電気磁気学Ⅱ

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気磁気学Ⅱ
科目番号 0108 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気・電子コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書 書名:基礎電気・電子工学シリーズ 電磁気学、著者:安達三郎、大貫繁雄、出版社:森北出版 / 参考書 書名:工学系の基礎電磁気学、著者:W.H. ヘイ、出版社:朝倉出版
担当教員 保科 紳一郎

到達目標

【到達目標】
1.ビオサバールの法則、アンペアの法則を使って簡単な電流分布の静磁界の磁束密度を計算できる。
2.電流又は移動する電荷に静磁界が及ぼす力を計算できる。
3.磁性体の性質を説明できる。
4.磁気回路を作り計算できる。磁性体中の磁界の強さを計算できる。
5.コイルや直線導体に生じる誘導起電力を計算できる。
6.自己・相互インダクタンスを計算できる。
7.磁界のエネルギーやマックスウェルの応力を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1教科書の章末レベルの問題に適用できる。ビオサバールの法則、アンペアの法則を使って簡単な電流分布の静磁界の磁束密度を計算できる。使って簡単な電流分布の静磁界の磁束密度を計算できない。
評価項目2教科書の章末レベルの問題に適用できる。 電磁誘導現象を理解してファラディーの法則を利用することができる。 電磁誘導現象を理解してファラディーの法則を利用することができない。
評価項目3教科書の章末レベルの問題に適用できる。磁界のエネルギーとマックスウェルの応力を利用することができる。磁界のエネルギーとマックスウェルの応力を利用することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 電気磁気学の中で主に静磁界、電磁誘導に関連した内容について講義する。静磁界は二年生で学んだ静電界と良く対応している部分が多い。そこで始めに静電界と磁界との対応関係を示しながら、静磁界を表す基本法則を理解する。次に磁性体中における磁界の様子を示す。最後に変化する磁界により生じる電磁誘導について学ぶ。各節終了後、対応する章末問題に取り組むことが望まれる。
授業の進め方・方法:
 授業携帯はは講義が主体である。
 前期中間試験20%、前期末試験25%、後期中間試験25%、学年末試験20%、出席状況10%で達成
を総合的に評価する。総合評価50点以上を合格とする。各期間における試験の出題範囲は各期間内で行った講義の内容とする。試験問題は教科書中の例題や章末問題と同程度である。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 真空中の静磁界 電流の作る磁束、磁束密度を理解できる。磁束密度とローレンツ力の関係を式・図で理解できる。
2週 電流による磁界と磁束(1) アンペアの右ねじの法則が理解できる。
磁束密度のガウスの法則が理解できる。
3週 電流による磁界と磁束(2) ビオサバールの法則が理解できる。
有限長直線電流の作る磁束密度分布を導出する過程が理解できる。
4週 電流による磁界と磁束(3) ビオサバールの法則を使って円形ループ電流の作る磁束密度分布を導出する過程を理解できる。
5週 電流による磁界と磁束(4) アンペアの周回積分の法則が理解できる。
磁束と電流の鎖交関係を理解できる。
アンペアの周回積分の法則を使って無限長直線電流の作る磁束密度分布をめる過程を理解できる。
6週 電流による磁界と磁束(5) アンペアの周回積分の法則を使って、無限長円柱状電流の作る磁束密度分布を求める過程を理解できる。
7週
8週 中間試験
2ndQ
9週 電流による磁界と磁束(6) アンペアの周回積分の法則を使って、無限長平板、空芯ソレノイドを流れる得る電流の作る磁束密度分布を求める過程を理解できる。
10週 電流による磁界と磁束(7) アンペアの周回積分の法則を使って、無限長ソレノイドを流れる得る電流の作る磁束密度分布を求める過程を理解できる。
11週 電磁力(1) ローレンツ力の式を理解できる。
平行導線・矩形ループ電流に働く力を導出する過程を理解できる。
12週 電磁力(2) ループ電流に働くトルクの概念を理解できる。
矩形ループ電流に働くトルクを計算する過程を理解できる。

13週 磁性体(1) 磁性体の分類を理解できる。
磁化の強さと表面磁化電流の関係を理解できる。
14週 磁性体(2) 磁界の強さHの定義を理解できる。
磁性体中の磁界の強さ、磁化の強さ、磁束密度の関係を理解できる。
15週 磁性体(3) 磁界の境界条件を理解できる。
16週
後期
3rdQ
1週 磁気回路 起磁力、磁気抵抗を計算できる。
磁気回路とオームの法則の関係を理解できる。
2週 強磁性体の磁化(1) 磁化曲線と保持力等の代表値を読み取ることがきる。
磁気回路と磁化曲線の関係を表すことができる。
3週 強磁性体の磁化(2) 磁気回路と磁化曲線の関係から、磁気回路中の磁束密度を計算する過程を理解できる。
4週 磁石と磁極 磁化の強さと磁極の関係を理解できる。
磁界の強さと電束密度との対応関係を理解できる。
5週 電磁誘導(1) ファラディの法則を理解できる。
閉回路を貫く磁束の変化の変化により生じる誘導起電力を理解できる。
6週 電磁誘導(2) 磁界中を移動する胴体に生じる誘導起電力を導出する過程を理解できる。
7週 電磁誘導(3) 渦電流、表皮効果などの誘導起電力により生じる諸現象を理解できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 自己・相互インダクタンス(1) 自己インダクタンスの定義を理解できる。
自己誘導を理解できる。
10週 自己・相互インダクタンス(2) 相互インダクタンスの定義を理解できる。
相互誘導を理解できる。
11週 磁界のエネルギー 磁界のエネルギーを理解できる。
インダクタンスの持つ自己インダクタンスと磁界のエネ卯木ーの関係を理解できる。
12週 磁界のエネルギーと自己インダクタンス(1) 磁界のエネルギーと自己インダクタンスの関係を理解できる。
13週 磁界のエネルギーと自己インダクタンス(2) 磁気回路を取り上げ、磁界のエネルギーと自己インダクタンスの関係を理解できる。
14週 磁界のエネルギーと自己インダクタンス(3) 電流の流れる導線を取り上げ、磁界のエネルギーと自己インダクタンスの関係を理解できる。
15週 マックスウェルの応力 磁界のエネルギーとマックスウェルの応力の関係を理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。3
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。3
磁界中の電流に作用する力を説明できる。3
ローレンツ力を説明できる。3
磁気エネルギーを説明できる。3
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3
自己誘導と相互誘導を説明できる。3
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90001000100
基礎的能力0000000
専門的能力90001000100
分野横断的能力0000000