応用物理Ⅰ(電気電子,化学・生物)

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 応用物理Ⅰ(電気電子,化学・生物)
科目番号 0105 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(機械コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 改訂版 総合物理2 (数研出版) / セミナー物理基礎+物理(第一学習社)
担当教員 大西 宏昌

到達目標

物理現象を系統的かつ論理的に考察し、身の回りの現象や理工学分野の課題解決に於いて応用できる能力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理現象を系統的かつ論理的に考察し、身の回りの現象や理工学分野の課題解決に於いて応用できる能力を養う。物理現象を公式を用いて記述することができる。物理現象を系統的に説明することができない。
評価項目2波動現象の基本法則(重ね合せ、干渉、回折、反射、屈折)を理解し、さまざまな波動現象(音波、光波)を定量的に説明できる。波動現象の基本法則(重ね合せ、干渉、回折、反射、屈折)を理解し、簡単な波動現象(音波、光波)を定性的に説明できると共に公式を用いた数値計算ができる。波動現象の基本法則(重ね合せ、干渉、回折、反射、屈折)に関する定性的な説明ができない。
評価項目3微視的世界における粒子の二重性について理解し,元素の周期律について説明できる.粒子の二重性について理解している.原子・分子等の微視的世界における物理現象と古典力学との違いについて理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
3年「物理」と並行して、波動分野(波の伝わり方と種類、重ね合わせの原理と波の干渉、波の反射・屈折・回折、音波・発音体、光波、レンズの公式)、原子の構造について学習する。
授業の進め方・方法:
授業形態は、講義、問題演習および演示実験である。
注意点:
物理の基本公式を理解し応用できるようになるには具体的な問題に取り組み思考することが必要不可欠である。その為、本講義ではセミナー物理基礎+物理(第一学習社)による自学自習を強く推奨している。
【評価方法・基準】
下記評価割合に沿って評価を行い、総合評価50点以上を合格とする。
試験問題は各達成目標に即した内容で、問題のレベルは教科書の問題および問題集の基本問題程度のものを出題する。
「その他」の項目では課題・レポート及び授業に対する取り組み姿勢を評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 波の性質・波の表し方とその要素 波長、周期、振動数、位相速度について説明できる。
2週 波の重ね合わせの原理と定常波 重ね合わせの原理を用いて2つの波の合成波、定常波の作図ができる。
3週 波の干渉 2つの波が干渉する時、互いに強め合う条件・打消し合う条件を説明できる。
4週 正弦波 波を表す正弦波の式と、波の位相を理解できる。
5週 ホイヘンスの原理と波の反射・屈折 ホイヘンスの原理を用いて反射・屈折を説明できる。
6週 波の屈折・回折 屈折の公式を活用して屈折波の物理量を求めることができる。また、回折現象を説明できる。
7週 音波・音の性質 音波の速さや、音波の反射・屈折・回折現象を説明できる。
8週 確認テスト 波の基本性質、正弦波の式、干渉、反射・屈折・回折が理解できている。
2ndQ
9週 弦の振動 弦の振動は横波であることを理解し、弦に生ずる定常波の性質を説明できる。
10週 気柱の振動 (1) 気柱の振動は縦波であることを理解し、共鳴現象を定量的に説明できる。
11週 気柱の振動 (2) 閉管、開管の定常波の振動数を定量的に求める事ができる。
12週 ドップラー効果 ドップラー効果の現象について説明できる。
13週 音波のドップラー効果(1) 音源が動く場合の音波の振動数の変化を定量的に説明できる。
14週 音波のドップラー効果(2) 観測者が動く場合の音波の振動数の変化を定量的に求めることができる。
15週 到達度確認問題演習 波動の基本や音波に関する基本的な問題を解くことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 光波・光の性質 光の速さや、光の反射・屈折・回折現象を説明できる。物体の浮き上がりや全反射の物理量を計算できる。
2週 波の分散・散乱現象 波長の違いによる分散現象により光のスペクトルや虹が得られることや、散乱現象により空が青くなる等を定性的に説明できる。
3週 光の干渉 ヤングの干渉実験の基本原理を理解し、明暗の縞模様ができる条件式を説明できる。
4週 レンズ(凸・凹レンズ) 凸レンズの写像公式を幾何光学の作図から説明できる。また、倍率等を求めることができる。
5週 レンズ(凸・凹レンズ) 凹レンズの写像公式を幾何光学の作図から説明できる。また、倍率等を求めることができる。
6週 光の回折 回折格子により明暗の縞模様ができる原理を説明できる。また、簡単な物理量の数値計算ができる。
7週 薄膜による干渉 薄膜による光の干渉に関する公式が導出できる。
8週 確認テスト 光の屈折、全反射、干渉、回折に関する基本的な問題を解くことができる。
4thQ
9週 ローレンツ力と電子 電場・磁場中の電子の運動について説明できる。
10週 光の粒子性 光量子仮説に基づき光電効果を説明できる。
11週 X線の粒子性と波動性 X線の結晶による回折とコンプトン効果について説明できる。
12週 粒子の波動性 ド・ブロイの物質波仮説に基づき,ミクロな物質の持つ粒子と波動の二重性について説明できる。
13週 原子の構造とエネルギー準位 ボーアの原子模型に基づき,水素原子のエネルギー準位を導出できる。
14週 原子核と放射線 原子核の構造と放射線の発生メカニズムを定性的に説明できる。
15週 核反応と核エネルギー 質量とエネルギーの等価性に基づき,核反応における核エネルギーの計算ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4
静電エネルギーを説明できる。4
電子工学原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3
計測SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4

評価割合

前期末試験学年末試験確認テスト(2回)学習到達度試験その他合計
総合評価割合2020301020100
基礎的能力151530101585
専門的能力5500515
分野横断的能力000000