分析化学

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 分析化学
科目番号 0040 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(機械コース) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 基礎からわかる分析化学
担当教員 上條 利夫

到達目標

1.単位や濃度を理解し,物質量や濃度の計算ができる。
2.化学反応(沈殿形成,錯体形成,電離など)や物理現象による状態変化について説明ができる。
3.溶液内の化学平衡反応に基づいた定量分析を理解している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1単位や濃度を理解し,物質量や濃度の計算ができ,数値データの妥当な取り扱いができる。単位や濃度を理解し,物質量や濃度の計算ができる。単位や濃度を理解し,物質量や濃度の計算ができない。
評価項目2化学反応(沈殿形成,錯体形成,電離など)や物理現象による状態変化について説明ができ,必要な定量計算ができる。化学反応(沈殿形成,錯体形成,電離など)や物理現象による状態変化について説明ができる。化学反応(沈殿形成,錯体形成,電離など)や物理現象による状態変化について説明ができない。
評価項目3溶液内の化学平衡反応に基づいた定量分析を理解し,定量計算ができる。溶液内の化学平衡反応に基づいた定量分析を理解している。溶液内の化学平衡反応に基づいた定量分析を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
分析化学は,物質の情報(化学組成,構造,性質)を取り扱うための基盤となる学問である。この講義では,一般化学の基礎知識をもとにその基本となる溶液内の化学平衡反応を定量的に取り扱う方法について学習する。
授業の進め方・方法:
教科書の該当箇所をよく読み,講義内容を予習しておくことが望ましい。とくに,計算をともなう問題では,さまざまな近似の処理とその実際の溶液における意味を意識して復習に取り組むと効果的である。
注意点:
定期試験70%,課題30%をもって総合的に評価して50点以上を合格とする。
■教科書
基礎からわかる分析化学:加藤正直,塚原聡 共著,森北出版
■参考書(推薦図書)
クリスチャン分析化学 I 基礎編:G.D.Christian 著,原口紘き 監訳,丸善
サイエンスビュー化学総合試料:実教出版

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 分析化学の基礎I 分析化学の基礎が理解できる。
2週 分析化学の基礎II 化学平衡と活量について理解し,物質量に関する計算ができる。
3週 沈殿平衡と溶解度積について 溶解度積について理解し,必要な計算ができる。
4週 分別沈殿について 分別沈殿について理解し,分別の判定ができる。
5週 金属イオンの系統的定性分析I 沈殿平衡を利用したイオン種の分離が理解できる。
6週 金属イオンの系統的定性分析II 沈殿平衡を利用したイオン種の分離が理解できる。
7週 沈殿滴定 モール法,ファヤンス法について説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 酸塩基の基礎 酸塩基平衡,水のイオン積について理解し,pHおよびpOHの計算ができる。
10週 強酸・強塩基,弱酸・弱塩基の水溶液I 強酸・強塩基,弱酸・弱塩基の平衡について理解している。
11週 強酸・強塩基,弱酸・弱塩基の水溶液II 強酸・強塩基,弱酸・弱塩基の平衡について理解し,pHの計算ができる。
12週 弱酸の塩の水溶液 弱酸の塩の水溶液のpHの計算ができる。
13週 緩衝溶液 緩衝溶液とpHの関係について理解している。
14週 多塩基酸組成のpH依存性 多塩基酸水溶液の組成が計算できる。
15週 中和滴定 中和滴定についての原理を理解し,酸および塩基の濃度の計算ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 錯生成平衡の概念,錯生成定数 錯体の生成について理解している。
2週 錯生成平衡に及ぼす種々の因子 錯体の存在化学種の濃度依存性について理解している。
3週 キレート滴定 キレート滴定についての原理を理解し,金属イオンの濃度計算ができる。
4週 電池と起電力,標準酸化還元電位,ネルンストの式 ネルンストの式について説明できる。
5週 酸化還元平衡 酸化還元平衡について理解できる。
6週 酸化還元滴定I 酸化還元滴定についての原理を理解できる
7週 酸化還元滴定II 酸化還元滴定について,酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 分配平衡の基本概念 分配平衡の基本概念について理解している。
10週 有機酸の分配 有機酸の分配について理解し,分配比の計算ができる。
11週 イオン交換樹脂の化学構造と分類 イオン交換樹脂の化学構造から分類できる。
12週 イオン交換樹脂の特徴 イオン交換樹脂の特徴を理解している。
13週 数値データの取り扱いI 分析によって検出されたデータの取り扱い方が理解できる。
14週 数値データの取り扱いII 分析によって検出されたデータの取り扱い方が理解できる。
15週 達成度の点検
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3
中和滴定の計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。3
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。3後14
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。3
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。3
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。3
錯体の生成について説明できる。3後1
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。3
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。3
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。3後5,後7,後12
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。3後1,後6,後7,後12
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。3
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他(課題・テスト)合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力3000001040
専門的能力4000002060
分野横断的能力0000000