物理化学(3年)

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物理化学(3年)
科目番号 0099 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 _創造工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 アトキンス・物理化学要論 (第6版)/東京化学同人
担当教員 戸嶋 茂郎

到達目標

1.気体の状態方程式を用いて気体の圧力や体積を求めることができる.また実在気体の状態方程式の特徴や違いを説明できる.
2.物理変化および化学変化にともなう,エンタルビー変化,エントロピー変化ならびにギブズエネルギー変化を求めることができる.
3.純物質の相平衡について理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学の法則をよく理解し,関係する熱力学量を正しく計算できる.熱力学の法則を理解し関係する計算ができる.熱力学の法則や関係する計算が理解できない.
評価項目2相平衡の理論をよく理解し,相の安定性を正しく説明できる.相平衡の理論や相図の説明ができる.相平衡や相図の意味が理解できない.
評価項目3状態方程式の意味をよく理解し,正しい計算ができる.状態方程式を用いた計算ができる.状態方程式の計算が出来ない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
化学のもとになっている物理的な現象を理解するとともに,原子構造や物質の状態変化,それに伴うエネルギー変化を理解する.特に気体の性質と熱力学第一~第三法則を中心に詳しく学ぶ.
授業の進め方・方法:
物理的,化学的現象についての法則を学び,関係する式を用いて計算を行う,その結果をもとにエネルギー量を求めたり化学的性質を予想する.適時章末問題の解説をおこなう.
注意点:
法則を理解し物質の様々な現象の予測を説明できるとともに,計算に当たっては単位や有効数字に常に留意すること.また授業では必ず電卓を用意する事.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 基本概念 物理量・化学量およびSI単位について理解できる.
2週 状態方程式1 状態方程式を用いた計算ができる.
3週 状態方程式2 混合気体の分圧や物質量を計算できる.
4週 気体運動論モデル 気体運動論モデルの概念を理解でき,気体分子の平均速度を求めることができる.
5週 実在気体1 分子間力相互作用,臨界状態および圧縮因子の説明ができる.
6週 実在気体2 実在気体の状態方程式を用いた計算ができる.
7週 中間試験
8週 熱力学第一法則1 仕事,熱および熱容量の計算ができる.
2ndQ
9週 熱力学第一法則2 内部エネルギーとエンタルピーの定義を理解し計算できる.
10週 熱力学第一法則3 エンタルピーの温度変化を理解できる.
11週 物理変化にともなうエンタルピー変化1 相転移にともなうエンタルピー変化を計算できる.
12週 物理変化にともなうエンタルピー変化2 原子や分子の変化にともなうエンタルピー変化を計算できる.
13週 化学変化にともなうエンタルピー変化1 燃焼エンタルピーを説明できる.ヘスの法則を理解し関連する計算ができる.
14週 化学変化にともなうエンタルピー変化2 標準生成エンタルピーの求め方が理解できる.
15週 化学変化にともなうエンタルピー変化3
(解説と演習問題)
化学反応におけるエンタルピー変化を計算できる.
16週
後期
3rdQ
1週 反応エンタルピーの温度変化 キルヒホフの法則に従って,反応エンタルピーの温度変化の計算ができる.
2週 熱力学第二法則 熱力学第二法則およびエントロピーの定義が説明できる.
3週 エントロピー変化1 膨張や加熱に伴うエントロピー変化を計算できる.
4週 エントロピー変化2 転移に伴うエントロピー変化および外界のエントロピー変化を計算できる.
5週 熱力学第三法則 熱力学第三法則と絶対エントロピーを理解できる.
6週 標準反応エントロピー 標準反応エントロピーを計算できる.また反応の自発性を判断できる.
7週 中間試験
8週 ギブズエネルギー1 ギブズエネルギーの定義・性質を理解でき,ギブズエネルギー変化を求めることができる.
4thQ
9週 ギブズエネルギー2 ギブズエネルギーの圧力変化を求めることができる.
10週 ギブズエネルギー3 ギブズエネルギーの温度変化を求めることができる.
11週 純物質の相平衡1 相図の説明ができる.
12週 純物質の相平衡2 相境界とクラペイロン式の関係を説明できる
13週 クラウジウス‐クラペイロンの式 クラウジウス-クラペイロンの式を用いた計算ができる.
14週 相律 相律が理解でき,自由度を求めることができる.
15週 状態図 代表的な物質の相図の特徴を説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前2
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前2
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4前2
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。4前4
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4前5,前6
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。4前5
混合気体の分圧の計算ができる。4前3
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4後11,後12,後13,後15
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4後11,後14
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4前8
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4前9,前11,前12,前13
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4前14,前15
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4前10
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。4前9
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5
純物質の絶対エントロピーを計算できる。4後5
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。4後2
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。4後8,後9,後10
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。4前8,前9

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題提出合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力4000002060
専門的能力400000040
分野横断的能力0000000