電子回路(情報)

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電子回路(情報)
科目番号 0241 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 _創造工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 電気電子系教科書シリーズ12電子回路,著者: 須田健二・土田英一,出版社:コロナ社
担当教員 髙橋 聡

到達目標

トランジスタに代表される電子デバイスについてその動作をしっかり理解できる.特に増幅回路の基本から応用まで幅広く理解し,実際に使用できるようになることを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1トランジスタの動作原理を完全に理解し,比較的複雑な回路でも図式計算およびhパラメータを用いた等価回路から計算で増幅率を求められる.トランジスタの増幅の原理を理解し,基本的な回路で図式計算およびhパラメータを用いた等価回路から計算で増幅率を求められる.トランジスタの増幅の原理が理解できない.
評価項目2トランジスタのRC結合,トランス結合,直接結合増幅回路を完全に理解し,増幅率を計算で具体的に求められる.トランジスタのRC結合,トランス結合,直接結合増幅回路についてその基本動作を理解し,増幅率などの計算ができる.トランジスタのRC結合,トランス結合,直接結合増幅回路について理解できない.
評価項目3オペアンプの動作原理とその応用法を完全に理解し説明でき,増幅率などを計算によって導出できる.オペアンプの動作原理とその中でも重要な応用法を理解し説明でき,増幅率などを計算によって導出できる.オペアンプの動作原理を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
テレビ,ビデオをはじめ最新の携帯電話などは,電子回路技術を応用した製品に他ならない.電子回路の基本を学ぶことは,新しい回路や素子の開発,応用の基礎となる.このような観点から,基本増幅回路の解析を中心に,等価回路による電圧,電流利得などを計算できるように授業を進めていく.
授業の進め方・方法:
後期中間試験20%,学年末試験60% として評価する.また,レポート課題またはグループワークの成果物を20%として評価する.各試験においては,達成目標に則した内容を選定して出題する.試験問題のレベルは,教科書およびプレゼンテーションの内容と同程度とする.総合評価で60 点以上を合格とする.
注意点:
プレゼンテーションを使用した講義が基になるため,授業中はメモをとるためのノートを忘れずに持ってくること

参考書
「電子回路」,著者: 桜庭一郎・大塚敏・熊耳忠,出版社: 森北出版

オフィスアワー
12:15~13:00 
この時間以外でも学生の要望があればいつでも対応する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 制御情報科が電子回路を学ぶ必要性について 経済産業省の資料を基に制御情報科が電子回路を学ぶ必要性について学ぶ
2週 電子デバイスとは? 電子回路に登場する素子(抵抗,コンデンサ,ダイオード,トランジスタなど)の働きを理解できる.
3週 半導体の働き 
~ダイオードとトランジスタ~
半導体の概要を理解し,ダイオード,トランジスタの働きが理解できる.
4週 トランジスタの増幅作用ならびに特性,各種接地方式 バイオーラトランジスタの増幅作用の原理を理解できる.バイポーラトランジスタの3つの端子の意味と役割について理解できる.エミッタ接地・ベース接地・コレクタ接地トランジスタ増幅回路について理解できる.
5週 トランジスタ増幅回路の図式計算とhパラメータを用いたトランジスタ等価回路からの増幅度の計算 トランジスタ増幅回路の直流付加直線の式を導出できる.入出力における付加直線を引き,動作点を導き出し,増幅率を計算できる.hパラメータを用いて等価回路から増幅度の計算ができる.
6週 増幅回路の入出力抵抗とバイアス回路,安定指数について 増幅回路の入出力抵抗の関係について理解する.トランジスタの増幅の際に使用されるバイアス回路について理解する.各種バイアス回路の安定指数を導出できる.
7週 中間テスト
8週 RC結合増幅回路,ダーリントン回路, RC結合増幅回路の基本原理を理解できる.ダーリントン接続増幅回路について理解し,増幅殿計算ができる.
4thQ
9週 電力増幅回路,負帰還回路について A級,B級,C級,AB級増幅回路の意味を理解できる.B級プッシュプル回路の意義と動作を理解できる.帰還の原理を説明できる.負帰還増幅回路の特徴を理解できる.
10週 演算増幅器その1 演算増幅器の動作原理である差動増幅回路について理解できる.
11週 演算増幅回路その2 演算増幅器の端子の意味を理解し,動作を理解できる.
12週 演算増幅回路その3 演算増幅器を用いたいくつかの応用回路の計算ができる.
13週 演習課題1 実際のオペアンプのデーターシートからオペアンプの特性を読み取ることができる.
14週 演習課題2 回路シミュレータを用い,オペアンプの回路をシミュレーションできる.
15週 演習課題3 オペアンプに関する演習問題を解き,理解を深める
16週 期末テスト

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4
FETの特徴と等価回路を説明できる。4
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。4
演算増幅器の特性を説明できる。4
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。4
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4
オシロスコープの動作原理を説明できる。4
制御フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4
情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。4
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。4
その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。4
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。4

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力2020000040
専門的能力400000040
分野横断的能力200000020