応用物理(3年)

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 応用物理(3年)
科目番号 0102 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 _物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高等学校 物理基礎(第一学習社)、初歩から学ぶ基礎物理 力学Ⅰ(大日本図書)、セミナー物理基礎+物理(第一学習社)
担当教員 吉木 宏之

到達目標

物理現象を系統的かつ論理的に考察し、身の回りの現象や理工学分野の課題解決に於いて応用できる能力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理現象を基本法則や原理に基づき論理的の考えることができる。物理現象を系統的かつ論理的に考察し、身の回りの現象や理工学分野の課題解決に於いて応用できる能力を養う。物理現象を公式を用いて記述することができる。物理現象を系統的に説明することができない。
評価項目2波動現象の基本法則(重ね合せ、干渉、回折、反射、屈折)を理解し、さまざまな波動現象(音波、光波)を定量的に説明できる。波動現象の基本法則(重ね合せ、干渉、回折、反射、屈折)を理解し、簡単な波動現象(音波、光波)を定性的に説明できると共に公式を用いた数値計算ができる。波動現象の基本法則(重ね合せ、干渉、回折、反射、屈折)に関する定性的な説明ができない。
評価項目3等速円運動、単振動に関する法則を理解し、回転・振動現象を定量的に説明できる。等速円運動、単振動に関する基本公式を用いて、回転運動・単振動の数値計算ができる。等速円運動、単振動に関する基本公式を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
3年「物理」と並行して、波動分野(波の伝わり方と種類、重ね合わせの原理と波の干渉、波の反射・屈折・回折、音波・発音体、光波、レンズの公式)、力学分野(等速円運動、単振動、万有引力)、原子の構造について学習する。
授業の進め方・方法:
授業形態は、講義、問題演習および演示実験である。
注意点:
物理の基本公式を理解し応用できるようになるには具体的な問題に取り組み思考することが必要不可欠である。その為、本講義ではセミナー物理基礎+物理(第一学習社)による自学自習を強く推奨している。
【評価方法・基準】
前期末試験25%、学年末試験30%、確認テスト25%、(課題レポート+授業への取組姿勢)20%で総合評価する。総合評価50点以上を合格とする。
試験問題は各達成目標に即した内容で、問題のレベルは教科書の問題および問題集の基本問題程度のものを出題する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 波の性質・波の表し方とその要素 波長、周期、振動数、位相速度について説明できる。
2週 波の重ね合わせの原理と定常波 重ね合わせの原理を用いて2つの波の合成波、定常波の作図ができる。
3週 波の干渉 2つの波が干渉する時、互いに強め合う条件・打消し合う条件を説明できる。
4週 ホイヘンスの原理と波の反射・屈折・回折 ホイヘンスの原理を用いて反射・屈折を説明できる。また、公式を活用して屈折波の物理量を求めることができる。
5週 音波・音の性質 音波の速さや、音波の反射・屈折・回折現象を説明できる。
6週 弦の振動 弦の振動は横波であることを理解し、弦に生ずる定常波の性質を説明できる。
7週 気柱の振動 気柱の振動は縦波であることを理解し、共鳴現象を定量的に説明できる。
8週 ドップラー効果 ドップラー効果の現象について説明できる。
2ndQ
9週 音波のドップラー効果 音源および観測者が動く場合の音波の振動数の変化を定量的に求めることができる。
10週 光波・光の性質 光の速さや、光の反射・屈折・回折現象を説明できる。物体の浮き上がりや全反射の物理量を計算できる。
11週 波の分散・散乱現象 波長の違いによる分散現象により光のスペクトルや虹が得られることや、散乱現象により空が青くなる等を定性的に説明できる。
12週 光の干渉 ヤングの干渉実験の基本原理を理解し、明暗の縞模様ができる条件式を説明できる。
13週 光の回折 回折格子により明暗の縞模様ができる原理を説明できる。また、簡単な物理量の数値計算ができる。
14週 レンズ(凸・凹レンズ) 凸・凹レンズの写像公式を幾何光学の作図から説明できる。また、倍率等を求めることができる。
15週 到達度確認問題演習 波動の基本、音波、光波に関する基本的な問題を解くことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 等速円運動の基本的性質 等速円運動の速度、角速度、回転数、加速度の説明ができる。
2週 向心力と遠心力 等速円運動する物体に働く向心力と、慣性力(見かけの力)である遠心力を説明できる。
3週 等速円運動する物体の記述 円錐振り子やカーブを回る物体の諸物理量(周期や角速度)を数値計算できる。
4週 単振動の基本性質 単振動の位置、速度、加速度を、等速円運動と対比することで説明できる。
5週 ばねの運動 ばねに働く弾性力による運動が単振動になることを定量的に説明できる。
6週 単振り子の運動 振り子の運動が単振動であること、また振り子の等時性を定量的に説明できる。
7週 単振動の位置エネルギー 単振動する物体の位置エネルギーを求めることができる。
8週 惑星の運動とケプラーの法則 惑星の運動に関するケプラーの3つの法則を定性的に理解できる。
4thQ
9週 万有引力の法則 ニュートンが発見した万有引力を理解し、万有引力からケプラーの第3法則が導出できることを定量的に説明できる。
10週 万有引力と重力 万有引力と遠心力の合力が天体表面の重力となることを理解できる。
11週 万有引力の位置エネルギー 万有引力の位置エネルギーを定量的に理解し、第1,2宇宙速度を求めることができる。
12週 到達度確認問題演習 等速円運動・単振動・万有引力に関する基本的な問題を解くことができる。
13週 ミクロな世界での粒子性・波動性 プランクの公式、光電効果、ド・ブローイ波長等を説明できる。
14週 水素原子モデルと原子スペクトル ボーアの量子条件により水素原子のエネルギー準位を導出できる。また、原子スペクトルの原理を説明できる。
15週 原子核と放射線 原子核の構造と放射線発生のメカニズムを定性的に説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。1
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.2
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合650105020100
基礎的能力350550550
専門的能力3005001045
分野横断的能力0000055