応用物理Ⅱ(化学・生物)

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用物理Ⅱ(化学・生物)
科目番号 0171 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気・電子コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 高専の応用物理 第2版 小暮・潮・中岡(森北出版) /参考書 物理学 小出昭一郎(裳華房)
担当教員 大西 宏昌

到達目標

物理現象を系統的かつ論理的に考察し、身の回りの現象や理工学分野の課題解決に於いて応用できる能力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理現象を基本法則や原理に基づき論理的に考えることができる。物理現象を公式を用いて記述することができる。物理現象を系統的に説明することができない。
評価項目2微分・積分を用いて質点や剛体の運動方程式を記述することで様々な運動を論理的に考察することができる。質点や剛体の運動方程式を微分・積分を用いて記述して、その解を計算できる。質点や剛体の運動方程式を微分・積分を用いて記述することができない。
評価項目3力学系の振動・波動現象、を系統的に説明できる。力学系の運動方程式を定性的に説明できる。単振動や波動の方程式を定性的に説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期は微分・積分等の数学的手法を活用して「質点の力学」、「単振動、減衰振動」、「力学的エネルギー」、「剛体の回転運動」を学ぶ。後期は「波動方程式と正弦波の式」、「減衰振動」、「原子」、「量子力学」について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業形態は講義・問題演習を主体とする。諸物理公式の導出や、簡単な力学系に関する演習問題がレポートとして課される。
注意点:
微分・積分を用いた運動方程式の記述とその解法を習得することが重要となる。したがって数学的基礎学力の定着が求められる。
総合評価60点以上を合格とする。
試験問題は各達成目標に即した内容で、問題のレベルは教科書の問題および授業中に配布する演習問題程度のものを出題する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 質点の位置・速度・加速度 質点の位置ベクトルを時間微分することで、速度・加速度ベクトルを求めることができる
2週 ニュートンの運動方程式 一定の大きさの力が加わった質点の速度、位置を求めることができる。
3週 ニュートンの運動方程式の応用 時間に依存する力を受けた物体の運動方程式を与えられた初期条件の元で解くことができる。
4週 単振動 弾性力が働く質点の運動方程式を立て、任意の初期条件における単振動の解を求めることができる。
5週 仕事と運動エネルギー 仕事と運動エネルギーについて理解し,仕事から運動エネルギーの変化についての計算ができる.
6週 保存力と位置エネルギー ポテンシャルとは保存力に対する位置エネルギーであることを理解できる。また、ポテンシャルから保存力を導出できる。
7週 力学的エネルギー保存則 力学的エネルギー保存則から質点の位置や速度を求めることができる。
8週 総合問題演習 1-7週の内容について,基本的な的な問題を解く事が出来る.
2ndQ
9週 確認テスト 1-8週の内容について,基本的な問題を解く事が出来る.
10週 質点系の運動量と角運動量 内力と外力について理解し,運動量と角運動量について基本的な計算ができる.
11週 剛体の慣性モーメント 剛体の運動を記述する方程式を説明できる。
12週 剛体の運動方程式 剛体の平面運動の方程式を導出できる。坂道を転がる物体や、滑車の回転運動を記述できる。
13週 剛体の平面運動 剛体の平面運動の方程式を導出できる。坂道を転がる物体や、滑車の回転運動を記述できる。
14週 総合問題演習 10-13週の学習内容について理解し,基本的な問題が解ける.
15週 前期末試験                                                                                                                                              10-14週の学習内容について理解し,基本的な問題が解ける.(付随的に1-9週の内容についても理解している.)
16週
後期
3rdQ
1週 波動現象と波動方程式 横波・縦波の概念や、媒質の運動方程式に関して理解できる。
2週 波動方程式とその解 媒質の横振動(弦の振動)を記述する波動方程式の物理的意味を理解し、その解(正弦波の式)を求めることができる。
3週 正弦波と定常波 波の重ね合わせの原理を用いて2つの正弦波の合成で定常波ができることを数学的に説明できる。
4週 減衰振動 速度に比例する抵抗力を受けた減衰振動の解を求めることができる。
5週 強制振動 駆動力を受けた振動系の振舞いを定性的に説明できる。また、共鳴・共振現象について例を挙げて説明できる。
6週 総合問題演習 1-5週の学習内容について理解し,基本的な問題が解ける.
7週 確認テスト 1-6週の学習内容について理解し,基本的な問題が解ける.
8週 原子の構造と定常状態 原子スペクトルと定常状態についてボーアの原子模型を基に説明できる.
4thQ
9週 粒子性と波動性及び,不確定性原理 ミクロの物質の持つ粒子性と波動性の2重性について理解し,不確定性原理について説明できる.
10週 定常状態のシュレーディンガー方程式:導出 定常状態のシュレーディンガー方程式が導出でき,波動関数の物理的意味について説明できる.
11週 定常状態のシュレーディンガー方程式:1次元井戸型ポテンシャル 定常状態のシュレーディンガー方程式を1次元井戸型ポテンシャルに適用し,その解の古典論との違いについて説明できる.
12週 原子と周期律 水素原子の量子論的な取り扱いについて定性的に理解し,周期律の成り立ちについて説明できる.
13週 共有結合 共有結合について量子論的な立場から,定性的に説明できる.
14週 総合問題演習 8-13週の学習内容について基本的な問題が解ける.
15週 学年末試験 8-14週の学習内容について基本的な問題が解ける.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4
静電エネルギーを説明できる。4
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4
電力電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4
計測SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4

評価割合

前期末試験学年末試験前期確認テスト後期確認テスト問題演習課題合計
総合評価割合202015151515100
基礎的能力15151010101070
専門的能力55555530
分野横断的能力0000000