熱工学

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 熱工学
科目番号 0314 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 _制御情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 熱力学,日本機械学会,丸善
担当教員 三村 泰成

到達目標

1.熱力学の必要性を把握し,各種の物理量を理解して利用できる.
2.熱力学の第1法則,第2法則を理解し,理想気体の状態変化の計算ができる.
3.理論ガスサイクルを理解し,効率を導出できる.
4.蒸気表を用いて状態計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学の第1法則,第2法則を説明できる.熱力学の必要性を理解している.熱力学の必要性を理解していない.
評価項目2理想気体の状態変化を計算できる.理想気体の状態変化を理解している.理想気体の状態変化を理解していない.
評価項目3蒸気表を用いて,蒸気の状態変化を計算できる.蒸気の状態変化を理解している.蒸気の状態変化を理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
熱に関する工学的知識を養い,熱工学以外にも広く用いられている用語としてのエンタルピ,エントロピなどの概念を理解できる.さらに理想気体を用いたガスサイクル,実気体を用いた熱サイクルについて学び,実際のエネルギー変換についての知識を得ることができる.
授業の進め方・方法:
後期中間試験40 %,後期末試験50 %,自学自習のための課題10 %を元に達成度を総合評価する.総合評価60 点以上を合格とする.
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス&概説 生活の中での熱力学とのかかわりを理解し,必要性を把握できる.
2週 熱量と比熱,内部エネルギ,状態量 熱力学で用いられる物理量を理解し,利用できるようになる.
3週 熱力学の第1 法則 熱力学の第1 法則の概念と数式を理解し,利用することができる.
4週 熱力学の第2 法則 熱力学の第2法則の概念を理解し,利用することができる.
5週 理想気体の状態変化 状態方程式,状態変化に対する物理量の計算方法を理解し,計算できる.
6週 可逆サイクルとカルノーサイクル,エネルギの有効利用 カルノーサイクルを理解し,熱効率の式を導出できる.エントロピを理解し,第2法則を式で表現できる.
7週 中間試験
8週 ガスサイクルによるエネルギ変換(1) オットーサイクルの概念を理解し,熱効率を導出し,利用できる.
4thQ
9週 ガスサイクルによるエネルギ変換(2) ディーゼルサイクルの概念を理解し,熱効率を導出し,利用できる.
10週 ガスサイクルによるエネルギ変換(3) サバテサイクルの概念を理解し,熱効率を導出し,利用できる.
11週 ガスサイクルによるエネルギ変換(4) ブレイトンサイクルの概念を理解し,熱効率を導出し,利用できる.
12週 蒸気によるエネルギ変換(1) 蒸気(水)の性質を理解し,利用方法を把握できる.また,理想気体との違いも理解できる.
13週 蒸気によるエネルギ変換(2) 蒸気表の使い方を理解し,蒸気(水)の状態計算ができる.
14週 蒸気によるエネルギ変換(3) ランキンサイクルの概念,熱効率の導出方法を理解できる.
15週 冷凍サイクル,ヒートポンプ 冷凍機,ヒートポンプの概念を理解し,動作係数の導出ができる.
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3
仕事の意味を理解し、計算できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3
動力の意味を理解し、計算できる。3
熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4
熱力学の第一法則を説明できる。5
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。5
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。5
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。5
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。5
熱力学の第二法則を説明できる。4
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4
固体、液体および理想気体におけるエントロピーの変化量を計算できる。4
サイクルをT-s線図で表現できる。4
熱の有効エネルギーを説明できる。4
水の等圧蒸発過程を説明できる。4
飽和蒸気、湿り蒸気、過熱蒸気の状態量を計算できる。4
蒸気の状態量を蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90001000100
基礎的能力2000100030
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000