工業力学

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 工業力学
科目番号 0123 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(情報コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 金原粲監修「工学系の力学 -実例でわかる、基礎からはじめる工業力学-」(実教出版)
担当教員 小野寺 良二

到達目標

・静力学的なつり合いと力の関係を理解し、計算できる。
・重力と重心を理解し、物体の重心を求めることができる。
・平面内の運動を理解し、さまざまな運動を解析できる。
・力と運動を関連づける運動方程式を立てること、運動方程式を解くこと、その答から質点の運動を理解できる。
・剛体の慣性モーメントを導出、剛体の運動の運動方程式の導出と解法ができる。
・仕事とエネルギーの関係、力学的エネルギー保存の法則とその成立条件を説明できる。
・機械要素への力学の適用ができ、機械の効率が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1力と力のモーメントが理解でき、それらに関わる問題のモデル化や数学的表現ができ、力のつり合い条件が計算できる。力と力のモーメントが理解でき、つり合い条件が計算できる。つり合い条件が計算できない。
評価項目2物体の運動状態が理解でき、運動方程式を立て、その答から物体の運動を解析できる。運動方程式を解くことができ、物体の運動を解析できる。運動方程式を解くことができない。
評価項目3運動に関する仕事とエネルギーを理解し、エネルギー保存則を用いて関係式を導出し、運動を解析できる。運動に関する仕事とエネルギーを理解し、仕事・動力やエネルギーが計算できる。仕事・動力やエネルギーが計算できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
科学技術は物理学を応用して確立され、力学はその中でもっとも基礎的な分野である。工学における力学は実社会に役立つものを作るために学ばれる。本講義では静力学(静的な領域)と動力学(動的な領域)における基本的事項を理解し、専門科目の基礎としての力学を習得する。
授業の進め方・方法:
4回の試験と演習課題により、授業内容の理解度向上をはかる。
前期中間試験15%、前期末試験20%、後期中間試験15%、学年末試験20%、授業および課題への取り組み30%で評価し、総合で50点以上を合格とする。
試験問題のレベルは教科書章末の演習問題および教員作成の演習問題と同程度とする。
注意点:
指定教科書と教員作成の配布プリントを併用する。
事前の予習と事後の復習の自学自習を十分に行うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 力学に表れる物理量と単位
力の表し方
・物理量と次元および単位の関係を理解できる。
・力の表示が理解できる。
2週
3週 力の合成と分解 ・力の合成と分解が理解でき計算ができる。
・ベクトル演算による力の分解ができる。
4週
5週 力のモーメント ・力のモーメントを理解し計算ができる。
・合モーメント、偶力、等価力を理解し計算ができる。
6週
7週 力と力のモーメントのつり合い ・つり合いを理解し、つり合い式から未知物理量を計算できる。
・力の支点と反力を理解し計算ができる。
8週
2ndQ
9週 中間試験
10週
11週 重力と重心 ・質量、重力、重心を理解し説明できる。
・重心位置を計算できる。
12週
13週 点の平面運動 ・速度、加速度の意味を理解し、直線運動問題を解くことができる。
・直角座標の概念が理解でき、放物運動問題を解くことができる。
14週
15週 円運動
相対運動
・角速度、角加速度の意味を理解し、円運動問題を解くことができる。
・相対運動を理解し、相対運動問題を解くことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 運動方程式
・力と運動を関連づける運動方程式を理解し、その関係を運動方程式で表すことができる。
・慣性力、ダランベールの原理が理解できる。
2週
3週 座標系と運動方程式
円運動
・直角座標系と極座標系における成分表示ができる。
・円運動の速度と加速度、向心力、遠心力の意味を理解し計算できる。
4週
5週 剛体の運動の記述
慣性モーメントの計算
・剛体に作用する力と剛体の運動を理解できる。
・慣性モーメント、平行軸・直交軸の定理を理解できる。
・簡単な形状の慣性モーメントを求めることができる。
6週
7週 さまざまな剛体の運動
物体間に働く力(垂直抗力、摩擦)
・剛体運動を運動方程式で表すことができ、問題を解くことができる。
・すべり摩擦と転がり摩擦を理解でき、摩擦問題を解くことができる。
8週
4thQ
9週 中間試験
10週
11週 仕事・動力 ・仕事、動力の意味を理解し計算できる。
・てこ、滑車、斜面における仕事の原理を説明できる。
12週
13週 力学的エネルギー保存の法則 ・エネルギーの意味と種類を説明できる。
・力学的エネルギーの保存の法則を理解し、種々の問題に適用できる。
14週
15週 機械の効率 ・機械の効率を理解し計算できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前13
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前15
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前13
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前13
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前13
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前13
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前13
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前13
物体に作用する力を図示することができる。3前7,前9
力の合成と分解をすることができる。3前3,前9
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前11,後7,後9
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3前7,前9
慣性の法則について説明できる。3後1,後9
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前7
運動方程式を用いた計算ができる。3後1,後9
運動の法則について説明できる。3後1,後9
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3後7,後9
最大摩擦力に関する計算ができる。3後7,後9
動摩擦力に関する計算ができる。3後7,後9
仕事と仕事率に関する計算ができる。3後11
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後13
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後13
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後13
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後13
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4前1,前9
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4前3,前9
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4前3,前9
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4前5,前9
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4前5,前9
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4前7,前9
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4前11
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4前13,前15
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4前13,前15
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4後1,後9
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4後1,後9
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4後1,後9
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4前15,後3,後9
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4後3,後9
仕事の意味を理解し、計算できる。4後11
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4後11
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4後13
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4後13
動力の意味を理解し、計算できる。4後11
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4後7,後9
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4後13
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4後5,後7,後9
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4後5,後9

評価割合

試験演習課題相互評価取り組みポートフォリオその他合計
総合評価割合701501500100
基礎的能力200000020
専門的能力50150150080
分野横断的能力0000000