有機化学(4年)

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 有機化学(4年)
科目番号 0112 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 _物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:伊東 椒 訳「マクマリー有機化学概説」第6版 (東京化学同人)
担当教員 佐藤 貴哉

到達目標

1.ハロゲン化アルキルの置換反応、脱離反応について説明できる。
2.カルボニル化合物の性質と反応について説明できる。
3.アミンの性質と反応について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ハロゲン化アルキルの置換反応と脱離反応について反応メカニズムまで理解して、生成物を予測できる。ハロゲン化アルキルの置換反応と脱離反応について生成物を予測できる。ハロゲン化アルキルの置換反応と脱離反応について生成物を予測出来ない。
評価項目2カルボニル化合物の縮合反応について、反応機構を示し、生成物を予測できる。アルドール縮合、クライゼン縮合の反応生成物を予測できる。アルデヒド、アルコール、カルボン酸誘導体の合成方法が説明できない。
評価項目3アミンの合成方法と主たる反応について例をあげて説明できる。アミンの主たる反応について説明できる。アミンの合成法と反応について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この講義では、3年生で学んだ有機化学の知識を基にして、官能基ごとに分類された有機分子の特性を理解し、それらに特徴的な反応に関する知識を習得する。始めにハロゲン化アルキルの命名法や構造と求核置換反応を学ぶ。次にアルコール類、カルボニル化合物、カルボン酸類、アミン類の順で取り上げ、最後に有機合成法について解説する。
授業の進め方・方法:
試験は2回の期末試験、2回の小テストを実施する。評価の割合は期末試験が各25%、中間試験が20%、講義への取り組み姿勢10%とする。総合評価60点以上を合格の目安とする。小テストは中間試験の時期に適宜実施する。試験問題レベルは教科書の章末の演習問題と同程度とする。
講義で説明した部分をしっかり復習して頭に定着させること。
注意点:
オフィスアワーは講義のある日の16時から17時の間

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 3年の復習 アルカン、アルケン、アルキン、芳香族化合物の名称と反応を理解している。
2週 ハロゲン化アルキル (1) 命名法、合成方法 ハロゲン化アルキルの名称と構造式を相互変換できる。
ハロゲン化アルキルの合成方法が説明できる。
3週 ハロゲン化アルキル (2) Grignard 試薬
(3) 求核置換反応
ハロゲン化アルキルとグリニア試薬の反応を説明できる。
置換反応とはどのような反応かを説明できる。
4週 ハロゲン化アルキル (3) 求核置換反応 ハロゲン化アルキルの求核置換反応について説明できる。SN1,SN2反応の違いが説明できる。
5週 ハロゲン化アルキル (4) 脱離反応 ハロゲン化アルキルの脱離反応について説明できる。
E1,E2反応の違いが説明できる。
6週 アルコールとエーテル (1) 命名法、アルコールの合成と反応 アルコール類の反応の主生成物を予想できる。
7週 アルコールとエーテル (2) エーテル、エポキシドの合成と反応 エーテル類の反応の主生成物を予想できる。
8週 アルコールとエーテル (3) フェノール類、チオール類の合成と反応 フェノール類の反応の主生成物を予想できる。
2ndQ
9週 ハロゲン化アルキルとアルコール類についての総まとめ 上記の到達目標についてその達成度を振り返る。
10週 アルデヒドとケトン (1) 命名法、カルボニル基の構造と性質 カルボニル化合物についてその種類と構造が説明できる。
11週 アルデヒドとケトン (2) アルデヒド、ケトンの合成と反応 アルデヒド、ケトン類の名称と構造式を相互変換できる。アルデヒドとケトンの合成方法が説明できる。
12週 アルデヒドとケトン (3) 求核付加反応(Grignard 反応、Wittig 反応) アルデヒド、ケトン類の反応の主生成物を予想できる。
13週 カルボン酸 (1) 命名法、カルボン酸の合成と反応 カルボン酸類の名称と構造式を相互変換できる。
14週 立体化学についての復習 R,S配置が判別できる。ハロゲン化アルキルのSN2反応における立体化学の反転について例をあげて説明できる。
15週 前期の総まとめ 前期の到達目標につての振り返り
16週
後期
3rdQ
1週 カルボン酸の誘導体 (1) 酸ハロゲン化物の合成と反応 酸ハロゲン化物の反応の主生成物を予想できる。
2週 カルボン酸の誘導体 (2) 酸無水物の合成と反応 酸無水物の反応の主生成物を予想できる。
3週 カルボン酸の誘導体 (3) エステルの合成と反応 エステル類の反応の主生成物を予想できる。
4週 カルボン酸の誘導体 (4) アミドの合成と反応 アミド類の反応の主生成物を予想できる。
5週 カルボン酸の誘導体 (5) ニトリルの合成と反応 ニトリル類の反応の主生成物を予想できる。
ケト-エノール互変異性について理解している。
6週 カルボニル化合物の置換反応と縮合反応 (1) ケト-エノール互変異性とα-置換反応 カルボニル化合物の置換反応の主生成物を予想できる。
7週 カルボニル化合物の置換反応と縮合反応 (2) アルドール縮合反応 カルボニル化合物の縮合反応の主生成物を予想できる。
8週 カルボニル化合物の置換反応と縮合反応 (3) Claisen 縮合反応、Dieckmann 環化反応 カルボニル化合物の縮合反応の主生成物を予想できる。
4thQ
9週 カルボニル化合物の置換反応と縮合反応 (4) Michael 反応、反応のまとめ カルボニル化合物の縮合反応の主生成物を予想できる。
10週 カルボニル化合物の置換反応と縮合反応 アルドール縮合、クライゼン縮合、マイケル付加について例をあげて説明できる。
11週 アミン (1) 命名法、アミンの塩基性度 アミン類の名称と構造式を相互変換できる。
アミンの基本的な性質を説明できる。
12週 アミン (2) アミンの合成と反応 アミン類の反応の主生成物を予想できる。
13週 アミン (3) ジアゾニウム塩とSandmeyer 反応 ジアゾ化反応、サンドメイヤー反応について」説明できる。
14週 後期の総まとめ 後期の到達目標につての振り返り。簡単な有機化合物の合成法を反応式で書くことができる。
15週 後期の総まとめ 後期の到達目標につての振り返り
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。3
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90001000100
基礎的能力700000070
専門的能力200000020
分野横断的能力000100010