反応工学

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 反応工学
科目番号 0231 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 _物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 反応工学;草壁,増田共著,三共出版(2010)
担当教員 清野 惠一

到達目標

1.反応工学の目的が理解できる。
2.反応の進行を表す変数を自在に活用でき、濃度、分圧、モル分率などの基本的な量が理解できるようになる。
3.個別の反応操作の設計ができる。気固触媒反応のチイル数が理解でき、触媒有効係数を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1反応速度式等の誘導ができ、さらに各種反応器の設計・計算ができる。反応速度式の誘導はできないが、与えられた式を用いて設計計算ができる。式の誘導、計算ができない。
評価項目2反応器内の流れを区別でき、適切な設計式を選択できる与えられた設計式に基づいて計算できるようになる。設計式が与えられても正しい計算ができない。
評価項目3チイル数を用いて有効触媒係数の評価ができる。チイル数、有効触媒係数の意味がわかる。チイル数、有効触媒係数の意味がわからない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
教科書を用いて反応工学を理解する際の予習復習がしやすいようにした。授業では重要な式の誘導法の考え方に重点を置いて説明する。また、理解を確実なものとするため、適宜課題レポートを提出してもらう。
授業の進め方・方法:
標準的な教科書に沿って授業を進める。反応工学は主に定密度系の理想流れが仮定できる系を対象に取り上げて説明する。この場合でも微分方程式に対する基礎的な知識がないと、理解が困難となるので、不得意な人は予習、復習を怠らないこと。
注意点:
化学工学と同様、数学的な内容が多く含まれている学問であり、特に微分方程式や積分法に関する基礎的理解が求められる。不得手な人は応用数学の教科書により知識を確実なものにしておく。式の使い方も必要であるが、誘導方法も大切なので、よく聞いてほしい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 反応工学とはどんな学問か。実用される各種反応器の形式 反応工学の目的を理解し、用いられている反応器の特徴が理解できる。
2週 化学反応の分類と反応速度式 化学反応の分類ができ、速度式が誘導できる。
3週 反応場と反応速度 固体と流体間の反応、流体同士の反応の速度について速度式を理解できる。
4週 反応率(転化率)、収率、選択率 反応の進行を表す反応率が理解でき、収率や選択率の定義が理解できる。
5週 反応に伴う濃度変化 反応が進行して反応率が増加した時、核反応成分の濃度に現れる変化を式で表す事ができる。
6週 反応を伴う物質収支 反応と物質移動が同時に進行するとき、全体の過程の速度はどのように表わせるかが理解できる。
7週 流体の流れと反応器 反応器内の反応物質である流体の流れ方の分類が理解できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 回分反応器の設計 撹拌槽型反応器などの回分反応器の設計が理解できる。
10週 管型反応器と連続槽型反応器の設計 連続操作である管型と連続撹拌槽の設計法を理解できる。
11週 反応器の比較 共に連続操作である、管型反応器と連続撹拌槽型反応器の違いと共通点が理解できる。
12週 非等温反応器の設計 非等温で反応させる必要がある場合の温度設定法が理解できる。
13週 反応と物質移動 気固触媒反応のように、反応過程の他に拡散や吸脱着を含む場合の考え方が理解できる。
14週 気固触媒反応の移動速度 気固触媒反応の物理ステップである、拡散移動速度が理解できる。
15週 固体触媒内の反応 固体触媒内の反応速度はバルクよりも低いが、その倍数をチイル数、有効触媒係数で表す方法が理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4
流れの物質収支の計算ができる。4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4
流体輸送の動力の計算ができる。4
分級や粒径分布について理解している。4
粉体の固定層・流動層など流動性について理解している。4
粉砕、沈降、ろ過、集じん方法について理解し、必要な計算ができる。4
熱交換器の構造、熱収支について説明できる。4
熱伝導による熱流量について説明できる。4
熱交換器内の熱流量について説明できる。4
放射伝熱について説明できる。4
蒸発装置について説明できる。4
蒸発缶の物質収支と熱収支の計算ができる。4
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合700010020100
基礎的能力200050530
専門的能力5000501570
分野横断的能力0000000