基礎生物学Ⅰ

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 基礎生物学Ⅰ
科目番号 0022 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(化学・生物コース) 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 生物(東京書籍)、生物基礎(東京書籍)ニューグローバル生物(東京書籍)、スクエア最新図説生物(第一学習社)
担当教員 久保 響子

到達目標

生命の起源からの生物の変遷のあらましを説明でき、自然選択による生物進化について説明できること。
生体の恒常性の維持の仕組みについて、細胞レベル・分子レベルで理解することができ、また、健康や医療に応用して考えることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
生物の進化と多様性自然選択による生物の進化のしくみを理解し、生物進化を説明できる。自然選択による生物の進化のしくみを理解している。自然選択による生物の進化のしくみを理解していない。
生体の恒常性の維持の仕組み生体の恒常性の維持の仕組みについて、細胞レベル・分子レベルで理解することができ、また、健康や医療に応用して考えることができる。生体の恒常性の維持の仕組みについて知っている。生体の恒常性の維持の仕組みについて知らない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生物学の基礎として、生態学および生理学の入門的内容を取り扱う。前半は、生物の進化と多様性について原理と事例について学ぶ。後半は、生体の恒常性の維持に関して、細胞レベル・分子レベルでの仕組みについて学び、健康や医療に応用して考える。
授業の進め方・方法:
板書またはプロジェクター、モニターを使った講義形式により、双方向になるよう留意しながら、授業をすすめる。
注意点:
中間試験および期末試験を行う。ホームワーク・課題提出、受講態度も評価対象とする。

事前・事後学習、オフィスアワー

教科書を読み事前学習を行う。問題集による問題演習による事後学習を行う。
オフィスアワーは授業実施日の16:00-16:30とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生物の進化1:生命の起源と細胞の進化 化学進化、RNAワールド、細胞の起源について説明できる。シアノバクテリアの進化と地球環境の変化について説明できる。
2週 生物の進化2: 生物の多様性と地球環境の変化 1.海での生物の繁栄、2. 植物・動物の陸上への進出、3. 裸子植物の出現と爬虫類の繁栄、4. 被子植物の出現と鳥類・哺乳類の繁栄という生物の変遷の概要について説明できる。
3週 生物の進化3:進化のしくみ 進化とはどのような現象か、科学的に説明できる。突然変異の進化に対する役割を説明できる。
4週 生物の進化4: 遺伝子頻度とその変化の仕組み ハーディー・ワインベルグの法則を説明できる。自然選択による進化を説明できる。
5週 生物の進化5: 種とは何か・種分化 現在見られる種の多様性が生じた要因について様々なレベルから例を挙げて説明できる。
6週 生物の進化6: 生物の系統 現在の生物の系統・分類について進化的背景を踏まえながら説明できる。
7週 生命現象と物質1: 細胞と物質 細胞を作る物質を列挙できる。細胞の基本的な構造を説明できる。真核生物の細胞小器官の形態と働きを理解している。
8週 中間試験
2ndQ
9週 生命現象と物質2: タンパク質の構造と働き タンパク質とはどのような物質か説明できる。タンパク質の構造を理解している。
10週 生命現象と物質3: 酵素として働くタンパク質 酵素の構造と機能を理解している。酵素反応の調節について説明できる。
11週 生命現象と物質4: 細胞間の相互作用とタンパク質 酵素以外のタンパク質の働きを例を挙げて説明できる。
12週 ヒトの体の調節1:体内環境 体液について理解している。心臓と血液の循環、主要な臓器の働きについて理解している。
13週 ヒトの体の調節2: 体内環境を維持するしくみ ヒトの自律神経系、内分泌系の調節について理解している。また関連するタンパク質の働きについて理解している。
14週 ヒトの体の調節3: 免疫 自然免疫と適応免疫のしくみを理解している。
15週 ヒトの体の調節3: 免疫とヒト 免疫反応と病気についてその関連性を理解している。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3
実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。2
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。2
測定と測定値の取り扱いができる。3
測定と測定値の取り扱いができる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。2
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。2
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。2
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。2
ガラス器具の取り扱いができる。3
ガラス器具の取り扱いができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
試薬の調製ができる。3
試薬の調製ができる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3
いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。3
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。3
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。3
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。3
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。3
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。3
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。3
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。3
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4
錯体の生成について説明できる。4
錯体の生成について説明できる。4
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。3
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。3
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。3
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。3
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。3
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。3
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。3
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。3
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。3
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。3
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。3
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。3
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。3
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。3
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。3
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。3
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。3
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。3
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。3
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。3
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。3
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。3
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4
中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。4
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。4
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。4
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。4
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。4
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。4
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。3
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。3
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。2
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。1

評価割合

定期試験ホームワーク・課題受講態度合計
総合評価割合702010000100
基礎的能力2010500035
専門的能力5010500065
分野横断的能力0000000