物質化学実験

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物質化学実験
科目番号 0020 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(化学・生物コース) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 浅田ら「定性分析」技報堂出版、浅田ら「定量分析」技報堂出版、物質化学実験テキスト(自作)
担当教員 上條 利夫

到達目標

1.各種測定における誤差について理解している。
2.陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて,分離のための定性分析ができる。
3.重量分析について理解し,ある元素の重量を正確に求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
レポート評価(目的)目的を端的に短く分かりやすく書いている。目的が実験の内容に合致している。要点を丸写ししている。目的が書かれていない。
レポート評価(方法)実験方法を具体的に示すことができており,図などをつかって説明している。実験方法を示すことができる。箇条書きのみで文章が無い。
レポート評価(結果)予習で実験結果を予習する。図や表などを用いて、明確に結果を文章とともに記述できる。実験結果を示すことが出来る。結果の数値だけを示している。箇条書きのみで説明する文章がない。
レポート評価(考察)参考文献を参照したり,参考結果(理論値など)と比較しながら考察できる。予習した結果と比較して考察ができている。 考察ができる。 考察がない。感想を書いている。
レポート評価(参考文献)教科書以外の書籍等を挙げることができる。 示された書籍の教科書等を示すことができる。 参考文献を挙げられない。配布された実験テキストを参考文献にしてしまう。
清掃"実験前よりも実験台がきれいである。精製水が補充されている。実験台がきれいに清掃されている。精製水が補充されている。 清掃が雑である。清掃・片づけができない。

学科の到達目標項目との関係

(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
最初に実験の基本操作そして陽イオンおよび陰イオンの定性分析実験を通して代表的な元素の性質・特徴等の理解ともに実験の基本操作を修得させる。その後、分析化学の授業内容が実際の実験で確認できるようにするために,重量分析実験を行う。この実験を通して定量的に、正確に実験できる能力を身につけさせる,併せてレポートの書き方についても指導する。
授業の進め方・方法:
実験の基本的注意事項(説明) にて分析実験で必要な数値の扱い方を抑えるとともに実験レポートの形式や書き方を学ぶところから始め,定性分析にて元素のあるなしについてわかるようにする。その後,特性成分を見極めるだけでなく,重量も測定する重量分析実験を通して実験が正確に行われているか体験して学ぶ。一週間に物質化学実験と工学実験実習が存在するが物質化学実験の内容が基礎の実験となるため,工学実験実習の時間を物質化学実験にあて実験内容が容易に理解できるよう配慮して行う。
注意点:
レポート80%,実験取組姿勢20%をもって総合的に評価して50点以上を合格とする。

事前・事後学習、オフィスアワー

事前学習は、実験テキストを実験ノートにまとめつつわからない用語について調べておく。事後学習として実験内容、結果を整理してレポートにまとめること。原則実験のある日,授業の前後にて対応します。事前に連絡があれば他の時間帯でも時間調整して対応します。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験の基本的注意事項(説明) 定性分析(説明)(4時間) 分析実験で必要な数値の扱いができる。実験レポートの形式や書き方が理解できる。イオンの定性分析の概要を理解できる。
2週 陽イオン1族の各個反応と系統分析(4時間) 陽イオン1族の各個反応実験を行い,元素の性質が理解でき,一部の元素の系統分析を行い分離操作確認ができる。
3週 陽イオン3・4族の各個反応(4時間) 陽イオン3・4族の各個反応実験を行い,元素の性質が理解できる。
4週 陽イオン5族の各個反応(4時間) 陽イオン5族の各個反応実験を行い,元素の性質が理解できる。
5週 陽イオン3族の系統分析(4時間) 陽イオン3族の系統分析を行い分離操作確認ができる。
6週 陰イオンの定性分析(4時間) 代表的な陰イオン5種の系統分析を行い,その性質が理解できる。
7週 レポートまとめ(4時間) これまでの実験内容の理解を深める。
8週 天秤の使い方とルツボの恒量(4時間) 天秤の使い方を習得し,ルツボの恒量を求めることができる。
2ndQ
9週 硫酸銅中の結晶水の定量(4時間) 硫酸銅中の結晶水が定量できる。
10週 硫酸銅中の銅の定量(4時間) 硫酸銅中の銅が定量できる。
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3
実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3
測定と測定値の取り扱いができる。3
測定と測定値の取り扱いができる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3
ガラス器具の取り扱いができる。3
ガラス器具の取り扱いができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
試薬の調製ができる。3
試薬の調製ができる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4
中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。4
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。4
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。4
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。4
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。4
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。4

評価割合

実験レポート態度・実験ノート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力402060
専門的能力40040