到達目標
電極反応速度と電流との関係を理解するとともに,電極反応速度定数の電極電位依存性を説明できる.また,電気化学測定データから電極反応パラメーターを求めることができる.
孔食や隙間腐食等のさまざまな形態の腐食反応を理解し,基本的な防食法について説明できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 電極反応速度と電流との関係を十分に理解し,その電極電位依存性を詳しく説明できる. | 電極反応速度と電流との関係を理解し,その電極電位依存性を説明できる. | 電極反応速度と電流との関係を理解できず,その電極電位依存性を説明できない. |
評価項目2 | 電気化学測定データーから電極反応パラメーターを求めることができる. | 電気化学測定と電極反応パラメーターの関係を理解できる. | 電気化学測定から電極反応パラメーターを求めることができない. |
評価項目3 | 腐食反応機構を正しく理解し,各種防食法の原理を説明できる. | 腐食反応機構を理解し,防食の基本原理を説明できる. | 腐食反応機構を理解できず,防食の基本原理を説明できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
電極/溶液界面で起こる酸化還元反応(電極反応)速度すなわち電流と電極電位との関係について解説する.また電極/溶液界面の構造および電極反応機構の解析法についても講義する.さらに金属の腐食というやや複雑な現象を取り上げ,電気化学測定法がどのように腐食の研究に適用されているかについても述べる.
授業の進め方・方法:
各項目について基本事項を詳しく解説し,その後具体的な電極反応や電気化学測定例あるいは腐食事例について説明をおこなう.
なお令和2年度は新型コロナウィルス感染防止対策として遠隔授業(オンライン授業)で実施する場合もある.
注意点:
開講前の事前学習として酸化還元反応および電池・電気分解の基礎事項を復習しておくこと.
事前・事後学習、オフィスアワー
学修単位なので授業時間以外の学修等を含めて履修時間は90時間である.予習・復習に努め,章末問題にも積極的に取り組むこと(具体的内容については授業毎に指示をする).
オフィスアワー:基本的に講義日の午後2時半〜午後5時とするが,教員室に在室の際はいつでも対応するので気軽に質問等に来ること.またメールやTeams等でも随時受け付ける.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
電極反応速度と電流1 |
電極反応速度と電流との関係を理解できる.
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2週 |
電極反応速度と電流2 |
全電流,部分電流,電極反応速度定数およびバトラーの理論を理解できる.
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3週 |
電極反応速度定数の電極電位依存性1 |
Butler-Volmerの式を理解できる.
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4週 |
電極反応速度定数の電極電位依存性2 |
各種電極反応パラメーター,Tafel式および拡散電流を理解できる.
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5週 |
電気二重層1 |
電極/溶液界面の構造を理解できる.
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6週 |
電気二重層2 |
電気毛管曲線と電気二重層容量を理解できる.
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7週 |
電極反応の解析1 |
ボルタンメトリーの結果を解析できる.
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8週 |
電極反応の解析2 |
クロノアンペロメトリーの結果を解析できる.
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2ndQ |
9週 |
中間試験 |
60点以上
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10週 |
腐食現象の電気化学的機構 |
腐食電位と腐食電流および活性態と不動態について理解できる.
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11週 |
さまざまな腐食1 |
孔食や隙間腐食における腐食反応機構を説明できる.
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12週 |
さまざまな腐食2 |
腐食疲労等のさまざまな形態の腐食反応を説明できる.
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13週 |
腐食反応速度の測定 |
電気化学測定による腐食反応速度の測定方法の一つである分極抵抗法を理解する.
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14週 |
防食の理論と方法 |
基本的な防食法について説明できる.
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15週 |
自動車腐食とその防食法について |
自動車車体で問題となる腐食事例とその対策を説明できる.
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16週 |
期末試験 |
60点以上
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 中間試験 | 期末試験 | 課題提出 | 態度・取組み | 合計 |
総合評価割合 | 35 | 35 | 20 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 15 | 15 | 0 | 10 | 40 |
専門的能力 | 20 | 20 | 20 | 0 | 60 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |