線運動と平面運動問題を解くことができる。
4週 座標系と運動方程式
-極座標系-
極座標系における成分表示ができ、円運動問題を解くことができる。
5週 剛体の運動
-運動と力とモーメントの関係、回転運動と慣性モーメント-
剛体に作用する力、剛体の運動が理解でき、慣性モーメント、平行軸の定理が理解できる。
6週 慣性モーメントの計算
-回転半径、基本的な形状の慣性モーメント-
簡単な形状の慣性モーメントを求めることができる。
7週 さまざまな剛体の運動
-平面運動、回転振動-
剛体の運動方程式を立て、解くことができる。
8週 演習 後期1週~7週目までの内容に関する演習問題を解くことができる。
4thQ
9週 後期中間試験 後期中間試験
10週 仕事・動力とエネルギー
-仕事、動力-
仕事と動力の概念が理解でき、それぞれに関して求めることができる。
11週 仕事・動力とエネルギー
-エネルギー、仕事の原理-
物体のエネルギーの概念が理解でき、求めることができる。
仕事の原理が理解できる。
12週 力学的エネルギー保存の法則 力学的エネルギー保存の法則を理解し、種々の問題に適用できる。
13週 物体間に働く力
-接触力(垂直抗力、摩擦力)、非接触力-
接触力、非接触力を理解し、垂直抗力と摩擦力を求めることができる。
14週 機械における摩擦と効率 斜面における摩擦を理解し、関連する機械要素に結び付けることができる。
機械の効率を理解できる
15週 演習 後期10週~14週目までの内容に関する演習問題を解くことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4

評価割合

試験演習課題相互評価取り組みポートフォリオその他合計
総合評価割合701501500100
基礎的能力200000020
専門的能力50150150080
分野横断的能力0000000