生物化学における熱力学および速度論的理論をもとに、生体反応におけるエネルギーの流れや生体分子の構造と機能、さらに酵素反応機構について理解する。
概要:
生体反応における重要な水中での酸−塩基の化学とその熱力学を復習し、タンパク質や核酸などの生体分子の物理化学的性質を演習を交えながら行う。さらに、生体分子の構造と機能に深く関わる分子間の相互作用と酵素の動力学について詳しく学ぶ。
授業の進め方・方法:
適宜、生化学計算の問題を中心とした演習やグラフ用紙を使ったプロットを行う。
注意点:
毎回、電卓を持参のこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
水溶液及び酸−塩基の化学: 水の特異性と生体反応 |
水の持つ性質から、生体反応における水の役割を理解する。
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2週 |
水溶液及び酸−塩基の化学: 酸-塩基反応 |
酸-塩基水溶液の濃度やpHを計算できる。
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3週 |
水溶液及び酸−塩基の化学: 緩衝溶液 |
緩衝液の組成やpHを計算できる。
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4週 |
生体エネルギー論: 化学熱力学 |
生体反応のギブズエネルギーからその平衡定数や平衡時の組成を計算できる。
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5週 |
生体エネルギー論: エネルギーと代謝 |
ATPと酵素の役割を理解し、代謝反応におけるエネルギーの流れを説明できる。
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6週 |
生体分子: アミノ酸、ペプチド、タンパク質 |
アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質の構造と機能を説明できる。
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7週 |
生体分子: 核酸、DNA、RNA |
核酸の構造と機能を説明できる。
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8週 |
生体分子: 糖質、脂質 |
糖質および脂質の構造と性質を説明できる。
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2ndQ |
9週 |
中間試験 |
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10週 |
分子間相互作用: ファンデルワールス力、静電的結合、水素結合、疎水性相互作用 |
生体分子の構造と機能に関わる分子間の相互作用について説明できる。
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11週 |
分子集合体: コロイド、ミセル、膜 |
分子の集合体によって構築されるコロイドやミセル、二分子膜の構造を説明できる。
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12週 |
分子集合体: 界面現象と膜透過 |
界面の化学および界面活性剤の構造と性質を説明できる。
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13週 |
酵素反応: 酵素の構造と性質 |
酵素の構造と特徴を説明できる。
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14週 |
酵素反応: 反応速度とミカエリス-メンテン式 |
ミカエリス-メンテン式を理解し、最大速度やミカエリス定数を計算できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 分析化学 | 強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。 | 4 | 前2 |
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。 | 4 | 前2 |
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。 | 4 | 前1 |
物理化学 | 化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。 | 4 | 前4 |
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。 | 4 | 前4,前5 |
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。 | 4 | 前14 |
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。 | 4 | 前14 |
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。 | 4 | 前14 |
基礎生物 | 酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 4 | 前5 |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | 前6 |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 4 | 前9 |
単糖と多糖の生物機能を説明できる。 | 4 | 前8 |
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。 | 4 | 前8 |
グリコシド結合を説明できる。 | 4 | 前8 |
多糖の例を説明できる。 | 4 | 前8 |
脂質の機能を複数あげることができる。 | 4 | 前8 |
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。 | 4 | 前8 |
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。 | 4 | 前11 |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 4 | 前6 |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 4 | 前6 |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 4 | 前6 |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 4 | 前6 |
ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 4 | 前7 |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 4 | 前7 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 4 | 前13,前14 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 4 | 前13,前14 |