通信工学

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 通信工学
科目番号 0074 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気・電子コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 書名:通信工学概論、著者:山下不二雄/中神隆清、発行所:森北出版
担当教員 保科 紳一郎

到達目標

1.電気通信の基本的な基本構成・データ量の計算ができる。
2.アナログ信号の周波数領域の取り扱いと変調方式が理解できる。
3.ディジタル信号の周波数領域の取り扱いと変調方式が理解できる。
4.信号の多重化の概念を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1通信工学の基本構成からデータ量や故障率等の数値を算出できる。通信工学の基本的な概念を理解できる。通信工学の基本的な概念を理解できていない。
評価項目2周波数領域と時間領域の変換ができその性質を理解できる。アナログ/ディジタル信号の周波数領域/時間領域での変換ができる。アナログ/ディジタル信号の周波数領域/時間領域での変換ができない。
評価項目3変調方式の違いと特徴を理解できる。必要なパラメータの算出ができる。アナログ/ディジタル変調の概念が理解できる。アナログ/ディジタル変調の概念が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。   説明 閉じる

教育方法等

概要:
 情報伝送に関連する基礎的な情報理論、数学、電子・電子回路等を学ぶ。
 確率と情報量の関係、通信網の形態等の通信システムに関連する基本的な概念を理解する。アナログ・ディジタル信号伝送に欠かせない各種変調・復調について学び、同時に、それらに関連するフーリエ解析などの数学的な手法につても簡単に触れる。
授業の進め方・方法:
 講義形式の授業を行う。成績の評価は前期の評価(45%)、後期(45%)、受講態度(主に出席10%)とする。
 前期の評価45%の内訳を次のようにする。前期中間試験25%、前期末試験20%。
 後期の評価45%の内訳は次のとおりである。後期中間試験25%、学年末試験20%。
 各期間における試験の出題範囲は各期間内で行った講義の内容とする。試験問題は授業で取り上げた例題、教科書中の例題そして章末問題と同程度である。
注意点:

事前・事後学習、オフィスアワー

【オフィスアワー】授業実施日の12:00~12:40、16:00~17:00
※会議等で不在となることがあるので、事前に教員の予定を聞いておくことを薦める。実施日、時間は柔軟に対応する。
 e-ラーニング形式での授業では講義中/後に随時課題の提出を求める。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電気通信システムの基本的構成(1) アナログ,ディジタル電気信号の概要,通信システムの基本的な構成と構成要素の役割について理解できる。
2週 電気通信システムの基本的構成(2) 通信網の基本形態を理解できる。通信システムの安定基準を評価する稼働率の概念を理解できる。
3週 情報の表現(1) 画像情報の基本的な構成が理解できる。
ランレングス法を例にエントロビー符号化について理解できる。
4週 情報の表現(2) 情報量の概念が理解できる。
情報量が計算できる。
シャノンの式の意味を理解できる。
5週 情報の表現(2) 動画像の代表的な表現手法を理解できる。
データ伝送の際に必要となる同期を理解できる。
6週 信号の周波数領域での表現(1) 信号の特徴と適切なフーリエ解析手法との関係を理解できる。
周期波形のフーリエ級数展開を理解できる。
7週 信号の周波数領域での表現(2) 簡単な周期波形えのフーリエ級数展開ができる。
フーリエ級数展開の基本的な性質を理解できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 信号の周波数領域での表現(3) 非周期信号を取り扱うフーリエ変換を理解できる。
10週 信号の周波数領域での表現(4) 簡単な波形にフーリエ変換を適用できる。
フーリエ変換にかかわる代表的な定理を理解できる。
11週 信号の周波数領域での表現(5) フーリエ変換および定理を利用して簡単な信号のフーリエ変換ができる。
12週 アナログ信号の変調
AM変調(1)
変調の必要性を理解できる。
AM変調波の数式を理解できる。
AM変調波のスペクトルを理解できいる。
13週 アナログ信号の変調
AM変調(2)
AM変調波の電力を計算できる。
AM変調の種類(BSB、SSB)と特徴を理解できる。
AM変調のSN比を理解できる。
14週 アナログ信号の変調
AM変調(3)
トランジスタ・ダイオードを使ったAM変調回路の動作を理解できる。
復調回路の動作を理解できる。
15週 アナログ信号の変調
AM変調(4)
回路図やブロック図で表されるBSB、SSB変調回路の各種方式の動作を理解できる。
16週
後期
3rdQ
1週 アナログ信号の変調
角度変調(1)
FM、PMを含む角度変調の概念を理解できる。
角度変調の数式を理解できる。
2週 アナログ信号の変調
角度変調(2)
FM、PM変調の相違点と類似点を理解できる。
角度変調の数式を理解できる。
3週 アナログ信号の変調
角度変調(3)
角度変調の周波数スペクトルを理解できる。
角度変調での占有周波数帯域幅を計算できる。
4週 アナログ信号の変調
角度変調(4)
角度変調波の電力を計算できる。
角度変調のSN比しAM変調の場合と比較してその特徴を理解できる。
5週 アナログ信号の変調
角度変調(5)
角度変調回路の変調・復調回路の動作原理を理解できる。
6週 アナログ信号の変調
パルス変調(1)
パルス振幅変調(PAM)の概念を理解できる。
標本化定理の必要性を理解できる。
7週 アナログ信号の変調
パルス変調(2)
サンプルホールド回路の動作原理を理解できる。
PAM波の周波数スペクトルを導出できる。
他のパルス変調(PWM、PPM)の概念および特徴を理解できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 ディジタル信号の変調(1) パルス符号変調(PCM)の概念が理解できる。
標本化定理を理解できる。
10週 ディジタル信号の変調(2) 量子化・符号化の概念を理解できる。
量子化に伴う量子化誤差を理解できる。
11週 ディジタル信号の変調(3) 各種符号化の特徴を理解できる。
標本化周期とPCM信号の周期との関係を理解できる。
各種ディジタル変調方式(ASK、OOK、FSK、PSK方式)の違いと特徴を理解できる。
12週 信号の多重化(1) 多重化の概念を理解できる。
周波数分割多重(FDM)、時間分割多重(TDM)の原理と特徴を理解できる。

13週 信号の多重化(2) 符号分割多重(CDM)の原理と特徴を理解できる。
スペクトル拡散変調、創刊検出の概念を理解できる。
14週 通信に伴う雑音(1) 信号の明瞭さの表現SN比を理解できる。
雑音の種類を理解できる。
15週 通信に伴う雑音(2) 雑音指数NFを理解できる。
増幅器の利得とNFの関係を理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90001000100
基礎的能力0000000
専門的能力90001000100
分野横断的能力0000000