電気電子材料

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気電子材料
科目番号 0073 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気・電子コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 新インターユニバーシティ 電気電子材料,鈴置保雄 編著,オーム社
担当教員 内山 潔,正村 亮

到達目標

1. 各種材料(導電材料、半導体材料、誘電材料、磁性材料)の基礎物性を説明できる。
2. 各種材料の特性、原理を作図等により自分の言葉で説明できる。
3. 各種材料が日常の製品でどのように使われているか、応用・活用事例を示すことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種材料の基礎物性を説明でき、関連した計算問題を解くことができる。各種材料の基礎物性を説明できる。各種材料の基礎物性を説明できない。
評価項目2各種材料の特性、原理を作図等により自分の言葉で説明できる。各種材料の特性、原理を作図等により説明できる。各種材料の特性、原理を説明できない。
評価項目3各種材料が日常の製品でどのように使われているか、応用・活用事例を示すことができ、その原理を理解できる。各種材料が日常の製品でどのように使われているか、応用・活用事例を示すことができる。各種材料が日常の製品でどのように使われているか、応用・活用事例を示すことができない。

学科の到達目標項目との関係

(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。   説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義では固体物質に共通する基本的事項を学習した後、現在理論的にも実用的にも重要と思われる半導体の基礎物性とpn 接合、誘電材料、磁性材料の基礎物性を中心に学習する。この科目は、企業で電気電子材料開発を担当していた教員がその経験を生かし、電気電子材料の基礎等について、講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
講義形式の授業である。年4回の定期試験の合計を70%とし、レポートや小テストを20%、受講態度・学習への取り組み方10 %を総合的に評価し、総合評価60 点以上を合格とする。各試験は、各到達目標に対応した内容の問題を出題する。試験問題のレベルは、各到達目標が確認できる程度とする。
注意点:
電気主任技術者認定の必修科目である。
・授業中の居眠りや許可なく携帯電話・スマートフォン・タブレット端末を使用した場合、最終評価点から減点する。
・写しと判断した課題は誰がオリジナルであろうと大きく減点する。

事前・事後学習、オフィスアワー

自習については特に復習に力を入れて学習すること。オフィースアワーは授業当日の16時から17時を基本とするが、他の時間であっても在室時には随時対応する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
電気・電子材料の学び方
原子の構造と電子の振る舞い、その相互関係を理解できる。
2週 電気・電子材料の基礎 パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。
3週 電気・電子材料の基礎 原子の構造を説明できる。
4週 電気・電子材料の基礎 結晶構造と空間格子、格子欠陥を理解できる。
5週 電気・電子材料の基礎 X線構造解析の原理を理解できる。
6週 電気・電子材料の基礎 結晶中の電子のエネルギーについて理解できる。
7週 電気・電子材料の基礎 結晶、エネルギーの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
8週 中間試験 材料の物性について包括的に理解できる。
2ndQ
9週 答案返却、解答解説
半導体材料の性質
誤答したところを理解できる。
半導体材料の特性と帯構造を理解できる。
10週 半導体材料の性質 半導体の電気伝導を理解し、説明できる。
11週 半導体材料の性質 半導体のエネルギーバンド図を説明できる。
12週 半導体材料のデバイス応用 pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。
13週 電気を通す導電材料とその性質 金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。
14週 電気を通す導電材料とその性質 超伝導現象を理解し、説明できる。特殊な導電材料を理解できる。
15週 期末試験 前期の内容を包括的に理解できている。
16週 答案返却、解答解説 誤答したところを理解できる。
後期
3rdQ
1週 誘電体とその応用 誘電体の性質を理解できる。
2週 誘電体とその応用 誘電分極を理解し、その各種特性を説明できる。
3週 誘電体とその応用 誘電分極を理解し、その各種特性を説明できる。
4週 誘電体とその応用 強誘電体の特性とその電気伝導について理解し、説明できる。
5週 絶縁材料とその性質 絶縁体の性質を理解できる。
6週 絶縁材料とその性質 絶縁体の電気伝導について理解できる。
7週 レアメタルとレアアースについて
レアメタル、レアアースとは何かを理解できる。
8週 中間試験 誘電体、レアメタル、レアアースについて包括的に理解できる。
4thQ
9週 答案返却、解答解説
磁性材料の基礎
誤答したところを理解できる。
磁性の起源より磁性材料の性質を理解できる。
10週 磁性材料の基礎 磁性体と磁化及び磁束密度を理解できる。
磁気モーメントについて理解できる。
11週 磁性材料の基礎 5種類の磁性(反磁性、常磁性、強磁性、反強磁性、フェリ磁性)を理解できる。
12週 磁性材料の基礎 磁壁構造とエネルギー、磁区構造を理解できる。
13週 さまざまな磁性材料とその応用 磁性材料の応用分野について理解できる。
14週 さまざまな磁性材料とその応用 磁性材料の応用分野について理解できる。
15週 期末試験 本科目について包括的に理解できている。
16週 答案返却、解答解説 誤答したところを理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
原子の構造を説明できる。4前2
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4前6
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4前2,前7
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4前11
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4前6,前12
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4前3,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート・小テスト等合計
総合評価割合700010020100
基礎的能力25001001045
専門的能力2500001035
分野横断的能力200000020