計測工学

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 計測工学
科目番号 0321 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 _制御情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「計測工学」, 宮﨑孝雄
担当教員 安齋 弘樹

到達目標

計測技術に関する専門用語,公式,SI単位系,データの統計的処理の基礎を理解した上で,アナログ信号処理技術,アナログフィルタ回路,A/D,D/A変換技術,基本的な物理量の計測方法と計測機器について理解し,計測工学について幅広い応用ができるようになることを目的とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計測工学にかかわる専門用語,SI単位系,次元解析,統計的処理を完全に理解し,実例に即した問題を解決できる.計測工学にかかわる専門用語,SI単位系,次元解析,統計的処理を理解できる.計測工学にかかわる専門用語,SI単位系,次元解析,統計的処理を理解できない.
評価項目2計測システムにおけるオペアンプを利用したアナログ信号処理やRC回路を用いたフィルタ回路について完全に理解し,応用問題を解答できる.計測システムにおけるオペアンプを利用したアナログ信号処理やRC回路を用いたフィルタ回路について理解し,基礎的な問題を解答できる.計測システムにおけるオペアンプを利用したアナログ信号処理やRC回路を用いたフィルタ回路について理解できない.
評価項目3光,温度,磁場などの基本的測定量の測定法について複雑なものでも完全に理解できる.光,温度,磁場などの基本的測定量の測定法を理解できる.光,温度,磁場などの基本的測定量の測定法を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
計測技術に関する基礎概念,用語,データの統計的処理の基礎を学ぶ.次に,オペアンプを中心としたアナログ信号処理技術,RC回路を利用したアナログフィルタ回路,およびA/D,D/A変換技術を学ぶ.最後に,基本的な物理量の計測方法と計測機器について学ぶ.
授業の進め方・方法:
後期中間試験30%,学年末試験50%,レポート20%(自学自習を目的に,テキスト章末の演習課
題等を課題とするレポートを提出すること)で100点満点で達成度を総合評価する.総合評価60点以
上を合格とする.
注意点:
教科書は授業開始時に配布する.

参考書
「計測工学入門」,著者: 中村邦雄,出版社: 森北出版
「計測工学」,著者: 前田良昭・木村一郎・押田至啓,出版社: コロナ社

オフィスアワー
12:15~13:00 
この時間以外でも学生の要望があればいつでも対応する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 専門用語と基本公式について 1
・S/N比,感度,分解能など・基本物理公式
S/N比,精度,感度など計測工学の専門用語の定義が理解できる.
2週 専門用語と基本公式について 2
・S/N比,感度,分解能など・基本物理公式
S/N比,精度,感度など計測工学の専門用語の意味が理解できる.
3週 単位系,次元解析 1
・SI単位系・基本組立単位・次元解析の応用
SI単位系および次元解析の概念と有用性を理解できる.
4週 単位系,次元解析 2
・SI単位系・基本組立単位・次元解析の応用
SI単位系および次元解析の概念を物理関係式のチェックに応用できる.
5週 測定の基本的手法
・零位法と偏位法・直接測定と間接測定
直接測定と間接測定,偏位法と零位法について説明できる.
6週 測定データの統計的処理,有効数字 1
・ガウスの誤差関数,標準偏差,母平均
・間接測定量の誤差評価,データの有効数字
測定データの有効数字,誤差の種類,ガウスの誤差関数,標準偏差,母平均の概念を説明できる.
7週 測定データの統計的処理,有効数字 2
・ガウスの誤差関数,標準偏差,母平均
・間接測定量の誤差評価,データの有効数字
測定データの有効数字,誤差の種類,ガウスの誤差関数,標準偏差,母平均の概念を説明できる.
8週 測定データの統計的処理,有効数字 3
・ガウスの誤差関数,標準偏差,母平均
・間接測定量の誤差評価,データの有効数字
誤差伝播則を利用して,全体誤差を評価できる.
4thQ
9週 最小二乗法
(中間試験)
最小二乗法を用いて線形データ処理ができる.
10週 計測システムにおけるアナログ信号処理 1
・オペアンプ応用回路
・RC回路を利用したローパス,ハイパスフィルタ
7)オペアンプを応用した増幅,インピーダンス変換,コンパレータ,パルス発振回路が書ける.
11週 計測システムにおけるアナログ信号処理 2
・オペアンプ応用回路
・RC回路を利用したローパス,ハイパスフィルタ
7)オペアンプを応用した増幅,インピーダンス変換,コンパレータ,パルス発振回路が書ける.
12週 計測システムにおけるアナログ信号処理 3
・オペアンプ応用回路
・RC回路を利用したローパス,ハイパスフィルタ
RC回路による簡単なフィルタ回路を設計しS/N比向上の計算ができる.
13週 D/A,A/D変換回路 D/A,A/D変換回路の原理が理解できる.
14週 基本的測定量の測定法
(光,温度,磁場,流量,長さ,重量,粘度,回転数)
基本的センサの原理と特性を説明できる.
15週 学期末試験 ここまで学習した内容を包括的に理解できている.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4
静電エネルギーを説明できる。4
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4
ローレンツ力を説明できる。4
磁気エネルギーを説明できる。4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
自己誘導と相互誘導を説明できる。4
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3
FETの特徴と等価回路を説明できる。3
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。3
演算増幅器の特性を説明できる。3
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。4
発振回路の特性、動作原理を説明できる。4
変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。4
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4
オシロスコープの動作原理を説明できる。4
制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。3
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。3
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。3
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。3
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。3
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。3

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50500000100
基礎的能力1010000020
専門的能力3030000060
分野横断的能力1010000020