応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 0053 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(情報コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 改訂版 総合物理2 (数研出版) / リードα 物理基礎・物理(数研出版)
担当教員 吉木 宏之

到達目標

物理学の学習を通じて、自然現象を系統的、科学的、論理的に考えることができる能力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理現象に関して基本公式を用いて論理的に考えることができる。 物理現象を科学的に考えることができる。 物理現象を系統的に説明することができない。
評価項目2波動現象の基本法則(重ね合せ、干渉、回折、反射、屈折)を理解し、さまざまな波動現象(音波、光波)を定量的に説明できる。波動現象の基本法則(重ね合せ、干渉、回折、反射、屈折)を理解し、簡単な波動現象(音波、光波)を定性的に説明できると共に公式を用いた数値計算ができる。波動現象の基本法則(重ね合せ、干渉、回折、反射、屈折)に関する定性的な説明ができない。
評価項目3微視的世界における粒子の二重性について理解し,元素の周期律について説明できる.粒子の二重性について理解している.原子・分子等の微視的世界における物理現象と古典力学との違いについて理解していない.

学科の到達目標項目との関係

(C) 情報工学の基礎としての数学,自然科学の基礎学力を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
3年「物理Ⅱ」と並行して、波動分野(波の伝わり方と種類、重ね合わせの原理と波の特有な性質、音波・発音体と光波・レンズ)および微視的世界の物理法則、電子、X線、原子の構造、原子核について学習する。
授業の進め方・方法:
授業形態は講義(パワーポイントを活用)・問題演習を主体とし、ICT活用(力学・波動分野のDVD動画)による講義演習も取り入れる。
注意点:
【評価方法・基準】
前期確認試験15%,前期末試験20%,後期確認試験20%,学年末試験20%,課題レポート15%、取組姿勢10%で達成度を総合評価する。総合評価50点以上を合格とする。試験問題は各達成目標に即した内容を出題し、問題のレベルは教科書の章末問題及び自学自習用問題集の基本問題程度を出題する。
◾️再試験について
総合評価で「不可」となった者のうち、レポート未提出がない学生に対してのみ、再試験(1回のみ)を実施する。

事前・事後学習、オフィスアワー

《事前・事後学習について》本科目は「履修単位」科目であるため、次の点に留意して受講することが求められる。
講義(60時間)を前提とし、毎回の講義後の復習(自学自習:30時間)が求められる。この時、次回講義までの課題レポートや確認小テストを実施する。
《オフィスアワー》講義日の16:00-17:00、その他随時。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 波の性質
・波の表し方とその要素
・正弦波と波の要素
・波の波長、周期、振動数、速さについて理解できる。
・波源が単振動を続けると,その振動が周囲の媒質に伝わり正弦波の波形ができることを理解できる。
2週 ・波の重ね合わせの原理と定常波 ・重ね合わせの原理を用いて2つの波の合成波、定常波の作図ができる。
3週 ・波の干渉 ・2つの波が干渉する時、互いに強め合う条件・打消し合う条件を説明できる。
4週 ・正弦波の式と位相 ・単振動は等速円運動の正射影で表されることを理解し,媒質の振動が正弦波の式で表されることを説明できる。
5週 ・ホイヘンスの原理と波の反射・屈折 ・ホイヘンスの原理を用いて反射・屈折を説明できる。
6週 ・波の屈折・回折 ・屈折の公式を活用して屈折波の物理量を求めることができる。また、回折現象を説明できる。
7週 ・音波・音の性質 ・音波の速さや、音波の反射・屈折・回折現象を説明できる。
8週 ・確認テスト ・波の基本性質、正弦波の式、干渉、反射・屈折・回折が理解できている。
2ndQ
9週 ・弦の振動 ・弦の振動は横波であることを理解し、弦に生ずる定常波の性質を説明できる。
10週 ・気柱の振動 (1) ・気柱の振動は縦波であることを理解し、共鳴現象を定量的に説明できる。
11週 ・気柱の振動 (2) ・閉管、開管の定常波の振動数を定量的に求める事ができる。
12週 ・ドップラー効果 ・ドップラー効果の現象について説明できる。
13週 ・音波のドップラー効果(1) ・音源が動く場合の音波の振動数の変化を定量的に説明できる。
14週 ・音波のドップラー効果(2) ・観測者が動く場合の音波の振動数の変化を定量的に求めることができる。
15週 ・到達度確認問題演習 ・波動の基本や音波に関する基本的な問題を解くことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 ・光波・光の性質 ・光の速さや、光の反射・屈折・回折現象を説明できる。物体の浮き上がりや全反射の物理量を計算できる。
2週 ・波の分散・散乱現象 ・波長の違いによる分散現象により光のスペクトルや虹が得られることや、散乱現象により空が青くなる等を定性的に説明できる。
3週 ・光の干渉 ・ヤングの干渉実験の基本原理を理解し、明暗の縞模様ができる条件式を説明できる。
4週 ・光の回折 ・回折格子により明暗の縞模様ができる原理を説明できる。また、簡単な物理量の数値計算ができる。
5週 ・薄膜による干渉 No.1 ・薄膜による光の干渉に関する公式が導出できる。
6週 ・薄膜による干渉 No.2 ・くさび形空気層やニュートンリングの干渉現象を定性的に説明できる。
7週 ・レンズ(凸・凹レンズ) No.1 ・凸レンズの写像公式を幾何光学の作図から説明できる。また、倍率等を求めることができる。
8週 ・レンズ(凸・凹レンズ) No.2 ・凹レンズの写像公式を幾何光学の作図から説明できる。また、倍率等を求めることができる。
4thQ
9週 ・確認テスト ・光の屈折、全反射、干渉、回折、レンズの写像公式に関する基本的な問題を解くことができる。
10週 ・電子の電気量と質量、静電気力とローレンツ力 ・電場・磁場中の電子の運動について説明できる。電気素量の測定方法を説明できる。
11週 ・光の粒子性 ・光量子仮説に基づき光電効果を説明できる。
12週 ・X線の波動性と粒子性 ・X線の結晶による回折とブラッグの条件について説明できる。
13週 ・粒子の波動性 ・ド・ブロイの物質波仮説に基づき,ミクロな物質の持つ粒子と波動の二重性について説明できる。
14週 ・原子の構造とエネルギー準位 ・ボーアの原子模型に基づき,水素原子のエネルギー準位を導出できる。
15週 ・原子核と放射線 ・原子核の構造と放射線の発生メカニズムを定性的に説明できる。放射線の性質や半減期を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。4
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。4
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。4
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。4
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
物体に作用する力を図示することができる。4
力の合成と分解をすることができる。4
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。4
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。4
慣性の法則について説明できる。4
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。4
運動方程式を用いた計算ができる。4
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。4
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。4
最大摩擦力に関する計算ができる。4
動摩擦力に関する計算ができる。4
仕事と仕事率に関する計算ができる。4
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。4
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。4
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。4
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。4
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。4
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。4
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.4
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。4
横波と縦波の違いについて説明できる。4
波の重ね合わせの原理について説明できる。4
波の独立性について説明できる。4
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。4
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。4
ホイヘンスの原理について説明できる。4
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。4
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。4
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。4
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。4
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。4
自然光と偏光の違いについて説明できる。4
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。4
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。4

評価割合

前期末試験学年末試験確認テスト(2回)課題レポート取組姿勢合計
総合評価割合20203515100100
基礎的能力1515301010080
専門的能力55550020
分野横断的能力0000000