工学実験・実習Ⅰ

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 工学実験・実習Ⅰ
科目番号 0021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(化学・生物コース) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 浅田ら「定性分析」技報堂出版、浅田ら「定量分析」技報堂出版、物質化学実験テキスト(自作)
担当教員 上條 利夫

到達目標

1.中和滴定法を理解し,酸あるいは塩基の濃度計算できる。
2.酸化還元滴定法を理解し,酸化剤あるいは還元剤の濃度計算できる。
3.機器分析を理解し,機器の原理や特徴を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
レポート評価(目的)目的を端的に短く分かりやすく書いている。目的が実験の内容に合致している。要点を丸写ししている。目的が書かれていない。
レポート評価(方法)実験方法を図やフローシートなどを用いて分かりやすく文章とともに記述できる。実験方法を示すことができる。箇条書きのみで文章が無い。
レポート評価(結果)予習で実験結果を予習する。図や表などを用いて、明確に結果を文章とともに記述できる。実験結果を示すことが出来る。結果の数値だけを示している。箇条書きのみで説明する文章がない。
レポート評価(考察)参考文献を参照したり,参考結果(理論値など)と比較しながら考察できる。予習した結果と比較して考察ができている。 考察ができる。 考察がない。感想を書いている。
レポート評価(参考文献)教科書以外の書籍等を挙げることができる。 示された書籍の教科書等を示すことができる。 参考文献を挙げられない。配布された実験テキストを参考文献にしてしまう。
清掃"実験前よりも実験台がきれいである。精製水が補充されている。実験台がきれいに清掃されている。精製水が補充されている。 清掃が雑である。清掃・片づけができない。
技術点(滴定)滴定法を理解し,濃度計算でき,測定結果を得ることができる。滴定法の理解,濃度計算,測定がおおむねできる。 滴定法を理解,濃度計算,正しい測定ができない。

学科の到達目標項目との関係

(G) 化学および生物工学分野を主とした幅広い知識と技術を活用して,実験・実習による実践力を身につける。 説明 閉じる

教育方法等

概要:
重量分析,容量分析,機器分析を行いそれぞれの違いについて説明ができるようにするとともに,各実験操作において正確な定量が出来ているかを真値と比較して評価していく。真値とのずれが実験操作の何に由来するかを深く考えることで考察力を身に付けるようにする。
授業の進め方・方法:
物質化学実験が実験の基礎のため,一週間にある工学実験実習を先に物質化学実験にあて,物質化学実験の内容がすべて終了した後,すべての実験の時間を工学実験実習に充てて実施する。物質化学実験での実験スキルが身についてきたことを考慮し,重量分析後に行う容量分析では,滴定結果の確度にて各回の実技能力を評価に加える。滴定では同じ操作の繰り返しとなるが,現象がイメージできるよう事前に動画を見るなどするようにして進める。後半では,機器分析実験をグループに分けて実施する。一度の実験で理解ができるよう事前の予習を欠かさないようにし,毎回事前予習のチェックを行う。
注意点:
レポート70%,実験実技20%,取り組み姿勢10%をもって総合的に評価して50点以上を合格とする。

事前・事後学習、オフィスアワー

原則実験のある日,授業の前後にて対応します。事前に連絡があれば他の時間帯でも時間調整して対応します。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 硫酸銅中の硫酸の定量(4時間) 硫酸銅中の硫酸の定量ができる。
2週 レポート整理(4時間) これまでの実験の内容を理解できる。
3週 ガラスフィルターを用いた塩化物イオンの定量(4時間) 塩化物イオンの定量ができる。
4週 測定とその誤差(4時間) 各種測定における誤差について理解している。
5週
6週
7週
8週
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週 容量分析の概要説明(説明)(4時間) 容量分析の概要を理解できる。
2週 中和滴定法 硫酸の定量(4時間) 中和滴定法により硫酸の定量ができる。
3週 中和滴定法 工業用硫酸の純度測定(4時間) 中和滴定法により工業用硫酸の定量し,純度を求めることができる。
4週 キレート滴定法 標準溶液の調整と標定(4時間) キレート滴定法により標準溶液の調整と標定ができる。
5週 キレート滴定法 水の硬度測定(4時間) キレート滴定法により水の硬度測定ができる。
6週 沈殿滴定法 標準溶液の調整と標定(4時間) 沈殿滴定法により標準溶液の調整と標定ができる。
7週 沈殿滴定法 海水中のCl イオンの定量(4時間) 沈殿滴定法により海水中のCl イオンの定量ができる。
8週 酸化還元滴定法 標準溶液の調整と標定(4時間)
酸化還元滴定法により標準溶液の調整と標定ができる。
4thQ
9週 酸化還元滴定法(4時間) 酸化還元滴定法によりモール塩中の鉄分の定量ができる。
10週 機器使用分析(説明)(4時間) 機器分析の概要を理解できる。
11週 機器分析実験 中和滴定法(pH 計による),吸光光度法,原子吸光光度法,電気伝導度測定法 各4時間実施 機器を用いた実験を行い,機器分析の概略を理解できる。
12週 レポート整理(4時間) 実験内容の概要がすべて理解できる。
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3
実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。2
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。2
測定と測定値の取り扱いができる。3
測定と測定値の取り扱いができる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。2
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。2
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。2
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。2
ガラス器具の取り扱いができる。3
ガラス器具の取り扱いができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
試薬の調製ができる。3
試薬の調製ができる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3
いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。3
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。3
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。3
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。3
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。3
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。3
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。3
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。3
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4
錯体の生成について説明できる。4
錯体の生成について説明できる。4
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。3
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。3
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。3
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。3
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。3
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。3
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。3
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。3
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。3
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。3
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。3
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。3
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。3
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。3
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。3
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。3
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。3
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。3
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。3
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。3
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。3
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。3
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4
中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。4
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。4
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。4
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。4
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。4
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。4
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。3
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。3
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。1
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。2

評価割合

試験(技術点)発表相互評価取り組み姿勢ポートフォリオその他合計
総合評価割合200010070100
基礎的能力0001002030
専門的能力2000005070
分野横断的能力0000000