国語Ⅰ

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 国語Ⅰ
科目番号 0012 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 3
開設学科 創造工学科(情報コース) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:1
教科書/教材 『現代の国語』(筑摩書房)、『現代の国語 課題ノート』(筑摩書房)
『結ひの古典』(あるむ)、新国語便覧(大修館書店 A5判)、国語辞典ほか
担当教員 森木 三穂

到達目標

1.論理的な文章を読み、論旨を理解・要約し、意見を表すことができる。また、文学作品を読み、作者の意図を的確に汲み取ることができる。
2.古文・漢文を読み、自国の異なる時代の文化や異なる国の文化の一端を理解し、自己の考えを深めたり広げたりできる。
3.他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言できる。また、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1論理的な文章を読み、論旨を理解・要約し、意見を表すことができる。また、文学作品を読み、作者の意図を的確に汲み取ることができる。それを通して読書習慣を身につけることができる。論理的な文章を読み、論旨を理解・要約し、意見を表すことができる。また、文学作品を読み、作者の意図を的確に汲み取ることができる。論理的な文章を読み、論旨を理解・要約ができない。また、文学作品を読み、作者の意図を汲み取ることの必要性を理解できない。
評価項目2古文・漢文を読み、自国の異なる時代の文化や異なる国の文化の一端を理解し、自己の考えを深めたり広げたりできる。それを通じて、身近な問題に関して、他者のありように理解を示す姿勢を持つことができる。古文・漢文を読み、自国の異なる時代の文化や異なる国の文化の一端を理解し、自己の考えを深めたり広げたりできる。古文・漢文を読み、自国の異なる時代の文化や異なる国の文化の一端を理解できない。
評価項目3他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言できる。また、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めることができる。他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言できる。

学科の到達目標項目との関係

(F) 論理的表現力と外国語によるコミュニケーションの基礎能力を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本授業の目標は、論理的思考力を養うとともに、文化を理解し多様な価値観に触れることで自己の考えを深めること。そして、他者とのコミュニケーションの基本となる日本語能力の、総合的な向上を図ることである。具体的な副目標は次の3点である。1 「情報を正確に受け取る力」(〈聞く能力〉および〈読む能力〉)育成。2 「情報を正確に伝達する力」(〈書く能力〉および〈話す能力〉)育成。3 コミュニケーションの基本となる協調性の涵養。課題提出・小テストは目標達成のため、適宜行う予定である。国語辞典は各自用意すること。
授業の進め方・方法:
基本的に講義形式で進める。またグループワークを中心とした演習形式の授業もある。
学年末にはパワーポイントを用いた発表を行う。
授業内容によって配布プリントを活用する。
注意点:
授業はあらかじめ、予習(本文を一読するなど)をしてから臨むこと。
ノートは必ずとること。なお、国語辞典(紙媒体・中学校で使用したものも可)は各自用意すること。
再試験は実施しない。

