物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理Ⅱ
科目番号 0054 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(機械コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 改訂版・総合物理1(数研出版)/リードα 物理基礎・物理(数研出版)
担当教員 岩岡 伸之

到達目標

講義・問題演習及び物理実験を通して,物理現象を系統的かつ理論的に捉える能力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理現象を系統的・理論的に応用することができる。物理現象を系統的・理論的に捉えて説明することができる。左記ができない。
評価項目2「力積」と「運動量の保存則」の関係を理解し,理論的に説明することができる。「力積」と「運動量の保存則」の関係を理解することができる。左記ができない。
評価項目3「等速円運動」と「単振動」に関する法則を理解し,回転・振動現象を定量的に説明できる。「等速円運動」と「単振動」に関する基本公式を用いて,回転運動・単振動の数値計算ができる。左記ができない。
評価項目4「熱力学第一法則」と「気体の状態変化」を理解し,関連した問題を解くことができる。「熱力学第一法則」と「気体の状態変化」を説明することができる。左記ができない。

学科の到達目標項目との関係

(C) 機械工学の基礎としての数学,自然科学の基礎学力を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
二年次に履修した『物理I』に引き続き,前期は「運動量の保存則」「等速円運動」「単振動」「万有引力」について学ぶ。後期は「熱とエネルギー」について学んだ後,物理実験を通して実験技術を身に付けると共に物理現象の法則性を実験データから読み解く能力を養う。
授業の進め方・方法:
講義・問題演習を主体とし,(前期)「物体のもつ運動量」「力積」「運動量保存則」「等速円運動」「単振動」「万有引力」,(後期)「熱と温度」「熱と仕事」「気体の状態変化」「熱力学第一法則」について順次学ぶ。
後期中間試験以降に行う物理実験では,力学/熱/波動の各分野に関する実験を行うことで物理的な考察・分析能力を養うことを目的とし,物理量の測定,現象の観察,レポート作成の技術を身に付ける。
状況により、感染症対策として一部を e-ラーニング形式の遠隔講義で実施する可能性もある。
注意点:
《他科目との関係》物理I(2年)の続きであるため、その知識は前提として進める。本科目は応用物理II(4年)の基礎となる科目である。
《評価基準について》シラバス末尾の「評価割合」に沿って評価を行い,総合評価50点以上を合格とする。定期試験問題は各達成目標に即した内容で,問題のレベルは教科書の問題および問題集の基本問題程度とする。ただし,前期中間試験は遠隔授業中の課題により評価する。
《物理実験の評価について》「評価割合」の「実験レポートI,II,III」では,各実験に対する取り組み姿勢・課題提出状況も加味して各分野の実験ごとに評価する。
◾️再試験について
総合評価で「不可」となった者のうち、総合評価成績が 40 点から 49 点かつレポート未提出がない学生に対してのみ、再試験(1回のみ)を実施する。

事前・事後学習、オフィスアワー

物理の基本公式を理解し応用できるようになるには具体的な問題に取り組み思考することが必要不可欠である。そのため本講義では,授業中の問題演習及びレポート課題に加えて,リードα 物理基礎・物理(数研出版)による自学自習を強く推奨している。
《オフィスアワー》講義日の16:00-17:00,その他随時。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 運動量 物体の質量と速度から運動量を求めることができる。
2週 運動量と力積 運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。
3週 運動量保存の法則 運動量保存則を理解して,説明することができる。
4週 運動量保存の法則 運動量保存則を応用して様々な物理量の計算に利用できる。
5週 反発係数 反発係数と弾性衝突,非弾性衝突の関係を理解して,説明できる。
6週 反発係数 反発係数を適用して,2物体の衝突現象の分析ができる。
7週 総合問題演習 力積,運動量保存則,反発係数に関連した物理諸量の基本的な問題を解くことができる。
8週 等速円運動の基本的性質 等速円運動の速度,角速度,回転数,加速度の説明ができる。
2ndQ
9週 向心力と遠心力 等速円運動する物体に働く向心力と,慣性力(見かけの力)である遠心力を説明できる。
10週 等速円運動する物体の記述 円錐振り子やカーブを回る物体の諸物理量(周期や角速度)を数値計算できる。
11週 単振動の基本性質 単振動の位置,速度,加速度を等速円運動と対比することで説明できる。
12週 ばねの運動・単振り子の運動 ばねに働く弾性力による運動が単振動になることを定量的に説明できる。また,振り子の等時性を定量的に説明できる。
13週 惑星の運動とケプラーの法則・万有引力の法則 惑星の運動に関するケプラーの3つの法則を定性的に理解できる。また,ニュートンが発見した万有引力を理解し,万有引力からケプラーの第三法則が導出できることを定量的に説明できる。
14週 万有引力と重力 万有引力と遠心力の合力が天体表面の重力となることを理解できる。
15週 万有引力の位置エネルギー 万有引力の位置エネルギーを定量的に理解し,第一,二宇宙速度を求めることができる。
16週
後期
3rdQ
1週 熱と温度 原子・分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。
2週 熱容量、比熱 熱平衡の概念が説明でき,物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。
3週 熱量保存則 熱量保存則を表す式を立て,物理諸量の計算ができる。
4週 熱と仕事 ジュールの実験や摩擦熱から,熱と仕事の関係を説明できる。
5週 ボイル・シャルルの法則,理想気体の状態方程式 ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて,気体の圧力,温度,体積に関する計算ができる。
6週 気体の内部エネルギー,熱力学第一法則 熱力学第一法則が説明でき,関連した問題を解くことができる。
7週 気体の状態変化 定積・定圧・等温・断熱変化について,熱力学第一法則や状態方程式を用いて理論的に説明することができる。
8週 熱機関と熱効率 熱機関と熱効率について,理論的に説明できる。
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを理解している。
4thQ
9週 総合問題演習
熱量保存則,気体の状態変化,熱力学第一法則に関する基本的な問題を解くことができる。
10週 物理実験ガイダンス 力学/熱/波動の実験の概要と,有効数字の概念とデータ解析手法を理解できる。
11週 力学の実験 台車を用いた二物体の等加速度運動についてv-tグラフを基に台車の加速度等を導出することができる。
12週 熱の実験 電熱線を用いたジュールの実験から熱の仕事当量を導出することできる。
13週 波動の実験 共鳴管を用いた閉館の共鳴実験から音叉の振動数を導出することができる。
14週 実験レポート作成Ⅰ 力学/熱/波動の各実験結果の考察およびレポート作成。
15週 実験レポート作成Ⅱ 再実験・補充実験とレポートの改訂。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
電場・電位について説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。3
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。3
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。3
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。3

評価割合

前期中間試験前期末試験後期中間試験実験レポートI実験レポートII実験レポートIII問題演習・出席態度合計
総合評価割合20202010101010100
基礎的能力1515155551070
専門的能力555555030
分野横断的能力00000000