論理回路

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 論理回路
科目番号 0070 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(情報コース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 授業開始時に配布する
担当教員 佐藤 淳,髙橋 聡

到達目標

1.ブール代数・ゲート回路を完全に理解し,複雑な論理式でも定理を用いて簡単化したり真理値表を書くことができる。
2.フリップフロップ回路について完全に理解し,複雑な応用動作についても理解できる.
3.論理ICの基本である順序論理回路について完全に理解し,応用問題を解くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ブール代数・ゲート回路を完全に理解し,複雑な論理式でも定理を用いて簡単化したり真理値表を書ける.ブール代数・ゲート回路を理解し,やや複雑な論理式を定理を用いて簡単化したり真理値表を書ける.ブール代数・ゲート回路を理解できない.
評価項目2フリップフロップ回路について完全に理解し,複雑な応用動作についても理解できる.フリップフロップ回路について理解し,カウンタなどの応用についても理解できる.フリップフロップの動作が理解できない.特性表の意味が理解できない.
評価項目3論理ICの基本である順序論理回路について完全に理解し,応用問題を解くことができる.論理ICの基本である順序論理回路について理解できる.順序論理回路について理解できない.

学科の到達目標項目との関係

(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ディジタル回路を主として論理回路の観点から学ぶ.基数変換・ブール代数を学んだ後,ゲート回路およびゲート回路を応用した組合せ論理回路の解析と設計方法を学ぶ.次に,各種フリップフロップの動作を学んだ後,その応用であるカウンタ,シフトレジスタなどの設計方法を学ぶ.
授業の進め方・方法:
主に遠隔授業によるビデオや教材の配信形式で行う。
2年時のコンピュータ概論Ⅰの知識を前提として,講義を進める。不安のある学生はブール代数の箇所と進数変換の箇所をその都度復習することを強く推奨する。
前半は論理回路についての基礎について学習を行い,後半は順序論理回路について学習を行う。
注意点:
資料は授業開始時に配布する.
参考書:
「ディジタル電子回路」,藤井信生,昭晃堂
「論理回路入門」,浜辺隆二,森北出版
オンデマンド形式の遠隔講義で実施する。詳しくはその都度Teamsを介して連絡を行う。
シラバス末尾の評価割合に沿って総合的に評価し60点以上を合格とする。
なお、「不可」となった者は再試験を実施しない。

事前・事後学習、オフィスアワー

2年次開講のコンピュータ概論Ⅰの基礎知識が必要になる科目であるため事前学習を行うことに留意する。
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートやオンラインテストを実施する。
①講義(30時間)+自学自習(60時間)の前提であるため、60時間程度の予習・復習をその都度指示する。
【オフィスアワー】その都度Teamsで連絡すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 論理回路の必要性を説明できる。
2週 2進数と10進数と16進数の基数変換(整数) 基数が異なる数の間で相互に変換できる。
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。
3週 2進数と10進数と16進数の基数変換(小数と補数)
2進数の演算と基本論理回路
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。
基本的な論理演算を行うことができる。
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。
4週 ブール代数と論理式の簡略化 集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。論理式の簡単化の概念を説明できる。論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。
5週 多数入力論理回路
NAND,NORの定理
論理回路の多数入力回路が作成できる。
基本論理素子を用いてNANDとNORの回路に変換することができる。
6週 論理式の作成方法と簡単化 
・真理値表とカルノー図
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。
7週 演習課題Ⅰ 与えられた課題を解くことできる。
8週 演習課題Ⅱ 与えられた課題を解くことできる。
2ndQ
9週 組合せ論理回路の設計方法 
・マルチプレクサ,加算回路など
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。
組合せ論理回路を設計することができる。
10週 フリップフロップ回路 1
・特性表,励起表,遷移表,タイムチャート
・SR-FF,D-FF,T-FF,JK-FF
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。与えられた順序回路の機能を説明することができる。
11週 フリップフロップ回路 2
・特性表,励起表,遷移表,タイムチャート
・SR-FF,D-FF,T-FF,JK-FF
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。与えられた順序回路の機能を説明することができる。
12週 カウンタ,レジスタとその応用 1
・非同期,同期式カウンタ,・シフトレジスタ
・リングカウンタ,簡単な順序回路
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。
与えられた順序回路の機能を説明することができる。
順序回路を設計することができる。
13週 カウンタ,レジスタとその応用 2
・非同期,同期式カウンタ,・シフトレジスタ
・リングカウンタ,簡単な順序回路
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。
与えられた順序回路の機能を説明することができる。
順序回路を設計することができる。
14週 演習課題Ⅲ 与えられた課題を解くことができる。
15週 演習課題Ⅳ 与えられた課題を解くことができる。
16週 期末試験 本科目について包括的に理解できている.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4前3
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4前2
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前2
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前3
基本的な論理演算を行うことができる。4前3
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4前3
論理式の簡単化の概念を説明できる。4前6
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。4前6
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。4前5,前9
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。4前5,前9
組合せ論理回路を設計することができる。4前5,前9
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。4前10,前11
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。4前12,前13
与えられた順序回路の機能を説明することができる。4前10,前11
順序回路を設計することができる。4前12,前13
情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。4前4
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。4前4
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。4前4
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。4前4

評価割合

期末試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力301040
専門的能力402060