高分子材料化学(1,2年)

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 高分子材料化学(1,2年)
科目番号 0261 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 エキスパート応用化学テキストシリーズ 高分子科学-合成から物性まで
担当教員 佐藤 司

到達目標

高分子の1次構造、2次構造、高次構造が発現するための科学的な要因を学び、身の回りの高分子材料の機能性に関連していることを理解する。高分子合成の分類と特徴を学び材料の高性能化に関わっていることを理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
高分子の構造1次構造、2次構造、高次構造の発現と特徴を正しく説明できる。高分子の様々な構造を理解できる。高分子の構造と分類を説明できない
高分子物質の性質高分子物質の熱的、力学的性質の原因と特徴を正しく説明できる。高分子物質の性質を理解できる。高分子物質の性質を説明できない。
高分子合成各合成反応の特徴を正しく説明できる。高分子合成の特徴を説明できる。高分子合成の特徴を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

(E) 一つの得意専門分野をもち,生産技術に関する幅広い対応能力を身につける。 E-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
身の回りにある高分子材料が適切に利用されている背景には、高分子の1次構造、2次構造、高次構造の発現と深い関わりがある。授業では様々な構造の説明と測定方法について物理化学的な視点から教授する。また、高分子合成の発展によって多様な材料が提供されるようになっており、反応機構と高分子構造の特徴を学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書やスライドなどを適宜使用する。板書よりも資料やスライドを用いて様々な構造や実験データを説明し高分子の本質を理解してもらう。適宜演習問題を取り上げ理解度の確認を行う。
注意点:
資料説明やスライド投影による授業が主となる。補足的に板書をするが黒板に書いたことだけを暗記するのでは理解したことにならない。高分子がなぜそのような形や性質を示すのか考えながら学ぶこと。本科で学んだ有機化学(3,4年)、材料化学(4年)の高分子分野をしっかり理解しておく。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 高分子とは 高分子と低分子の違い 高分子と低分子の違いと特徴、
高分子説の確立を理解する
2週 高分子の一次構造 結合様式、立体規則性、共重合体の構造について分類し説明できる
3週 高分子の二次構造 多様なコンフォメーションの生じる要因を説明できる
4週 分子量と分子量分布 平均分子量や分子量分布の計算、分子量測定法を理解する
5週 高次構造1(理想鎖、実在鎖、溶液、ブレンド、ゲル) 鎖の広がりを予測できる。溶液やブレンドにした場合の性質を説明できる
6週 高次構造2(結晶構造) 結晶構造の形と分類が説明できる
7週 高次構造2(結晶構造)続き 球晶の発現する理由やや結晶化度の測定方法について説明できる
8週 高分子の熱的性質 融点やガラス転移点の意味、耐熱性の設計方針について説明できる
2ndQ
9週 高分子の力学的性質 引張変形や粘弾性データより高分子の力学的性質を評価できる
10週 ゴム男性 エントロピー弾性の意味を説明できる
11週 ラジカル重合1 開始剤の役割、重合の特徴や素反応を説明できる
12週 ラジカル重合2 重合速度に及ぼす開始剤濃度やモノマー濃度の影響を理解する
13週 イオン重合1 アニオン重合やカチオン重合の特徴を説明できる
14週 イオン重合2 配位アニオン重合の特徴を説明できる
15週 重縮合、重付加、付加縮合 それぞれの反応の特徴を説明できる
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学高分子化合物がどのようなものか説明できる。5前1
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。5前1
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。5前2,前3,前4,前5,前6,前7
高分子の熱的性質を説明できる。5前8
重合反応について説明できる。5前11
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。5前15
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。5前11,前12,前13,前14
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。5前11,前12,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000