事前・事後学習、オフィスアワー

事前・事後学習はそのつど指示する。
オフィスアワーは随時対応するが、事前に連絡しアポイントをとることを推奨する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 国語Ⅰを受講する目的・目標を説明することができる。
2週 話す 聞く
「境目」(境界論)
常用漢字の音訓を正しく使える。論理的な文章に評された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。
3週 話す 聞く
「サイエンスの視点、アートの視点」(芸術論)
常用漢字の音訓を正しく使える。論理的な文章に評された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。
4週 書く
「ことばがつくる女と男」(ジェンダー論)
常用漢字の音訓を正しく使える。論理的な文章に評された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。
5週 読む
「システムと変異」(生命論)
常用漢字の音訓を正しく使える。論理的な文章に評された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。
6週 話す 聞く
「誰かの靴を履いてみること」(社会論)
常用漢字の音訓を正しく使える。論理的な文章に評された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。
7週 ファシリテーションスキル
(グループワーク)
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。
8週 前期中間試験 これまでの学習の定着度を確認する
2ndQ
9週 答案返却
(第1章)日本語の歴史
前期中間試験までの学習内容の定着度を確認する。
日本語の歴史と変遷を学ぶことができる。
10週 くずし字
(第6章)パロディの世界
『浦嶋が帰郷』
文字の変遷を学び、AIを用いてくずし字を読む。
昔話として親しみのある「浦嶋太郎」を古文で読み、差異や特徴を理解する。
11週 (第2章)韻文の世界
国家と和歌、『和泉式部日記』
和歌の歴史と社会における和歌の役割を学ぶ。
散文への影響を理解する。
12週 (第2章)『十訓抄』
(第6章)『化け物大江山』
一般によく知られる和歌や故事・伝説をもとにしたパロディ作品と比較して読み、
その受容を理解する。
13週 (第3章)歌から散文への展開
『伊勢物語』初冠
(第6章)『仁勢物語」第1段
歌物語を読み、和歌の果たした役割を理解する。
また、パロディ作品と比較して読み、その受容を理解する。
14週 (第3章)『伊勢物語』芥河、つひにゆく道 歌物語を読み、和歌の果たした役割を理解する。
15週 (第4章)物語からの発展
『源氏物語』光源氏の誕生、『長恨歌』(白氏文集)
国文学の最高峰『源氏物語』を読み、
その関連作品と比較・読解を通し、作品の発展を理解する。
16週 (第4章)『源氏物語』車争ひ、『葵上』(謡曲) 国文学の最高峰『源氏物語』を読み、
その関連作品と比較・読解を通し、作品の発展を理解する。
後期
3rdQ
1週 書く
「身体、この遠きもの」(身体論)
常用漢字の音訓を正しく使える。論理的な文章に評された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。
2週 読む
「魔術化する科学技術」(科学技術論)
常用漢字の音訓を正しく使える。論理的な文章に評された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。
3週 読む
「羅生門」(小説)
文学的な文章に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。
4週 読む
「羅生門」(小説)
文学的な文章に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。
5週 (第5章)歴史を語る
『平家物語』祇園精舎、知章最期
歴史を語る作品群を読み、
史実と物語作品が描く歴史の世界を理解する。
6週 (第5章)
酒呑童子(渋川版)
歴史を語る作品群を読み、
史実と物語作品が描く歴史の世界を理解する。
7週 発表 日本の古典文学作品の紹介をプレゼンテーションする。
作品から発想したビジュアル資料(二次創作)も行い、作品を深く理解する。
8週 発表 日本の古典文学作品の紹介をプレゼンテーションする。
作品から発想したビジュアル資料(二次創作)も行い、作品を深く理解する。
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要旨・要点をまとめることができる。3前3,後13
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3前11
社会生活で使われる語彙(故事成語・慣用句等を含む)を増やし、思考・表現に活用できる。3前2
専門の分野に関する用語を論理的思考・表現に活用できる。3
文学作品(小説・随筆・詩歌・古典等)を文脈に即して鑑賞し、そこに描かれたものの見方や登場人物の心情を説明できる。3前11,後8
言語的・文化的教養(語彙・知識等)に広く関心を持ち、そこで得られた知識や考え方を効果的な表現に活用できる。3後8
言語作品の読解を通して、人間や社会の多様な在り方についての考えを深め、自己を客観的に捉えたり自分の意見を述べることができる。3
常用漢字を中心に、日本語を正しく読み、表記できる。3
実用的な文章(手紙・メール等)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集し、それを整理、分析できる。3
整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開、表現方法を工夫し、報告・論文を作成できる。3
作成した報告・論文の内容及び自分の思考や考察を資料(図解・動画等)にまとめ、的確に口頭発表できる。3
課題や条件に応じ、根拠に基づいて議論できる。3
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3

評価割合

試験(前期中間・後期中間)レポート(前期期末)発表(学年末)合計
総合評価割合402040000100
基礎的能力4020000060
専門的能力0000000
分野横断的能力004000040