到達目標
半導体、固体発光素子(LED)、レーザー等の動作原理を理解する上で必要な量子力学、統計力学の基礎概念や基本法則を定性的かつ定量的に理解して、電子デバイス等の研究・開発で活用できる能力を養う。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 量子論、統計力学の基本原理や公式を用いてミクロな現象を論理的に考察および推論できる。 | 量子論、統計力学の基本原理や公式を用いて簡単な現象を説明できる。 | 量子論、統計力学の基本原理を系統的に説明することができない。 |
評価項目2 | 量子力学の方程式に基づきミクロな力学系の諸物理量を定量的に求めることができる。 | 量子力学の方程式に基づきミクロな力学系の物理現象を定性的に説明できる。 | 量子力学の基本原理を系統的に説明することができない。 |
評価項目3 | 統計力学の基本公式に基づきミクロな力学系の諸物理量を定量的に求めることができる。 | 統計力学の基本公式に基づきミクロな力学系の諸現象を定性的に説明することができる。 | 統計力学の基本原理を系統的に説明することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
③専門分野に加えて基礎工学をしっかり身につけた生産技術に関る幅広い対応力
説明
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教育方法等
概要:
前半に量子力学の基礎的概念とシュレーディンガー方程式および波動関数について理解し、井戸型ポテンシャルや水素原子内の電子のエネルギー状態、トンネル効果、その他のミクロ現象を学ぶ。後半では統計力学の基礎と、固体の比熱や磁性現象への応用について学ぶ。定性的理解に留まらず、簡単な物理モデルの数理解析が出来ることを目標とする。
授業の進め方・方法:
授業形態は講義・問題演習を主体とするが、最新の物理現象に関する参考資料、DVD教材、基礎的事項に関する演習プリントも取り入れる。また、確認試験を適時実施する。
注意点:
【評価方法・基準】
授業中に行なう確認試験20%、期末試験40%、課題レポート30%、授業への取り組み姿勢10%で達成度を総合評価する。総合評価60点以上を合格とする。
試験問題は各達成目標に即した内容で、問題のレベルは教科書の問題および授業中に配布する演習問題程度のものを出題する。
また、参考図書『基礎物理学選書2 量子論 小出昭一郎(裳華房)』の内容も参照する。
◾️再試験について
総合評価で「不可」となった者のうち、レポート未提出がない学生に対してのみ、再試験(1回のみ)を実施する。
事前・事後学習、オフィスアワー
《事前・事後学習について》本科目は「学修単位」科目であるため、次の①②に留意して受講することが求められる。
①講義(30時間)+自学自習(60時間)を前提とし、60時間程度の予習・復習(自学自習)が不可欠である。
②単元毎に、自学自習用のレポート課題(要提出)を課す。
《オフィスアワー》講義実施日の16:00-17:00、その他随時。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
熱輻射とプランクの量子仮説 |
プランクの熱放射の公式を説明できる。光子のエネルギーを求めることができる。
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2週 |
光子や電子の粒子性・波動性とボーアの水素原子模型 |
光量子仮説、コンプトン効果、X線回折や電子線回折を定量的に説明できる。また、水素原子のエネルギー準位を導出できる。
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3週 |
シュレーディンガーの波動方程式 |
シュレーディンガーの波動方程式、波動関数の意味を理解して説明することができる。
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4週 |
無限井戸型ポテンシャル内の粒子 |
1次元および3次元系の粒子のエネルギー準位と存在確率分布を求めることができる。
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5週 |
有限井戸型ポテンシャル内の粒子 |
有限のポテンシャル内の粒子の存在確率分布や、トンネル効果について説明できる。
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6週 |
量子力学の具体例 |
ベンゼン等の有機分子の分光スペクトルや江崎ダイオードのV-I特性を説明できる。
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7週 |
水素原子の構造 |
シュレーディンガー方程式から得られる水素原子のエネルギー準位や電子軌道を定性的に説明できる。
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8週 |
スピンと元素の周期律 |
電子スピンの物理的意味を説明できる。また、パウリの排他律と多電子原子の構造を説明できる。
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2ndQ |
9週 |
分子や固体の構造 |
水素分子の共有結合、金属・半導体・絶縁体のバンド構造を定性的に説明できる。
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10週 |
統計力学の考え方 |
エルゴード定理と等重率の原理、多体系のアンサンブル平均を理解できる。
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11週 |
分配関数と自由エネルギー |
ボルツマン因子と分配関数の概念を理解し、多自由度系の自由エネルギーを記述できる。
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12週 |
2準位系の統計力学 |
2準位多体系のエネルギー、熱容量を分配関数から計算できる。また、負の温度とレーザーの原理について説明できる。
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13週 |
磁性体の統計力学 |
強磁性体の相転移をIsing模型を用いて定性的に説明できる。
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14週 |
フェルミ統計と半導体 |
電子の集団に適用されるFermi-Dirac統計について理解し、金属のFermi準位やn型・p型半導体の構造を説明できる。
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15週 |
到達度確認問題演習 |
1次元粒子系のシュレーディンガー方程式の解法や、2準位多体系の物理量の導出に関する問題を解くことが出来る。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 期末試験 | 確認試験 | 課題レポート No.1 | 課題レポート No.2 | 取組姿勢 | | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 20 | 15 | 15 | 10 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 15 | 5 | 5 | 5 | 0 | 50 |
専門的能力 | 20 | 5 | 5 | 5 | 5 | 0 | 40 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0 | 0 | 10 |