応用物理(4年)

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用物理(4年)
科目番号 0277 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 _物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 高専の応用物理 第2版 小暮・潮・中岡(森北出版) / 初歩から学ぶ基礎物理学 熱・波動 柴田洋一(大日本図書) / 物理学 小出昭一郎(裳華房)
担当教員 吉木 宏之

到達目標

物理現象を系統的かつ論理的に考察し、身の回りの現象や理工学分野の課題解決に於いて応用できる能力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理現象を基本法則や原理に基づき論理的に考えることができる。物理現象を公式を用いて記述することができる。物理現象を系統的に説明することができない。
評価項目2微分・積分を用いて質点や剛体の運動方程式を記述することで様々な運動を論理的に考察することができる。質点や剛体の運動方程式を微分・積分を用いて記述して、その解を計算できる。質点や剛体の運動方程式を微分・積分を用いて記述することができない。
評価項目3力学系の振動・波動現象、機械分子運動論と熱力学の法則を系統的に説明できる。力学系の運動方程式や熱力学の法則を定性的に説明できる。単振動や波動の方程式を定性的に説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期は微分・積分等の数学的手法を活用して「質点の力学」、「単振動、減衰振動」、「力学的エネルギー」、「剛体の回転運動」を学ぶ。後期は「波動方程式と正弦波の式」、「減衰振動」、「気体分子運動論と熱力学」、「原子の構造」について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業形態は講義・問題演習を主体とする。諸物理公式の導出や、簡単な力学系に関する演習問題がレポートとして課される。
注意点:
微分・積分を用いた運動方程式の記述とその解法を習得することが重要となる。したがって数学的基礎学力の定着が求められる。
【評価方法・基準】
前期末試験25%、学年末試験25%、問題演習25%、課題レポート15%、授業の取組姿勢10%で達成度を総合評価する。総合評価60点以上を合格とする。
試験問題は各達成目標に即した内容で、問題のレベルは教科書の問題および授業中に配布する演習問題程度のものを出題する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 質点の位置・速度・加速度 質点の位置ベクトルを時間微分することで、速度・加速度ベクトルを求めることができる
2週 問題演習1 質点の位置・速度・加速度に関する数値計算ができる。
3週 ニュートンの運動方程式 一定の大きさの力が加わった質点の速度、位置を求めることができる。
4週 問題演習2 与えられた力学系のニュートンの運動方程式を解くことができる。
5週 時間に依存する力を受けた物体の運動 時間に依存する力を受けた物体の運動方程式を与えられた初期条件の元で解くことができる。
6週 問題演習3 時間に依存する力を受けた物体の運動方程式を解くことができる。
7週 空気抵抗を受けた物体の運動 速度に比例した抵抗力を受けて運動する物体、例えば雨粒の運動を定量的に考察することができる。
8週 単振動 弾性力が働く質点の運動方程式を立て、任意の初期条件における単振動の解を求めることができる。
2ndQ
9週 問題演習4 バネや単振り子の運動を定量的に説明できる。
10週 保存力とポテンシャル ポテンシャルとは保存力に対する位置エネルギーであることを理解できる。また、ポテンシャルから保存力を導出できる。
11週 力学的エネルギー保存則 力学的エネルギー保存則から質点の位置や速度を求めることができる。
12週 剛体の慣性モーメント 一様な棒、円板、球などの剛体の慣性モーメントを算出できる。また、平行軸の定理、平板の定理を応用することができる。
13週 剛体の運動方程式 剛体の運動を記述する方程式を説明できる。
14週 剛体の平面運動 剛体の平面運動の方程式を導出できる。坂道を転がる物体や、滑車の回転運動を記述できる。
15週 前期末試験 質点や剛体の運動に関する基本的な問題を解くことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 波動現象と波動方程式 横波・縦波の概念や、媒質の運動方程式に関して理解できる。
2週 波動方程式とその解 媒質の横振動(弦の振動)を記述する波動方程式の物理的意味を理解し、その解(正弦波の式)を求めることができる。
3週 正弦波の式 正弦波の波長、振動数、位相速度、波動のエネルギーを求める事ができる。
4週 定常波の表し方 波の重ね合わせの原理を用いて2つの正弦波の合成で定常波ができることを数学的に説明できる。
5週 問題演習5 波動方程式と正弦波に関する基本的な問題を解くことができる。
6週 減衰振動 速度に比例する抵抗力を受けた減衰振動の解を求めることができる。
7週 強制振動 駆動力を受けた振動系の振舞いを定性的に説明できる。また、共鳴・共振現象について例を挙げて説明できる。
8週 問題演習6 減衰振動の一般解を導出できる。強制振動を定性的に説明できる。
4thQ
9週 気体分子運動論 理想気体の状態方程式について、気体分子の運動から理解できる。
10週 マクスウェルの速度分布則 理想気体分子の熱運動の速度分布関数を理解し、平均速度や熱速度を算出できる。
11週 熱力学の第1法則 熱に関するエネルギー保存則、気体の比熱、気体の状態変化を定量的に説明できる。
12週 問題演習7 気体の状態方程式、熱力学第1法則を用いて熱現象を定量的に説明できる。
13週 原子の構造と周期律 ボーアの水素原子模型に基づいて原子の構造を説明できる。また、原子の電子配置を説明できる。
14週 固体の電子物性 固体のエネルギーバンドを定性的に説明できる。
15週 学年末試験 気体の分子運動、熱力学の第1法則、原子の構造の原理が説明できて、簡単な数値計算ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

前期末試験学年末試験問題演習課題レポート自主性取組み姿勢合計
総合評価割合2525251555100
基礎的能力20201550060
専門的能力551050025
分野横断的能力00055515