近年,自動車,携帯電話をはじめとして,様々な分野で画像処理が行われており,信号処理分野で比較的新しい応用分野である.本科目では,信号処理の対象を画像とし,自然界から計算機上にディジタル画像としてどのように取り込まれるかを理解した上で,様々な画像処理アルゴリズムや画像解析技術を学ぶ.
概要:
本講義ではディジタル画像を加工するときに必要な画像処理に関する知識を深める。特に、ディジタル画像の仕組み、ヒストグラム、点操作、フィルタ、エッジと輪郭などの基礎技術を学ぶ。これらの学習を通して,この分野の課題解決能力における工学技術応用力を養う。そして、この科目は企業で画像処理を担当していた教員がこの経験を生かし、基礎理論と最新の画像処理アルゴリズムなどについて講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
パワーポイントを利用して講義を行う。そして、授業で利用するパワーポイントはホームページからダウンロードすることができる。評価方法については試験80%,提出課題20%を総合的に評価し,60 点以上を合格とする.試験においては達成目標に則した内容の問題を出題する.試験問題のレベルは教科書および授業中に出す練習問題と同程度とする.
注意点:
ホームページからパワーポイントをダウンロードする。そして、パワーポイントをプリントし、持参して授業に入ること。参考書はディジタル画像処理(出版社DG-ARTS協会)。再試験は行わない。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ディジタル画像(1) |
ピンホールカメラ、ディジタル化、画像の大きさと解像度、画像座標系、ピクセルの値、画像ファイルのフォーマットについて理解し、説明できる。
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2週 |
ディジタル画像(2) |
画像座標系、ピクセルの値、画像ファイルのフォーマットについて理解し、説明できる。そして、実際プログラムで確認する。
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3週 |
ヒストグラム |
画像の統計量、ヒストグラムとは?、ヒストグラムの計算、累積ヒストグラムについて理解し、説明できる。そして、実際プログラムで確認する。
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4週 |
点操作(1) |
点操作とは?、輝度値の修正、点操作とヒストグラムについて理解し、説明できる。
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5週 |
点操作(2) |
自動コントラスト調整、ヒストグラムの平均化、ガンマ補正について理解し、説明できる。そして、実際プログラムで確認する。
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6週 |
フィルタ(1) |
フィルタとは?、線形フィルタ(マトリクス、適用、フィルタ操作の計算)について理解し、説明できる。
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7週 |
フィルタ(2) |
線形フィルタ(任意の大きさのフィルタ、種類、特性)について理解し、説明できる。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
フィルタ(3) |
非線形フィルタ(最大値と最小値フィルタ、メディアンフィルタ、重み付けメディアンフィルタ、その他)について理解し、説明できる。そして、実際プログラムで確認する。
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10週 |
エッジと輪郭(1) |
エッジとは?、勾配ベースのエッジ検出(偏微分と勾配、微分フィルタ、Sobel演算子など)について理解し、説明できる。
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11週 |
エッジと輪郭(2) |
その他のエッジ演算子(2次微分ベースのエッジ検出、Canny演算子など)について理解し、説明できる。
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12週 |
モフォロジカルフィルタ(1) |
モフォロジカル演算、構造要素、膨張と収縮について理解し、説明できる。
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13週 |
モフォロジカルフィルタ(2) 、カラー画像 |
OpeningとClosing、グレースケールのモルフォロジカルについて理解し、説明できる。そして、実際プログラムで確認する。RGB画像、カラー空間、カラー画像の統計について理解し、説明できる。
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14週 |
その他のアルゴリズム |
ラベリング、テンプレートマッチング、コーナー検出、ハフ変換、ステレオ視などについて理解する。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | プログラミング | 代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。 | 3 | |
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。 | 3 | |
変数の概念を説明できる。 | 3 | |
データ型の概念を説明できる。 | 3 | |
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。 | 3 | |
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。 | 3 | |
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。 | 4 | 後14 |
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。 | 2 | 後7,後14 |
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。 | 4 | 後14 |
ソフトウェア | アルゴリズムの概念を説明できる。 | 4 | 後14 |
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。 | 4 | 後14 |
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。 | 3 | |
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。 | 4 | 後14 |
ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。 | 3 | |
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。 | 3 | |
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。 | 3 | |
情報数学・情報理論 | 集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。 | 4 | 後14 |
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。 | 4 | 後14 |
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。 | 3 | |
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。 | 3 | |
情報量の概念・定義を理解し、実際に計算することができる。 | 3 | |
情報源のモデルと情報源符号化について説明できる。 | 3 | |
通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。 | 3 | |