技術者倫理

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 技術者倫理
科目番号 0020 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科一般科目・共通専門科目 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:適宜プリントを配布
担当教員 宍戸 道明

到達目標

講師の企業,起業経験を活かしカリキュラムポリシーの社会や環境に対する問題意識と倫理観についての理解を深める.
技術は経済成長とともに高度化,複雑化および多様化を加速している.同時に事故や環境破壊,ひいては人命に関わる惨事も多発している.これらの背景を,技術者の倫理的側面からみると,未然に防げたケースが多い.なぜ技術者に倫理が必要かといった問いにその重要性や社会的背景を説く.そして自発的に「専門的職業人」としてのあり方を学ぶ.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1専門用語を活用し,見解をまとめることができる専門用語が理解できる左記ができない・不十分
評価項目2事例分析・ポイント理解をふまえ,事故を未然に防ぐための提案ができる事例分析を行い,ポイントを理解できるポイントがつかめない
評価項目3多様な意見をもとに,最適解の提案やリーダー的役割を果たすことができるグループワークに積極的に参加するグループワークで発言できない

学科の到達目標項目との関係

①広い視野を持ち、多様な価値観を理解できる能力   説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は,企業コンサルタント経験を有する教員が,その経験を活かし,実社会での事例をふまえながら講義形式で授業を行うものである.技術は経済成長とともに高度化,複雑化および多様化を加速している.同時に事故や環境破壊,ひいては人命に関わる惨事も多発している.これらの背景を,技術者の倫理的側面からみると,未然に防げたケースが多い.なぜ技術者に倫理が必要かといった問いにその重要性や社会的背景を説く.そして自発的に「専門的職業人」としてのあり方を学ぶ.
授業の進め方・方法:
講義型および参加体験型(グループワーク)にて進める.本科目は唯一解の不存在や価値対立,決議論など,自身の導き出す解をふまえて他者の意見に耳を傾け,相互理解と最適解を考える.
注意点:
学修内容の理解を深めるため,授業テーマについて授業時数と同程度の時間を講義前後に設け,情報収集や内容の理解に努めること.自学自習により調査した事例を基に回答する設問を含む中間試験40%,学年末試験(レポート提出)60%で達成度を総合評価する.総合評価60点以上を合格とする.試験問題のレベルは,プリントや参考書の演習問題程度とする.(全講義の受講を求める.再試験は行わない.)

事前・事後学習、オフィスアワー

学修内容の理解を深めることや,グループワークを円滑かつ有機的に進めるため,授業テーマについて授業時数と同程度の時間を講義前後に設けること.とくにグループワークはメンバー相互の十分な意見交換を行うことが望ましい.
オフィスアワー:授業日の7・8校時

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 専門的職業人と倫理観
(技術者倫理とは)
受講の趣旨の理解と自覚
2週 企業活動で優先すべきもの 利益追求以外に必要とされるものの理解
3週 専門的職業人のあるべき姿(課題と責任) 課題と責任の違いの理解
4週 倫理規定,倫理綱領,グループワーク① 各学協会に倫理規定がある意味の理解
5週 グループワーク① 発表と討論 積極的な参画
6週 イノベーションと環境問題 環境破壊因子と影響の理解
7週 リスクとトレードオフ リスク管理の概念
8週 中間試験 問に対する最適解の要求
4thQ
9週 法の枠組みと法規制の意味 法規制の必要性の理解
10週 製造物責任と知的財産権 専門用語の理解
11週 内部告発と告発者の保護 正しい内部告発の理解
12週 テクノロジー・アセスメント
グループワーク②
用語(アセスメント)とその必要性の理解
13週 グループワーク② 発表と討論 積極的な参画
14週 事例分析(設計と安全性) 事故を未然に防ぐ提案
15週 歴史や先人より学ぶ倫理観 歴史や先人から学ぶ倫理観の理解
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理技術者倫理技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。4
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。4
社会における技術者の役割と責任を説明できる。4
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。4
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。4
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。4
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。4
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。4
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。4
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。4
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。4
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。4
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。4
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。4
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。4
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。4
分野横断的能力基盤的資質・能力自己理解自己理解周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。4
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。4
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。4
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。4
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。4
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。4
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。4
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。4
法令やルールを遵守した行動をとれる。4
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。4
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合40000060100
基礎的能力1000001020
専門的能力1000002030
分野横断的能力2000003050