生物資源利用化学(1,2年)

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 生物資源利用化学(1,2年)
科目番号 0045 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 参考図書「セルロースの科学」磯貝明著 (松浦 担当)
担当教員 飯島 政雄,松浦 由美子

到達目標

1. 植物資源からのセルロースの抽出法、セルロースの構造および特性に関する基礎知識を身につける。(松浦 担当)
2. 高機能性セルロース材料の例を挙げ、その特徴を説明できる。(松浦 担当)
3. タンパク質資源からの有用タンパク質の抽出法、その構造および特性に関する基礎知識を身につけ、説明できる。(飯島 担当)
4. 脂質資源からのバイオ燃料への変換法、その構造および特性に関する基礎知識を身につけ、説明できる。(飯島 担当)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目 1 (松浦 担当)植物資源に関する概要、セルロースの構造および特性に関する基礎知識を身に着けている。植物資源に関する概要、セルロースの構造および特性に関する基礎知識を概ね身に着けている。植物資源に関する概要、セルロースの構造および特性に関する基礎知識を身に着けていない。
評価項目 2 (松浦 担当)高機能性セルロース材料の例を挙げ、その特徴を説明できる。高機能性セルロース材料の例を挙げ、その特徴を概ね説明できる。高機能性セルロース材料の例を挙げ、その特徴を説明できない。
評価項目 3 (飯島 担当)タンパク質資源に関する概要、その構造および特性を説明し、例示できる。タンパク質資源に関する概要、その構造および特性を説明できる。タンパク質資源に関する概要、その構造および特性を説明できない。
評価項目 3 (飯島 担当)バイオ燃料に関する概要、その構造および特性を説明し、例示できる。バイオ燃料に関する概要、その構造および特性を説明できる。バイオ燃料に関する概要、その構造および特性を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

(E) 一つの得意専門分野をもち,生産技術に関する幅広い対応能力を身につける。 E-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
自然界に存在する生物由来の物質を資源(バイオマス)として利用するための化学プロセスについて学ぶ。動植物やその廃棄物などをエネルギー資源や有用な物質に化学変化させることで資源の循環と地球温暖化の防止につながる事を理解する。
前半では、セルロースの構造および特性に関する基礎知識に加え、高機能性セルロース材料の例を挙げ、その特徴を解説する。セルロースは地球上に大量に存在し,かつ再生産が可能なことから有望な有機資源として期待されており、紙・パルプ,繊維として使用されているほか、電子機器、医療・薬品分野など幅広い分野で応用されている。(松浦 担当)
後半では、タンパク質資源として廃棄されている絹糸を例にその抽出法や利用法について解説する。そして、脂質資源として廃棄食用油からのバイオディーゼル燃料への変換やその課題について主に解説する。(飯島 担当)
授業の進め方・方法:
プリントを用いて、セルロース資源に関する概説、セルロースの構造および特性に関する基礎知識を説明し、 高機能性セルロース材料の例を挙げ、その特徴を解説する。(松浦 担当)
タンパク質資源および脂質資源について教員作成の資料をもとに解説する。(飯島 担当)
注意点:
前半(松浦担当)および後半(飯島担当)それぞれにおいてテスト80 %、レポート 20 %で評価し、これらを平均して総合評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.生物資源(バイオマス)の定義と分類
2.セルロース系バイオマス資源の現状
バイオマスの概要とセルロース系バイオマスの賦存量、生産量およびその利用状況について説明できる。
2週 セルロース資源の構造とセルロース精製法 セルロース資源の構造とセルロース精製法を説明できる。
3週 セルロースの構造および特性 セルロースの基本構造およびその特性について理解できる。
4週 セルロースの化学反応 セルロースの基本的な誘導体の種類、セルロース誘導体の調製法を説明できる。
5週 セルロースの利用 1
分離膜、光学異性体分離剤など
分離膜、光学異性体分離剤などのセルロース材料について説明できる。
6週 3. ナノセルロースの構造と特性 ナノセルロースの構造と特性について説明できる。
7週 セルロースの利用 2
セルロースナノ材料
セルロースナノ材料の具体例とその特徴を説明できる。
8週 中間試験 前半の講義の理解を確認する。
2ndQ
9週 4.タンパク質資源
有用タンパク質の抽出法
タンパク質資源からの有用タンパク質の抽出法を説明できる。
10週 有用タンパク質の構造とその特性 有用タンパク質の構造とその特性を説明できる。
11週 有用タンパク質の利用例 有用タンパク質の利用例を説明できる。
12週 5.脂質資源
バイオディーゼル燃料の製造法とその構造
バイオディーゼル燃料の製造法とその構造を説明できる。
13週 バイオディーゼル燃料の特性と課題 バイオディーゼル燃料の特性を説明でき、課題を理解できる。
14週 6.その他のバイオ燃料 バイオエタノールやメタン発酵などのバイオエネルギーについて説明できる。
15週 期末試験 後半の講義の理解を確認する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学触媒の性質・構造を理解して、活性化エネルギーとの関係を説明できる。5
表面の触媒活性を理解して、代表的な触媒反応を説明できる。5
生物化学単糖と多糖の生物機能を説明できる。5
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。5
グリコシド結合を説明できる。5
多糖の例を説明できる。5
脂質の機能を複数あげることができる。5
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。5
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。5
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。5
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。5
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。5
タンパク質の高次構造について説明できる。5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000