電子工学

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電子工学
科目番号 0038 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気・電子コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 半導体デバイス工学(森北出版)
担当教員 内山 潔

到達目標

現代社会を支える半導体材料とそれを応用した種々のデバイスについて、その構造や動作原理を理解し定量的に解析できる知識を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体の物性について定量的に説明できる。半導体の物性について定性的に説明できる。半導体の物性を説明できない。
評価項目2種々の半導体デバイスの構造や動作原理を理解し、それらを定量的に解析できる。種々の半導体デバイスの構造や動作原理を定性的に理解できる。半導体デバイスの構造や動作原理を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。   説明 閉じる

教育方法等

概要:
半導体デバイスは現代社会を支える根幹となる電子デバイスであるが、本授業ではそれらの構造や動作原理について定量的に解説する。定期試験80点、レポート・小テスト等15点、出席・授業態度5点で評価し、計50点以上を合格とする。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を行ない、その内容確認のため適宜レポートを課すので、予習より復習に力を入れて学習すること。
注意点:
本科目は電気主任技術者認定の習得科目である。定期試験の難易度は例題および章末問題程度とするので、それらを自力で解けるように復習すること。レポートが写しと判断した課題は誰がオリジナルであろうと大幅に減点する。また定期試験には関数電卓は必要なので必ず持参すること。

事前・事後学習、オフィスアワー

自習については特に復習に力を入れて学習すること。オフィースアワーは授業当日の16時から17時を基本とするが、他の時間であっても在室時には随時対応する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 半導体の諸性質1 半導体とは何かを理解できる。
2週 半導体の諸性質2 種々の半導体の特徴について理解できる。
3週 電気的性質1 エネルギーバンド構造について理解できる。
4週 電気的性質2 電子の状態密度と分布関数について理解できる。
5週 電気的性質3 半導体中のキャリア密度について理解できる。
6週 半導体の電気伝導1 移動度、キャリア密度と抵抗率の関係を理解できる。
7週 半導体の電気伝導2 ホール効果について理解できる。
8週 中間試験 1-7週で学んだ内容を理解し、定量的に解析できる。
2ndQ
9週 中間試験解説 中間試験の内容を理解できる。
10週 半導体の電気伝導3 拡散電流について理解できる。
11週 pn接合ダイオード1 pn接合を定性的に理解できる。
12週 pn接合ダイオード2 pn接合を定量的に理解できる。
13週 pn接合ダイオード3 pn接合の空乏層容量と降伏を理解できる。
14週 ショットキーダイオード1 金属-半導体接触を定性的に理解できる。
15週 ショットキーダイオード2 金属-半導体接触を定量的に理解できる。
16週
後期
3rdQ
1週 種々のダイオード 発光ダイオード等の種々のダイオードについて理解できる。
2週 バイポーラトランジスタ1 バイポーラトランジスタの構造と接地方法を理解し、説明できる。
3週 バイポーラトランジスタ2 バイポーラトランジスタの動作原理をバンド構造を用いて説明できる。
4週 バイポーラトランジスタ3 バイポーラトランジスタの電流増幅率について理解し、定量的な説明ができる。
5週 バイポーラトランジスタ4 バイポーラトランジスタの性特性を理解し、説明できる。
6週 種々のバイポーラデバイス1 HBTや電力制御デバイスの動作原理を理解し、説明できる。
7週 種々のバイポーラデバイス2 HBTや電力制御デバイスの動作原理を理解し、説明できる。
8週 中間試験 1-7週で学んだ内容を理解し、定量的に解析できる。
4thQ
9週 中間試験解説 中間試験の範囲を理解できる。
10週 MOS形トランジスタ1 MOSキャパシタについて理解できる。
11週 MOS形トランジスタ2 MOSキャパシタの動作原理を理解できる。
12週 MOS形トランジスタ3 MOSFETの動作原理を理解できる。
13週 その他ユニポーラデバイス 他のユニポーラデバイスの特徴を理解し、説明できる。
14週 集積回路1 基本的な集積回路(cMOS回路等)について理解できる。
15週 集積回路2 集積回路の作製方法について概要を理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4
FETの特徴と等価回路を説明できる。4
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4前2,前3,前4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4前3,前4,前5
原子の構造を説明できる。3前1,前2
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3前2,前3
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4前3,前4,前5
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3前2,前6
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4前1,前2
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4前3,前4,前5
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4前11,前12,前13
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4後3,後4,後5,後6
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4後10,後11,後12,後13,後14

評価割合

試験レポート・小テスト態度合計
総合評価割合80155100
基礎的能力3510550
専門的能力355040
分野横断的能力100010