論理回路

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 論理回路
科目番号 0240 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 _創造工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「論理回路」 開成出版 著者: 宮﨑 孝雄・安田 新
担当教員 安田 新

到達目標

デジタル回路をブール代数を中心とした「論理回路」として理解し,本科目の履修を通じて電子回路をはじめとした幅広い分野への応用力を身につけることを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ブール代数・ゲート回路を完全に理解し,複雑な論理式でも定理を用いて簡単化したり真理値表を書ける.ブール代数・ゲート回路を理解し,やや複雑な論理式を定理を用いて簡単化したり真理値表を書ける.ブール代数・ゲート回路を理解できない.
評価項目2フリップフロップ回路について完全に理解し,複雑な応用動作についても理解できる.フリップフロップ回路について理解し,カウンタなどの応用についても理解できる.フリップフロップの動作が理解できない.特性表の意味が理解できない.
評価項目3論理ICの基本である順序論理回路について完全に理解し,応用問題を解くことができる.論理ICの基本である順序論理回路について理解できる.順序論理回路について理解できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ディジタル回路を主として論理回路の観点から学ぶ.ブール代数を学んだ後,ゲート回路およびゲート回路を応用した組合せ論理回路の解析と設計方法を学ぶ.次に,各種フリップフロップの動作を学んだ後,その応用であるカウンタ,シフトレジスタなどの設計方法を学ぶ.最後に,実際の回路製作を行なう上で必要な論理ICの基礎知識について学ぶ.
授業の進め方・方法:
評価割合は,中間試験50%,期末試験50%で100点満点で総合評価する.総合評価60点以上を合格
とする.
注意点:
テキストは授業開始時に配布する.

参考書:
「ディジタル電子回路」,藤井信生,昭晃堂
「論理回路入門」,浜辺隆二,森北出版

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 論理回路の基礎 1
・ブール代数,・真理値表,・ゲート回路
ブール代数の公理と定理を利用して
論理式の簡単化や等式の証明ができる.
2週 論理回路の基礎 2
・ブール代数,・真理値表,・ゲート回路
論理式から真理値表を書くことができる.
ゲート回路を用いて論理式から論理回路を書くことおよびその逆ができる.
3週 論理関数の加法、乗法展開定理 1
・加法(積和)標準形,乗法(和積)標準形
加法展開定理と真理値表の関係が理解できる.
4週 論理関数の加法、乗法展開定理 2
・加法(積和)標準形,乗法(和積)標準形
乗法展開定理と真理値表の関係が理解できる.
5週 論理式の作成方法と簡単化 1
・真理値表とカルノー図
真理値表から論理式を導くことができる.
6週 論理式の作成方法と簡単化 2
・真理値表とカルノー図
カルノー図を利用して論理式の簡単化ができる.
7週 組合せ論理回路の設計方法 1
・マルチプレクサ,加算回路,冗長入力など
(中間試験と解説と復習)
冗長入力を理解し論理式の簡単化に利用できる.
8週 組合せ論理回路の設計方法 2
・マルチプレクサ,加算回路,冗長入力など
(中間試験と解説と復習)
基本的な組合せ論理回路の設計ができる.
2ndQ
9週 フリップフロップ回路 1
・特性表,励起表,遷移表,タイムチャート
・SR-FF,D-FF,T-FF,JK-FF
SR-FF,T-FF,D-FF,JK-FF の
特性表,遷移表,励起表が書ける.
10週 フリップフロップ回路 2
・特性表,励起表,遷移表,タイムチャート
・SR-FF,D-FF,T-FF,JK-FF
SR-FF を用いて,T-,D-,JK-FF が構成できる.
11週 カウンタ,レジスタとその応用 1
・非同期,同期式カウンタ,・シフトレジスタ
・リングカウンタ,簡単な順序回路
非同期式,同期式のN進カウンタが設計できる.
12週 カウンタ,レジスタとその応用 2
・非同期,同期式カウンタ,・シフトレジスタ
・リングカウンタ,簡単な順序回路
カウンタ,レジスタ回路の動作解析ができる.
13週 論理ICインターフェース,ワイヤードOR 1 論理IC のインターフェースやオープンコレクタ,
ワイヤードORを回路の実装に生かせる
14週 論理ICインターフェース,ワイヤードOR 2 論理IC のインターフェースやオープンコレクタ,
ワイヤードORを回路の実装に生かせる
15週 期末試験 本科目について包括的に理解できている.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
基本的な論理演算を行うことができる。4
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4
論理式の簡単化の概念を説明できる。4
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。4
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。4
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。4
組合せ論理回路を設計することができる。4
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。4
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。4
与えられた順序回路の機能を説明することができる。4
順序回路を設計することができる。4
情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。4
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。4
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。4
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力200000020
専門的能力600000060
分野横断的能力200000020