レーザー応用計測

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 レーザー応用計測
科目番号 0006 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 光・レーザ工学入門 中野人志 著 コロナ社 / 講義ノート 宮﨑孝雄 著
担当教員 宮﨑 孝雄

到達目標

 レーザは光通信,家電製品,情報処理機器,レーザ加工,医療分野など産業界広く利用されている.
ここでは,レーザの応用に必須である光学の基礎知識を学んだ後に,レーザ光の基本的性質,発振原理,種類や特徴を理解する.次に,レーザを応用した各種装置やシステム,計測技術の概要および動作原理と特徴を習得する.全体を通じて,レーザを応用した新しい機器や技術開発に向けての基礎力を身につけることを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自然光と異なるレーザ光の特徴を光学および量子論の知識に基づいて定量的に説明できる.自然光と異なるレーザ光の特徴を光学および量子論の知識に基づいて定性的に説明できる.自然光と異なるレーザ光の特徴が説明できない.
評価項目2各種レーザの発振原理及び特徴を光学および物理の理論を利用して定量的に説明できる.各種レーザの分類,構造,発振 原理及び特徴を定性的に説明で きる.各種レーザの分類,構造,発振 原理及び特徴を説明できない.
評価項目3各種レーザを応用した装置やシステムの原理,構成,特徴及び性能について定量的に説明できる.各種レーザを応用した装置やシステムの原理,構成,特徴及び性能について定性的に説明できる.各種レーザを応用した装置やシステムの原理,構成,特徴及び性能について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
レーザの応用において必須である光学の基礎知識,特に,回折,干渉現象を説明する.次に,レーザ光の特性レーザの動作原理を理解するために,光学および量子力学の基礎知識に基づいて解説する.また,ガス,固体液体など各種レーザの特徴と応用分野を説明する.さらに,極短パルス,ハイパワーレーザとしてQ-SWレーザ
とモードロックレーザの原理を説明する.最後に,各種レーザを応用した計測技術,情報処理,最新の装置やシステムの動作原理や特徴を解説する.
授業の進め方・方法:
講義の進捗状況に応じて,小テストあるいはレポート提出を課して理解度を深める.達成度を評価するために中間試験と期末試験試験を実施する.授業は,講義が主体となる.成績評価は,試験成績,およびレポートを総合評価して行う.
注意点:
成績評価の割合は,中間試験40%,後期末試験40%,およびレポート20%で総合評価し,60点以上を
合格とする.試験問題は,到達目標に則した内容とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 幾何光学,波動光学の基礎 光の反射・屈折,光線マトリクス干渉現象を定量的に説明できる.
2週 波動光学の基礎(続き) 回折,偏光,フレネル反射係数,散乱について定量的に説明できる.
3週 光の粒子性と電子の相互作用 黒体放射,光電効果,コンプトン効果,不確定原理を計算できる.
4週 レーザ光の基本的性質 指向性,単色性,可干渉性について説明できる.可干渉距離を導出できる.
5週 レーザの原理 自然放出と誘導放出,反転分布 光増幅器の利得,レーザ発振条件について説明できる.
6週 レーザの原理(続き) 光共振器,レーザ光の縦モード,横モード,レーザ媒質の励起方法について説明できる.
7週 レーザ光の特性評価 連続発振,パルス発振のレーザ出力,ガウスビーム,集光径について定量的説明や計算ができる.
8週 中間試験 光学基礎,レーザ光の基本的性質と発振原理特性評価に関する理解度を評価する.
4thQ
9週 各種レーザの特徴 気体レーザ,固体レーザ,色素レーザ,半導体レーザの構造と特徴について説明できる.
10週 各種レーザの特徴(継続 エキシマレーザ,光ファイバレーザ,X線レーザの構造と特徴について説明できる.
11週 レーザ光内部制御技術 Qスイッチングおよびモードロック発振技術を理解し,発振されたレーザ光の特徴を説明できる.
12週 レーザ光外部制御技術 ポッケルス素子,光音響光学素子,偏光制御素子,空間フィルタリングについて説明できる.
13週 レーザの応用 ホログラフィー,光ディスク,光計測,光通信における技術的特徴について説明できる.
14週 レーザ加工 レーザ光の特徴を利用した機械加工や熱加工,核融合技術について説明できる.
15週 後期末試験 各種レーザの特徴と特徴を生かした応用に関する理解状況の評価を行う.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。3
原子の構造を説明できる。3
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力200000020
専門的能力5000002070
分野横断的能力100000010