発変電工学

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 発変電工学
科目番号 0136 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気・電子コース) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 発変電工学総論,財満栄一 著,電気学会 / 発電・変電,道上勉 著,電気学会
担当教員 森谷 克彦

到達目標

1. 火力,水力,原子力発電の原理について説明できる.
2. 電気エネルギー発生に伴う環境への影響とその対策,再生可能エネルギーによる発電の原理を説明できる.
3. 発生した電気エネルギーを変電する方法を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1火力,水力,原子力発電の原理について説明ができ,各発電に関する計算問題を解くことができる.火力,水力,原子力発電の原理について説明できる.火力,水力,原子力発電の原理について説明できない.
評価項目2電気エネルギー発生に伴う環境へ与える影響とその対策を説明でき,再生可能エネルギー発電の原理を説明できる.電気エネルギー発生に伴う環境へ与える影響とその対策を説明できる.電気エネルギー発生に伴う環境へ与える影響とその対策を説明できない.
評価項目3変電所の目的を説明でき,構成する設備,機能について説明できる.変電所の目的を説明できる.変電所の目的を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。   説明 閉じる

教育方法等

概要:
 水力発電,火力発電および原子力発電等の発電方法・設備について学習する.また,これら電気エネルギー発生に伴う環境への影響についても触れる.そして,環境に優しい発電方法として太陽光発電・風力発電など再生可能エネルギーについても学習する.
授業の進め方・方法:
 講義(対面)形式の授業である.また,後期中間の時期にアクティブラーニング形式の講義を数週行う.定期試験(前期中間試験20 %,前期末試験20 %,後期中間試験20 %,卒業試験20 %),アクティブラーニング時の取り組みとその報告書10 %,受講態度・学習への取り組み方10 %を総合的に評価し,総合評価60 点以上を合格とする.ただし,コロナ対応により遠隔授業によるe-ラーニング形式で講義を行う可能性もある.その場合,後期のアクティブラーニングは実施せず,課題レポートの提出と置き換えるものとする.また,遠隔講義の場合,定期試験の評価は授業中の課題による評価に替わる場合もある.
 各試験は,各到達目標に対応した内容の問題を出題する.試験問題のレベルは,各到達目標が確認できる程度とする.
注意点:
電気主任技術者認定の必修科目である.
・講義形式の際は授業中の居眠りや許可なく携帯電話・スマートフォン・タブレット端末を使用した場合,最終評価点から減点する.
・写しと判断した課題は誰がオリジナルであろうと0点とする.

事前・事後学習、オフィスアワー

【オフィスアワー】16:00-17:00(遠隔授業中はTeamsにて対応する)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(講義概要,シラバスの説明) 本講義の実施方法を理解できる.
2週 発変電の概要 日本の電力エネルギー発生の歴史的変遷を説明できる.
3週 水力発電の基礎 水のエネルギーを算出する基となるベルヌーイの定理を用いて基礎的な計算ができる.
4週 水車の出力と効率 水車の理論出力が計算でき,総合効率に影響を与える要因を説明できる.
5週 水力設備 水力設備の名称と特徴的な機能を説明できる.
6週 水車の種類と付属装置 水車の種類と特徴,付属設備の名称,機能および関連する専門用語を説明できる.
7週 水車発電機と電気設備・揚水発電・運転・保守 水力発電機の分類,揚水発電の目的,実用化状況等を説明できる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 答案返却,解答解説
火力発電所の仕組み・種類と熱力学
誤答したところを理解できる.
火力発電の系統図,種類,熱サイクルの理解に必要な熱力学の基礎を説明できる.
10週 熱サイクル
ボイラ及び付属設備
熱サイクルの名称とその特徴を説明できる.
ボイラとその付属設備の名称,機能を説明できる.
11週 蒸気タービン及び付属設備 蒸気タービンの種類,特徴およびその付属設備の名称,機能について説明できる.
12週 タービン発電機と電気設備 タービン発電機形式,冷却形式,電気設備の名称,機能を説明できる.
13週 発電効率と熱効率 火力発電の発電効率及び熱効率について理解でき,熱効率向上対策を説明できる.
14週 火力発電の環境対策
火力発電における環境対策を説明できる.
15週 期末試験 前期の内容を包括的に理解できている.
16週
後期
3rdQ
1週 原子力発電の仕組み 原子力発電の仕組みを説明できる.
2週 核反応,核エネルギー 原子の放出エネルギーおよび核分裂,核融合を説明できる.
3週 原子炉 原子炉の反応原理,構成要素と機能,材料,種類と特徴を説明できる.
4週 原子力発電所の主要設備 原子力発電所の主要設備の特徴を説明できる.
5週 原子燃料の再処理
原子燃料サイクル
原子燃料の再処理方法を説明できる.
原子燃料サイクルを説明できる.
6週 原子力発電の運転・保守・管理 原子力発電所運転時における保守・管理上の安全防護設備・システムを説明できる.
7週 新しい発電と電力貯蔵1 風力発電,地熱発電,天然ガス発電における利点と今後の課題について説明できる.
8週 新しい発電と電力貯蔵2 海洋発電,太陽光発電,太陽熱発電における利点と今後の課題について説明できる.
4thQ
9週 中間試験
10週 答案返却,解答解説
発変電の仕組み
誤答したところを理解できる.
発変電の目的,仕組みについて説明できる.
11週 変電所の設備1 変電所を構成している設備,設備の名称,機能について説明できる.
12週 変電所の設備2 変電所を構成している設備,設備の名称,機能について説明できる.
13週 変電所の設備3 変電所を構成している設備,設備の名称,機能について説明できる.
14週 変電所の運転・保守・管理 変電所の運転に関する安全の基本について説明できる.
15週 期末試験 本科目について包括的に理解できている.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4前4
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4後12,後13,後14,後15
同期機の原理と構造を説明できる。4
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4後12,後13,後14,後15
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4後12,後13,後14,後15
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4後12,後13,後14,後15
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4後11
電力システムの経済的運用について説明できる。4後11
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4後8,後9,後10
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4前7,前15,後7

評価割合

前期中間試験前期末試験後期中間試験卒業試験アクティブラーニング受講態度合計
総合評価割合202020201010100
基礎的能力555501030
専門的能力101010100040
分野横断的能力555510030