数理科学

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 数理科学
科目番号 0003 科目区分 専門 / 選択必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 _5年共通選択科目 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 自作テキスト/参考書:相対性理論の考え方 砂川重信著(岩波書店)他,適宜講義中に紹介
担当教員 大西 宏昌

到達目標

現代物理学の重要な基礎の一端を成す相対性理論について,数学的側面を踏まえて学び,ニュートン力学・電磁気学との関連性や核反応等の応用例について知識を習得する.これにより,数学・物理能力の向上を目指す.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1慣性系の概念を理解し,ガリレイ変換による古典物理学の数学的取り扱いができる.特殊相対性理論が必要となった背景を理解している.慣性系の概念を理解し,特殊相対性理論が必要となった背景を理解している.慣性系の概念について理解していない.
評価項目2特殊相対性原理と光速不変の原理より,ローレンツ変換を導出でき,それを様々な問題に適用できる.特殊相対性原理と光速不変の原理より,ローレンツ変換を導出でき,それを使い基礎的な問題が解ける.特殊相対性原理と光速不変の原理より,ローレンツ変換を導出できない.
評価項目3相対論的運動方程式より,静止エネルギーを導出でき,またエネルギーと質量の等価性についても理解し,相対論的エネルギー・運動量などの物理量の計算ができる.相対論的運動方程式より,静止エネルギーを導出でき,エネルギーと質量の等価性についても理解している.静止エネルギーについて理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現代物理学の重要な基礎の一端を成す相対性理論について,数学的表現を踏まえて学習する.ニュートン力学・電磁気学との関連性,核反応等の応用例やタイムスリップの可能性等のユニークな側面についても触れ,物理的思考力,数学能力の向上を目指す.
授業の進め方・方法:
パワーポイントを用いた講義形式で行う.講義資料はBlack Boardにて公開するので,受講者は各自でダウンロードして授業時に持参すること.なお,授業時にタブレットやPCを用いて閲覧しても良い事とする.理論式の導出や問題演習を行い,講義内容について理解を深める.
注意点:
本講義は,学習単位による講義です.よって,授業時以外の自主学習を前提として全体を構成しています.
下記の授業計画は15週分ありますが,実際の講義は8週です.1回の講義で下記の2週分づつ進めます.
授業のほか,講義資料についている演習問題を自分で解くなどして,理解を深めるように努めてください.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 特殊相対論へのあゆみ:ガリレイ相対性と古典力学・電磁気学 ニュートン力学と電磁気学におけるガリレイ変換について理解し,説明できる.
2週 特殊相対論へのあゆみ:マイケルソン・モーレーの実験 マイケルソン・モーレーの実験と古典物理学との矛盾点について理解し説明できる.
3週 特殊相対性原理と光速不変の原理および,ローレンツ変換 特殊相対性原理と光速不変の原理を基にして,ローレンツ変換式を導出できる.
4週 特殊相対論における時間と空間の性質 ローレンツ変換を用いて,時計の遅れや物体の収縮に関する基礎的な計算ができる.
5週 4次元時空:ミンコフスキー空間 4次元時空の概念を理解し,その座標について数学的に取り扱う事ができる.
6週 4次元時空:ローレンツ変換の幾何学と光円錐,タイムスリップ 光円錐の物理的意味を因果律と併せて理解している.
7週 固有時と双子のパラドックス 固有時について理解し,双子のパラドックスの問題を解く事ができる.
8週 相対論的運動方程式:4元ベクトル 4次元時空におけるベクトルの取り扱いができる.
2ndQ
9週 相対論的運動方程式:4元速度と4元力 相対論的運動方程式の考え方を理解し,導出できる.
10週 静止エネルギーおよび,質量とエネルギーの等価性 静止エネルギー,質量とエネルギーの等価性について理解している.
11週 核反応 質量とエネルギーの等価性を踏まえて,核反応によって生じるエネルギーの計算ができる.
12週 ローレンツ変換の物理 ローレンツ座標系について理解し,関連した簡単な問題が解ける.
13週 一般相対性理論入門:一般相対性原理と等価原理 加速系と慣性系の違いを理解し,一般相対性原理と等価原理について理解している.
14週 一般相対性理論入門:アインシュタイン方程式とブラックホール アインシュタイン方程式をもとに重力による時空の歪みについて説明できる.
15週 試験 学習した内容について,総合的に理解し,基礎的な問題が解ける.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力501060
専門的能力201030
分野横断的能力01010