応用物理Ⅱ(情報)

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用物理Ⅱ(情報)
科目番号 0263 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 _創造工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電磁気学 末松安晴
担当教員 安齋 弘樹

到達目標

電磁気現象・量子論を講義・問題演習を通じて学び物理現象を系統的・論理的に捉える能力を目標とする。また、微分、積分等の数学的手法を活用して問題を解析する能力を養う。前期は電磁気学、後期は量子論

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理現象を基本法則や原理に基づき論理的に考えることができる。物理現象を公式を用いて記述することができる。物理現象を系統的に説明することができない。
評価項目2電磁気・量子現象の基本法則を理解し、さまざまな現象を定量的に説明できる。電磁気現象や量子論を理解し、簡単な電磁気現象や量子論を定性的に説明できると共に公式を用いた数値計算ができる。電磁気現象および量子論に関する定性的な説明ができない。
評価項目3マックスウェル法的式やシュレーディンガーの波動方程式を理解し、電磁気的・量子論的現象を定量的に説明できる。電磁気現象と量子論に関する基本公式を用いて電磁気現象および量子論の数値計算ができる。電磁気現象および量子論に関する基本公式を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
4年「電磁気工学演習」、「電子デバイス」と並行して、電磁気学数学的取扱いと量子論について学習する。 特に、微分積分によるマクスウェル方程式の解法と量子論におけるシュレーディンガーの波動方程式について取り扱う。
授業の進め方・方法:
授業形態は、講義、問題演習である。
注意点:
物理の基本公式を理解し応用できるようになるには具体的な問題に取り組み思考することが必要不可欠である。その為、本講義ではセミナー物理基礎+物理(第一学習社)による自学自習を強く推奨している。
【評価方法・基準】
前期末試験25%、学年末試験30%、確認テスト25%、(課題レポート+授業への取組姿勢)20%で総合評価する。総合評価50点以上を合格とする。
試験問題は各達成目標に即した内容で、問題のレベルは教科書の問題および問題集の基本問題程度のものを出題する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電荷とクーロンの法則 クーロンの法則について説明できる。特に電荷の単位が如何に大きいか理解できる。
2週 静電界 電界と電位の定義について説明できる。
3週 ガウスの法則
静電界のガウスの法則について説明できる。特に積分形式と微分形式につじて理解できる。
4週 導体と静電容量 導体の性質および静電容量について説明できる。また、キャパシタの接続について計算できる。
5週 誘電体 誘電体と誘電率について説明できる。特に電束密度の物理的意味について理解できる。
6週 定常電流 オームの法則と抵抗およびジュール熱について説明できる。
7週 静磁界 ビオ・サバールの法則、アンペアの法則について説明できる。
8週 磁性体 磁化と透磁率について説明できる。
2ndQ
9週 電磁誘導 ファラデーの法則について説明できる
10週 インダクタンス 自己・相互インダクタンスについて説明できる。インダクタンスの接続の計算ができる。
11週 マクスウェルの方程式 マクスウェル方程式と電磁気法則の関係が説明できる。特に変位電流の物理的意味を理解できる。
12週 波動法的式 波動方程式が導出できる。
13週 電磁波 波動方程式の解として電磁波を説明できる。
14週 反射と透過波と特性インピーダンス 境界面での反射と透過について説明できる。また、等価モデルとして特性インピーダンスを用いた説明ができる。
15週 電磁波の応用 電磁波の応用例が説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 ボーアの原子モデル ボーアの原子モデルから電子の運動エネルギーについて説明できる。
2週 電子波 電子をドブロイ波で取り扱うことによってボーアモデルの電子のエネルギーが量子化されることを説明できる。
3週 不確定性関係 不確定性関係の物理的意味を説明できる。
4週 シュレーディンガー方程式 シュレーディンガー方程式を説明できる。
5週 波動関数 複素数による波動関数を説明できる。
6週 水素原子のシュレーディンガー方程式 水素原子においてシュレーディンガー方程式を適用できる。
7週 水素原子のシュレーディンガー方程式の解 水素原子のシュレーディンガー方程式の解の物理的意味を説明できる。
8週 エネルギー帯 金属、半導体、絶縁体をエネルギー帯構造を用いて説明できる。
4thQ
9週 1次元のシュレーディンガー方程式の解 1次元の箱に閉じ込められた粒子について説明できる。
10週 3次元のシュレーディンガー方程式の解 3次元の箱に閉じ込められた粒子について説明できる。
11週 状態密度 伝導電子の状態密度について説明できる。
12週 フェルミ・ディラック分布関数う フェルミ・ディラック分布関数の導出と近似としてのボルツマン分布関数を説明できる。
13週 エネルギー帯を利用したデバイス例、フォトダイオード フォトダイオードの原理を説明できる
14週 エネルギー帯を利用したデバイス例、太陽電池 太陽電池の原理を説明できる。
15週 その他の量子効果の応用例、量子コンピューター等 最新の量子効果を利用した例を取り上げる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。2
動摩擦力に関する計算ができる。2
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。1
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.2
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力のモーメントを求めることができる。2
角運動量を求めることができる。2
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。2
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。1
熱機関の熱効率に関する計算ができる。1
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。1
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。1
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。1
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。1
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。1
自然光と偏光の違いについて説明できる。1
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。1
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。1
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75005020100
基礎的能力350050545
専門的能力3000001040
分野横断的能力100000515