歴史Ⅰ

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 歴史Ⅰ
科目番号 0047 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 _創造工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教科書:笹山晴生他編『高校 日本史B』(山川出版社)
担当教員 山田 充昭

到達目標

古代から近代にいたる日本の歴史的事象の大局を把握し、各歴史的事象の間にある因果関係を考察できる。また、日本の歴史的経緯が現代の日本社会にいかなる影響をおよぼしているのか推測する力を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
基礎的な歴史事象の認識する力歴史用語等を多く習得しており、かつ、同用語等を駆使して各時代の特質を説明することができる。歴史用語等を習得しており、同用語等の意味も理解することができる。左記ができない。
歴史事象間の因果関係の考察する力各時代の政治・社会情勢がどのような事件引き起こし制度を生み出したか、またその制度や事件が、次世代のどのような政治・社会現象を起こす原因となっているか、その経緯脈絡を説明することができる。各時代の社会情勢を特徴づけている原因を説明することができる。左記ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般的な座学講義形式。教科書は、授業内容を確認する一手段として使用。

授業の進め方・方法:
日本史を軸に関連する世界情勢も織り交ぜながら、おおよそ原始時代から近代社会成立までの政治・社会情勢を、時系列に従って説明してゆく。教師からの説明にあたっては、黒板を多用する。
注意点:
受講学生は、板書や教師の発言、授業中の質疑応答の授内容等を各自で「記録」し、評価考査の試験望むとよいだろう。「記録」につては、受講学生“各自の範囲”での自学自習に資する目的である場合に限り、撮影・録音を行ってもかまわない。評価は定期試験70%(前期中間・前期末・後期中間各15%、学年末試験25%)、課題・レポート等の提出物20%、授業の出席状況や態度10%の割合で行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 原始時代(旧石器時代)  更新世と呼ばれる時期、日本地域が大陸と地続きであったこと具体的な根拠を挙げながら説明できる。
2週 原始時代(縄文時代) 沖積世における地球温暖化が、日本列島を形成させたことを説明できる。また、こうした地理環境の変化が当時の日本地域に与えた文化的影響を、世界文明との比較を通して説明できる。
3週 原始時代(弥生時代1) 弥生時代の遺物の出土状況をふまえ、当時の日本社会が生産経済の段階に入ったことを説明できる。また、弥生期の「環濠集落」や「高地性集落」の特徴を指摘しながら、当時、集落間闘争が発生していたことを説明できる。
4週 原始時代(弥生時代2) 中国歴史書が日本の小国について記述する理由の一つには、“中国王朝による自国支配体制の安定化”があったことを、「中華思想」・「有徳君主」・「朝貢」・「返礼」等の用語を用いて説明できる。
5週 古代(古墳時代1) 高句麗好太王碑が伝える、4C末~5C初の朝鮮半島諸国と倭の対立を説明することができる。また、その対立の背景に“加羅の利権”争いがあったことを推測できる。
6週 古代(古墳時代2) 「筑紫国造磐井の乱」や「仏教崇拝論争」等の事件に着目し、古墳時代後期にあたる6C~7C頃には、大和朝廷の勢力が動揺していたことを説明できる。
7週 古代(飛鳥時代1) 推古朝における「冠位十二階」・「憲法十七条」・「遣隋使派遣」等は、いずれも大和朝廷の勢力再建を目指した政策であったことを説明できる。
8週 古代(飛鳥時代2) 「乙巳の変」とは、誰が何を目的としておこした、どのような内容の事件なのかを説明できる。
2ndQ
9週 古代(飛鳥時代3) 「公地公民」とは何を目指した、どのような内容の制度なのか説明できる。
10週 試験
11週 古代(奈良時代1) “日本貴族の出現は大宝律令によって始まる”と言えることを、「官位相当制」・「蔭位の制」等の用語を用いて説明できる。
12週 古代(奈良時代2) 「藤原広嗣の乱」が当時の政治・社会にどのような影響を与えたかを、「天神相関説」・「鎮護国家」等の用語を用いて説明できる。
13週 古代(奈良時代3/平安時代1) 「宇佐八幡宮信託事件」等の用語を用い、奈良末期に仏教が政界に介入していたことを説明できる。また、こうした仏教勢力を政界から排除するためにどのような手段
が講じられたか説明できる。
14週 古代(平安時代2) 平安時代における「摂政」と「関白」の職務上の相違を説明できる。平安時代における「摂政」と「関白」の職務上の相違を説明できる。また、「前期摂関政治」と「後期摂関政治」の相違点を、「天皇親政」等の用語を用いて説明できる。
15週 古代(平安時代3) 都から派遣される「国司」と「墾田永年私財法」制定以後の地方有力農民の関係に着目し、武士団を出現させた平安時代の地方情勢を述べなさい。
