到達目標
1. 火力,水力,原子力発電の原理について説明できる.
2. 電気エネルギー発生に伴う環境への影響とその対策,再生可能エネルギーによる発電の原理を説明できる.
3. 発生した電気エネルギーを変電する方法を説明できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 火力,水力,原子力発電の原理について説明ができ,各発電に関する計算問題を解くことができる. | 火力,水力,原子力発電の原理について説明できる. | 火力,水力,原子力発電の原理について説明できない. |
評価項目2 | 電気エネルギー発生に伴う環境へ与える影響とその対策を説明でき,再生可能エネルギー発電の原理を説明できる. | 電気エネルギー発生に伴う環境へ与える影響とその対策を説明できる. | 電気エネルギー発生に伴う環境へ与える影響とその対策を説明できない. |
評価項目3 | 変電所の目的を説明でき,構成する設備,機能について説明できる. | 変電所の目的を説明できる. | 変電所の目的を説明できない. |
学科の到達目標項目との関係
(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。
説明
閉じる
教育方法等
概要:
水力発電,火力発電および原子力発電等の発電方法・設備について学習する.また,これら電気エネルギー発生に伴う環境への影響についても触れる.そして,環境に優しい発電方法として太陽光発電・風力発電など再生可能エネルギーについても学習する.
授業の進め方・方法:
講義(対面)形式の授業である.また,後期中間の時期にアクティブラーニング形式の講義を数週行う.定期試験(前期中間試験20 %,前期末試験20 %,後期中間試験20 %,卒業試験20 %),アクティブラーニング時の取り組みとその報告書10 %,受講態度・学習への取り組み方10 %を総合的に評価し,総合評価60 点以上を合格とする.ただし,コロナ対応により遠隔授業によるe-ラーニング形式で講義を行う可能性もある.その場合,後期のアクティブラーニングは実施せず,課題レポートの提出と置き換えるものとする.また,遠隔講義の場合,定期試験の評価は授業中の課題による評価に替わる場合もある.
各試験は,各到達目標に対応した内容の問題を出題する.試験問題のレベルは,各到達目標が確認できる程度とする.
注意点:
電気主任技術者認定の必修科目である.
・講義形式の際は授業中の居眠りや許可なく携帯電話・スマートフォン・タブレット端末を使用した場合,最終評価点から減点する.
・写しと判断した課題は誰がオリジナルであろうと0点とする.
事前・事後学習、オフィスアワー
【オフィスアワー】16:00-17:00(遠隔授業中はTeamsにて対応する)
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス(講義概要,シラバスの説明) |
本講義の実施方法を理解できる.
|
2週 |
発変電の概要 |
日本の電力エネルギー発生の歴史的変遷を説明できる.
|
3週 |
水力発電の基礎 |
水のエネルギーを算出する基となるベルヌーイの定理を用いて基礎的な計算ができる.
|
4週 |
水車の出力と効率 |
水車の理論出力が計算でき,総合効率に影響を与える要因を説明できる.
|
5週 |
水力設備 |
水力設備の名称と特徴的な機能を説明できる.
|
6週 |
水車の種類と付属装置 |
水車の種類と特徴,付属設備の名称,機能および関連する専門用語を説明できる.
|
7週 |
水車発電機と電気設備・揚水発電・運転・保守 |
水力発電機の分類,揚水発電の目的,実用化状況等を説明できる.
|
8週 |
中間試験 |
|
2ndQ |
9週 |
答案返却,解答解説 火力発電所の仕組み・種類と熱力学
|
誤答したところを理解できる. 火力発電の系統図,種類,熱サイクルの理解に必要な熱力学の基礎を説明できる.
|
10週 |
熱サイクル ボイラ及び付属設備 |
熱サイクルの名称とその特徴を説明できる. ボイラとその付属設備の名称,機能を説明できる.
|
11週 |
蒸気タービン及び付属設備 |
蒸気タービンの種類,特徴およびその付属設備の名称,機能について説明できる.
|
12週 |
タービン発電機と電気設備 |
タービン発電機形式,冷却形式,電気設備の名称,機能を説明できる.
|
13週 |
発電効率と熱効率 |
火力発電の発電効率及び熱効率について理解でき,熱効率向上対策を説明できる.
|
14週 |
火力発電の環境対策
|
火力発電における環境対策を説明できる.
|
15週 |
期末試験 |
前期の内容を包括的に理解できている.
|
16週 |
|
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
原子力発電の仕組み |
原子力発電の仕組みを説明できる.
|
2週 |
核反応,核エネルギー |
原子の放出エネルギーおよび核分裂,核融合を説明できる.
|
3週 |
原子炉 |
原子炉の反応原理,構成要素と機能,材料,種類と特徴を説明できる.
|
4週 |
原子力発電所の主要設備 |
原子力発電所の主要設備の特徴を説明できる.
|
5週 |
原子燃料の再処理 原子燃料サイクル |
原子燃料の再処理方法を説明できる. 原子燃料サイクルを説明できる.
|
6週 |
原子力発電の運転・保守・管理 |
原子力発電所運転時における保守・管理上の安全防護設備・システムを説明できる.
|
7週 |
新しい発電と電力貯蔵1 |
風力発電,地熱発電,天然ガス発電における利点と今後の課題について説明できる.
|
8週 |
新しい発電と電力貯蔵2 |
海洋発電,太陽光発電,太陽熱発電における利点と今後の課題について説明できる.
|
4thQ |
9週 |
中間試験 |
|
10週 |
答案返却,解答解説 発変電の仕組み |
誤答したところを理解できる. 発変電の目的,仕組みについて説明できる.
|
11週 |
変電所の設備1 |
変電所を構成している設備,設備の名称,機能について説明できる.
|
12週 |
変電所の設備2 |
変電所を構成している設備,設備の名称,機能について説明できる.
|
13週 |
変電所の設備3 |
変電所を構成している設備,設備の名称,機能について説明できる.
|
14週 |
変電所の運転・保守・管理 |
変電所の運転に関する安全の基本について説明できる.
|
15週 |
期末試験 |
本科目について包括的に理解できている.
|
16週 |
|
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 4 | |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前4 |
電力 | 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。 | 4 | 後12,後13,後14,後15 |
同期機の原理と構造を説明できる。 | 4 | |
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。 | 4 | 後12,後13,後14,後15 |
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。 | 4 | 後12,後13,後14,後15 |
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。 | 4 | 後12,後13,後14,後15 |
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。 | 4 | 後11 |
電力システムの経済的運用について説明できる。 | 4 | 後11 |
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7 |
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。 | 4 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。 | 4 | 後8,後9,後10 |
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。 | 4 | 前7,前15,後7 |
評価割合
| 前期中間試験 | 前期末試験 | 後期中間試験 | 卒業試験 | アクティブラーニング | 受講態度 | 合計 |
総合評価割合 | 20 | 20 | 20 | 20 | 10 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 5 | 5 | 5 | 5 | 0 | 10 | 30 |
専門的能力 | 10 | 10 | 10 | 10 | 0 | 0 | 40 |
分野横断的能力 | 5 | 5 | 5 | 5 | 10 | 0 | 30 |