16週 中世(平安時代4) 譲位後も政権を握り続けた院政期の上皇達は、そもそもなぜ天皇位を降りたのかについて、“皇位継承の安定化”と関連付けて説明できる。
後期
3rdQ
1週 中世(鎌倉時代1) 〇鎌倉幕府が朝廷から独立した武士特有の政治組織であったことを示す、侍所・政所・問注所等の役所、守護・地頭などの役人の具体的な役割について説明できる。
〇鎌倉時代の御家人制を特徴づける、“御恩”・“奉公”の具体的内容や、“惣領制”と呼ばれる親族構造の概要を説明できる。
2週 中世(鎌倉時代2) 北条氏と2代将軍源頼家との確執の概要等を根拠に、“執権”北条氏にとって政治権力を強めるために理想的な“将軍”とはどのようなものか適切に推論できる。
3週 中世(鎌倉時代3) 〇“承久の乱”発生の背景にあった、北条義時と後鳥羽上皇との対立について説明できる。また、幕府による戦後処理のあり方をふまえ、承久の乱”が朝幕関係にどのような影響を及ぼしたかを説明できる。
〇“元寇”発生の直前、フビライハンは日本にどのような要求を提示したか、これに対して幕府はどのように対応したか説明できる。また、戦後の恩賞給与の実情をふまえ、“元寇”が御家人制度にどのような影響を及ぼした説明できる。
4週 中世(鎌倉時代4) 9代執権北条貞時の時期に御家人の生活苦が深刻化した原因を説明できる。また、貧窮御家人を救済するために制定された“永仁の徳政令”の具体的内容について説明できる。
5週 中世(室町時代1) 〇建武の親政確立してから後醍醐天皇が吉野に逃亡するまでの経緯を、“中先代の乱”や“湊川の戦い”の内容をふまえて説明できる。また、相互に関連深い歴史事象である“両統迭立”と“南北朝分裂”との決定的な相違点を指摘できる。
〇室町時代における“守護大名”の地方支配は、鎌倉時代の“守護”や戦国時代の“戦国大名”による地方支配と比べるとどのような違いがあるか説明できる。
6週 中世(室町時代2) 幕政を安定させた足利義満の政策について、“守護大名への統制”、“南北朝の統一”、“勘合貿易の開始”等を代表的事例としてその内容を説明できる。
7週 近世(戦国時代1安土) 〇“嘉吉の乱”や“応仁の乱”の発生経緯、事件の概要をふまえて、15C中頃から室町幕府の支配が動揺し、戦国時代がはじまることを説明できる。
〇“座”・“関所”・“撰銭”に対する、室町時代型権力者と戦国時代型権力者の姿勢の相違を指摘することで、応仁の乱前後で支配者の特質に変化が見られることを説明できる。
8週 近世(戦国時代2) 〇16C中頃、ポルトガルやスペインが来日するようになったのは、ヨーロッパ社会のどのような事情によるかを、“大航海時代”や“宗教改革”と関連付けて説明できる。
〇キリスト教に対する戦国大名の対応は、“バテレン追放令”を発した豊臣政権や“禁教令”を制定した江戸幕府の宗教政策と、どのような違いがあるか説明できる。
4thQ
9週 近世(桃山時代1) 織田信長の入京・上京志向をふまえて、地方有力者にすぎなかった織田信長が、日本全体の支配者として、自己の権力をどのように正当化しようとしたか説明できる。
10週 試験
11週 近世(安土桃山時代2) 織田家臣として、“山崎の戦“・“賤ヶ岳の戦“・“小牧長久手の戦”等において戦勝を重ねていった羽柴秀吉が、「太閤」就任た「豊臣姓」賜姓によって織田家と決別し独自の政権を構築したことを説明できる。
12週 近世(江戸時代1) “朝鮮出兵”、“関ケ原の合戦”、“大坂の陣”等の概要をふまえ、一度は豊臣秀頼後見役となった徳川家康が、その肩書を利用しながらも豊臣家と決別して政権を主導するようになった経緯を明らかにできる。
13週 近世(江戸時代2) 〇“天領”と“藩領”の支配(人事・徴税・政策決定)のあり方をふまえ、江戸時代の幕藩体制は、著しい地方分権であったことを説明できる。
〇江戸幕府の三大改革と米沢・秋田・薩摩・長州等の藩政改革とを比較し、経済難に直面した幕府や藩は、それぞれどのような手段で経済再建をはかろうとしたか、その相違を指摘できる。
14週 近世(江戸時代3) 日本が鎖国をしている間におこった“産業革命”が欧米社会にもたらせた傾向に注目して、開国時の日本には強い外圧がのしかかっていたことを説明できる。
15週 近代(江戸時代4) 〇“文化の撫恤令”、“異国船打払令”、“天保の薪水給与令”の概要をふまえて、幕府の外国船対応方針がどのように転換していったかを説明できる。
〇“安政の五か国条約”締結までの経緯や条文の概要をふまえて、欧米との通商をめぐる混乱の中で“尊王攘夷思想が”成立したことを説明できる。
16週 近代(江戸時代5) “尊王攘夷派”の活動を抑えるため、幕府はどのような対策を講じたか、“和宮降嫁”、“八月十七日の政変、“長州征伐”等の語句を用いて説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3

評価割合

試験レポート態度合計
総合評価割合702010000100
基礎的能力5015000065
専門的能力0000000
分野横断的能力2051000035